見出し画像

待つ身はつらいことでしょう-西武新宿の「待つ女」-


待つ女

西武新宿駅を利用する人なら、
この人を知っているかもしれない。

階段の脇に、いつもひっそりと立っている、
「待つ女」。

右目に眼帯をして、
夏でも冬でもショールを羽織り、
何かを誰かを待っている。

3月から新宿で働き始めて半年以上、

帰り道でこの人を見ない日は、ない。

一度朝までカラオケしたとき、
この人が帰るところを見た。

帰る家があるのかとか、
おもらいなのかたちんぼなのか
とかそういうことはどうでもよいのである。

彼女は待つのが仕事なのだ。

待つ身はつらいことでしょう。

友達や好きな人にメールをして、
待っているときに「つらいなあ」と思います。

トイレに行っている間にメールが来てないか確認して、
来ていなかったときの失望感。

メールセンター問い合わせの無情なメッセージ。

思いが募るとお風呂場に携帯を持って行ってしまったりする。

でも、
待っているだけじゃだめだ。

迷ったり傷ついたりしながらも、
歩いて行かなきゃなんない。

いつか光が射すのを信じて。


2007年ごろに書いたブログの転載です。

いいなと思ったら応援しよう!