今日も誰かのために #20 100%当たる予報
テレビに出ている気象予報士の雨宮さん
彼の予報は怖いくらいよく当たる
晴れの日も雨の日も台風の日も
彼の予報は100%当たる
「午後3時24分、東京駅前で雨が降ります」
そう言えば、本当にその時間
その場所にだけ雨が降る
人々は彼を「神の予報士」と呼んだ
*
ある日、生放送で
雨宮さんは珍しく少し暗い顔をしていた
「明日は全国的に晴れです。ただし、午後6時に私の家だけ大雨になります」
スタジオは笑った
雨宮さんも冗談を言うんだと視聴者も大笑いした
もちろん雨雲の予報など出ていない
*
翌日、午後6時
雨宮さんの自宅に大型トラックが突っ込んだ
積んでいた数千リットルの水が
雨宮さん宅に流れ込んだ
近所の人は口々に言った
「まるで大雨みたいだった...」
そしてその事故で、雨宮さんは亡くなった
*
数日後、雨宮さんの遺書が見つかった
そこには短くこう書かれていた
私は天気を予報していたのではありません。
明日の出来事が書かれたノートを見ていただけです。
ノートをめくると
「6月19日 午後6時 雨宮翔宅に大雨」
と書かれていた
その下にはさらに一行
「6月24日 午後8時 テレビでこのノートを公開される」
その出来事も予定通り起きた
スタッフも視聴者もみんな震えた
もし、そのノートに書かれてあることが
必ず起こるのなら
次のページに書かれている未来も
もう変えられないのだから......
(つづく)
