詩:逃げ水のゆくえ
白昼夢の底のような午後
わたしは白いレースの日傘を傾け
アスファルトの波間を歩いていました
遠くでゆらめくのは
いつまでも 追いつけない
異世界からの誘い水
歩みをすすめるたびに
するり と身をひるがえし
光の海を漂う水銀
熱い風がふいに日傘をさらおうとしたとき
そのゆらめきは楕円にゆがんだ影に吸いこまれ
銀色の閃光を放ちました
アスファルトの上に残ったのは
かすかに残る熱のゆらぎだけ
逃げ水は遠い次元の奥へと消えていきました
(玲 2026.7.13)
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