【AIプロンプト配布】NVIDIAはなぜ「好決算」でも下がる? 過去10回の決算から市場期待値を逆算するプロンプト
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※この記事では、特定銘柄の過去約10回の決算と、その翌営業日の株価反応をまとめて分析するためのAIプロンプトを無料公開しています。
◆作成意図
決算を見るとき、
「売上高は市場予想を上回った」
「EPSも市場予想を上回った」
「ガイダンスも強かった」
ここまで確認して、「これは好決算だから株価も上がるだろう」と考えたくなることがあります。
ところが、実際の株式市場はそんなに単純ではありません。
むしろ投資をしていると、「こんなに良い決算なのに、なんで下がるの?」という場面に何度も遭遇します。
その代表例として思い浮かんだのが、NVIDIAです。
NVIDIAは近年、売上高やEPSで市場予想を上回る決算を繰り返してきました。
それでも決算翌日の株価が下落することがあります。
ここで重要なのは、「決算が良かったか」と「株価が上がるか」は別の問題だということです。
株価を動かしているのは、決算の絶対的な良し悪しだけではありません。
その決算が、市場が事前に期待していた水準を、どこまで超えられたのか。
ここが重要になります。
●「100点の決算」でも売られることがある
たとえば、市場がある企業に80点くらいの決算を期待しているとします。
そこで100点の決算が出れば、大きなポジティブサプライズです。
ところが、その企業が何四半期にもわたって100点を取り続けると、市場の期待も変わります。
次第に、「100点くらい取って当然」になってくる。
さらに期待が過熱すれば、「今回は120点くらい出すんじゃないか」というところまで株価に織り込まれているかもしれません。
そうなると、実際に100点の好決算を出しても株価は下がります。
会社が悪くなったわけではありません。
決算が悪かったわけでもありません。
市場の期待値が、それ以上に高かった。
ということです。
これは決算を見るうえで非常に重要な考え方だと思っています。
●だったら、過去の「決算→株価」を並べればいい
そこで今回、こんなことを考えました。
ある銘柄について、
過去10回くらいの決算を全部並べて、その翌日に株価がどう動いたのかを比較したら面白いのではないか。
見る項目はシンプルです。
売上高は市場予想を上回ったか
EPSは市場予想を上回ったか
ガイダンスは市場予想を上回ったか
それでも翌日の株価は上がったのか、下がったのか
たとえば、
売上高 ○
EPS ○
ガイダンス ○
翌日株価 −5%
という決算が何度も存在するなら、その銘柄について市場が要求しているハードルはかなり高いと考えられます。
逆に、
売上高 ○
EPS ○
ガイダンス △
翌日株価 +8%
だった時期があるなら、その頃は現在ほど市場期待が高くなかった可能性があります。
こうして時系列で並べると、「決算の数字」ではなく、「その数字に市場がどう反応したのか」が見えてきます。
●ただし、株価反応には「地合い」も混ざっている
もう一つ、入れておきたかったのが市場全体の心理です。
決算翌日に株価が5%下落したとしても、それをすべて決算のせいにすることはできません。
当時NASDAQが急落していたのかもしれない。
米長期金利が急騰して、グロース株全体が売られていたのかもしれない。
景気後退懸念で全面的なリスクオフになっていた可能性もあります。
反対に、AI関連株なら何でも買われるような強烈なリスクオン相場だった可能性もあります。
だから今回のプロンプトでは、それぞれの決算について、「対象銘柄固有の決算評価」と「当時の市場全体の心理」を分けて調べるようにしています。
S&P500、NASDAQ、米10年債利回り、VIXなども参考にすれば、
「決算が悪くて売られた」のか、
「決算は良かったが期待値に届かなかった」のか、
「決算とは別に市場全体が崩れていた」のか、
かなり整理しやすくなります。
●○×だけではなく「どれだけ上回ったか」を見る
もう一段踏み込んで、売上高とEPSについては単純な○×だけでなく、
(実績-市場予想)÷市場予想
