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【本日のお品書き】鯵のレアフライ|裏返しの日々と、剥き出しの正論

今日もお疲れ様。おいちゃんです。

夜の静寂が降りるリビング。
山のような洗濯物を前に、一人で腰を下ろす。
我が家には「家事の役割分担」なんて無機質なルールはないんだ。
ママが畳むこともあるし、パパがやることもある。
「できる方が、やる。」 それがおいちゃん流。
そんな適当で柔らかなスタンスが、僕ら夫婦にはちょうどいい。

手にとったのは、5歳の姉ちゃんと3歳の弟君のパジャマ。
……まぁー見事に、どれもこれも裏返しだ
。 袖を引き抜き、裾を整えながら、ふと手が止まる。

「お洗濯入れるときは、ちゃんとひっくり返して入れなさいよー!」

無意識に漏れたその言葉が、記憶の奥底にある古い扉を叩いた。
あぁ、これ。 何十年も前、実家の居間でおいちゃんも母に言われていたこと、そのまんまじゃないか。
あの頃の僕は「脱いだらそうなるんだもん」なんて、
面倒くさそうに鼻を鳴らしていたっけ。

「おいちゃんも、親になったんだなぁ……」

そんな感慨に浸り、自分自身の成長をどこか誇らしく思って、ふふっと独り言を漏らす。
そこへ、パタパタと小さな足音が近づいてきた。

「あ、ごめんなさいって言いに来たのかな? 偉いねー」

慈愛に満ちた笑顔で迎え撃とうとしたパパに、娘が放ったのは、まさかのカウンターだった。

「パパだって、ビールばっかり飲まないのー!!」

……え、今それ関係ないやん。
思わず洗濯物の山に崩れ落ちた。
子供の目というのは、なんと恐ろしく、そして真実を射抜くものなのだろう。 裏返しの服を直す前に、パパのズボラな生活習慣を直せというのか。 理不尽で、それでいて純粋な正論。完敗だ。

そんな、剥き出しの言葉を食らって心がヒリついた今夜は。
せめて、この鯵(あじ)だけは、優しく、そして贅沢に包んであげようと思うんだ。


今夜の「だれやめ」メニュー:鯵のレアフライ

今夜のお品書きは、刺身用の鯵を使った「レアフライ」。
これは単なる揚げ物じゃない。
パパの傷ついた自尊心を優しくコーティングする、「精神の緩衝材」なんだ。

刺身で食べられるほどの鮮度を、あえて190度の熱い油に放り込む。
外側は、社会の荒波に耐えるパパのような、サクッと強固な衣。
けれどその中には、誰にも汚されたくない、しっとりと甘い「本音」がレアのまま隠れている。
この食感のコントラストこそが、理不尽と愛しさが入り混じる「育児」そのもののような気がするんだ。

【材料】(2〜3人分)

  • 刺身用の鯵(三枚おろし) … 2〜3尾分

  • 塩コショウ … 少々

  • 小麦粉、溶き卵、パン粉(細めがおすすめ) … 適量

  • 揚げ油 … 適量

【作り方】

  1. 鯵に軽く塩コショウを振る。

  2. 小麦粉→卵→パン粉の順で衣をつける。 (パン粉は細めを使うのがおいちゃん流。鯵の繊細な旨みを邪魔しないからね。)

  3. 揚げ油を190度の高温に熱する。 (ここが唯一のこだわり。低い温度だと、中に火が通りすぎて「ただのフライ」になっちゃう。一瞬の勝負だよ。)

  4. 鯵を投入して、片面15秒〜20秒。衣がキツネ色に色づいたら、すぐに引き上げる。

  5. 余熱で火が通り過ぎないよう、すぐにカットして皿に盛る。


包丁を入れた瞬間の、断面の美しさといったら。
中心に残る透明感のあるピンク色は、まるでお風呂上がりの子供たちの頬のようだ。

一口運べば、サクサクの衣が軽快な音を立て、次の瞬間には鯵の濃密な脂が口いっぱいに、優しく、暴力的に広がる。
あぁ、わっぜか贅沢ど。 娘に言われた「ビールばっかり」という正論が、この旨みで少しずつ溶かされていく。

役割なんて決めなくても、できる人がやればいい。
洗濯物を畳むのも、料理を作るのも、お互いを思いやるのも。
そんな「おいちゃん流」の優しさが、このレアな断面に詰まっている気がする。

子供の観察眼に恐れ入り、自分の成長に苦笑いし、最後は旨い一皿に救われる。 結局、今夜も「だれやめ」が止まらない。
でも、そんな夜があってもいいよね。

今日も1日おやっとさぁ。

レシピまとめはこちら👇

おいちゃん家事の流儀👇


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