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「高級店ぽく見せたい」と言われたら…抽象と具象の行き来で難問を楽しむ

照明デザイナーの後藤です。

高価な器具=質の高い空間
という訳ではありません。
安価な器具でも、その空間に何かキラリと光るものを創造できます。

それが照明デザインです。


「高級店ぽくみせたい」
「高級感が欲しい」
客単価の決して高くない庶民的な店なのに、そのようなオーダーを受けることがまれにあります。

ここで道が二つに分かれます。
①そのオーダー通りのデザインをすること
②そのオーダーを現場に当てはまるよう工夫すること

当たり前ですが、デザイン業務を生業にする者は②をとります。

①は、それが原因で問題が起きた際に
「お客さんの言う通りにしただけです」
という言い訳をするには良いのですが…
(火に油を注ぐことになるのがオチ)

無茶なリクエストには…まずは「抽象化」を

もしクライアント様が明確なイメージをお持ちならば、比較的スムーズに事が進むと思います。
しかしそれはレアケース。
それも含めて「なんとかする」わけです。

「高級」とは?
何をもってそう感じせしめる?
から思考をスタートしましょう。

連想ゲームの要領です。
マジカルバナナとか(古)。
高級→高級ホテル→その中のレストランやラウンジ→
という感じです。

帝国ホテル東京様より

高級「ぽく」見える要素というのは、多々ありますが、照明に限って進めます。

パッと見すると、意匠照明(シャンデリア等)と間接照明が特に目につきます。

では、意匠照明と間接照明に絞って考えてみましょう。

シャンデリアって高いよね…

「高級店の照明」で思い浮かぶのはシャンデリアでしょうか。
店舗だけでなくホテル、迎賓館、コンベンション施設と国や業界の大きなイベントになる場所でよく見かけます。
そして高価格です。
カタログ品としても多くのメーカーが掲載しています。
しかし、実際はその施設の特徴に合わせてオーダーメイドするのが一般的です。

ここでシャンデリアの成り立ちを確認しましょう。
ラテン語:光り輝く状態を表す candere
フランス語:ロウソクや燭台を表す chandelle
↑このあたりが語源とされています。

元々は貴族階級のお屋敷において、天井で吊るした木製の枠に蝋燭を多数灯すものでした。
すると明るさだけでなくキラキラ感もマシマシになります。
機能性を越えて装飾性が求められる場所に用いられるようになります。

こうしてシャンデリア=高級品というイメージが共有されてきたわけです。

シャンデリアを要素に分解しよう

次にシャンデリアの要素を分解してみましょう。
①光源がたくさんある
②キラキラ感が強い
③ボリュームあるサイズ
こんな感じでしょうか…

そこでご提案したいのがペンダント照明の多灯使いです。

①光源がたくさんある→ペンダント照明を多く用いる
②キラキラ感が強い→輝度の高いカバー(クリアガラス等)の器具を選ぶ
③ボリュームあるサイズ→なるべく密集して配置する

結果的にシャンデリアのように見える、という訳です。

ペンダント照明の多灯使いでの注意点!

なんだ、たくさん吊るせば良いのか簡単簡単
という訳でもないのです。

上図のように、隣接するペンダント照明がぶつからないよう吊り高さの検証が必要です。
特にガラスカバーの場合は要注意。
日本は地震大国なので、このあたりの注意が必要です。

いかがでしょうか?
極端なことを言うと、カバーのある照明器具ではなく、ソケット+電球でもいけます。
安価なものでもちょっとした工夫で空間にアクセントを加えることができます。

次回は「間接照明」の抽象→具体をご紹介します。

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