「せっかく採用したのに辞めた…」その原因、初日にあるかもしれません
「せっかく採用したのに、また辞めてしまった……」
介護事業所の経営者から、そんな声を聞くことが本当に増えました。しかし私は、その話を聞くたびに思うのです。
その新人さんを、職場全体で本氣で歓迎しましたか?と。
今の介護業界では、1人採用すること自体が簡単ではありません。求人を出しても応募が来ない。面接まで進んでも辞退される。ようやく採用できた人財は、まさにお宝的存在です。
それなのに入社初日、「今日から誰か来るんだっけ?」「制服、まだ揃ってないよ」「ロッカーは空いているところを使ってもらおうか」――そんな迎え方になっていないでしょうか。
新人さんにとって初日は、不安と緊張の連続です。知らない人、知らない仕事、知らないルール。その中で新人さんは、周囲の表情や言葉、ちょっとした対応から「自分はここで歓迎されているのか」を敏感に感じ取っています。
だからこそ、私は“1人の新人さんのために、どこまで本氣でウェルカムできるか”が、その事業所の人に対する姿勢を表すと思っています。
入口に名前入りのウェルカムボードを出す。ロッカーや名札、名刺、制服をきちんと準備する。全職員に入職日を周知し、「今日から〇〇さんが仲間になります。みんなで声をかけてください」と伝えておく。朝礼では拍手で迎えてもいいでしょう。
決して大げさではありません。
むしろ、これからの時代はそこまでやるくらいでちょうどいいのです。
数十万円の採用コストをかけて人を集めながら、入社後の受け入れには手間も時間もかけない。それでは、人は定着しません。
新人さんに「あなたが来てくれるのを、私たちは待っていました」と伝える。
その気持ちを、言葉だけではなく目に見える“形”で示すのです。
人が辞めてから慌てて求人を出す時代は、もう終わりです。一人ひとりとのご縁を大切にし、「この人には絶対に長く働いてもらう」という覚悟で迎える。
定着は、入社3か月後から始まるのではありません。
玄関を開けた、その瞬間から始まっているのです。