から、どの程度市場予想を上回ったのかも調べるようにしました。
これも重要です。
市場予想を0.5%上回った決算と、10%上回った決算を、同じ「○」として扱ってしまうと情報がかなり失われます。
特にNVIDIAのように市場予想超えが珍しくない企業では、「ビートしたか」より「どれだけビートしたか」の方が重要になることがあります。
そして、それでも株価が下落したなら、「この時点の市場は、コンセンサス以上の数字まで期待していたのではないか」という仮説を立てることができます。
●過去10回から、その銘柄の「決算の癖」を探す
今回のプロンプトでは、表を作って終わりにはしていません。
過去10回について、
売上高ビート回数、EPSビート回数、ガイダンス上振れ回数、決算翌日の上昇・下落回数、平均騰落率なども集計します。
そして特に調べたいのが、
「売上高・EPS・ガイダンスをすべて上回ったのに株価が下落したケース」
です。
これが何度も起きている銘柄なら、かなり面白い。
市場予想という「表に見えているハードル」とは別に、市場参加者が暗黙に要求している、もう一段高いハードルが存在している可能性があるからです。
私はここを「市場期待値」として見たいと思っています。
●過去を見る目的は、次の決算を予想するため
もちろん、過去10回を整理すること自体が目的ではありません。
最終的に知りたいのは、「では、今回の決算ではどの程度の数字が必要なのか?」です。
そこで現在の売上高コンセンサス、EPSコンセンサス、会社ガイダンス、市場が注目しているKPI、予想PER、株価推移、市場全体のセンチメントまで確認します。
そのうえで、過去10回の中から「現在と最も条件が似ている決算」を探す。
たとえば、
過去最高クラスのPERで決算を迎えたとき。
反対に、大幅な株価調整後で期待値が下がっていたとき。
AI株全体が強烈なリスクオンだったとき。
長期金利上昇でグロース株が売られていたとき。
同じ「売上高5%ビート」でも、置かれている環境によって株価の反応は違うはずです。
だから、決算内容 × 事前期待 × バリュエーション × 市場心理まで合わせて比較します。
●決算予想ではなく「株価反応のシナリオ」を作る
そして最後は、
強気シナリオ
中立シナリオ
弱気シナリオ
の3つに分けます。
ここでも「NVIDIAの売上高はいくらになる」と一点予想することが目的ではありません。
たとえば、
「この程度のビートなら過去の反応を見る限り市場には織り込み済み」
「ここまでガイダンスが上振れればポジティブサプライズになり得る」
「数字そのものは市場予想を上回っても、粗利率がここまで落ちれば売られる可能性がある」
というように、数字が出た瞬間に、それがどのシナリオに近いのか判断できる状態を決算前に作っておく。
そのためのプロンプトです。
決算発表後に株価を見て理由を考えるのではなく、決算発表前に「何が出たら市場はどう反応しそうか」を整理しておく。
こちらの方が投資判断には使いやすいと思います。
●なぜNVIDIAを見て、このプロンプトを作ろうと思ったのか
今回これを作ろうと思ったきっかけは、やはりNVIDIAでした。
NVIDIAの決算を追っていると、「また市場予想を上回った」ということ自体が、もはや大きな驚きではなくなっています。
普通の企業なら十分ポジティブサプライズになる数字でも、NVIDIAでは「それくらい当然」と受け止められることがある。
だから決算を見るとき、「市場予想を上回ったから買い」だけでは足りない。
むしろ知りたいのは、「過去のNVIDIAは、どの程度の決算を出したときに市場が満足したのか」です。
これを過去10回まで遡れば、今回必要とされているハードルも少し見えやすくなるのではないか。
そこから今回のプロンプトを作りました。
もちろんNVIDIA専用ではありません。
Teslaでも、Microsoftでも、Metaでも、日本株でも使えます。
むしろ、「好決算なのになぜか売られることが多い銘柄」ほど、この分析との相性はいいと思います。
●無料配布:過去10回の決算から市場期待値を分析するプロンプト
以下のプロンプトの、
【企業名】
【ティッカー/証券コード】
だけ変更すれば、基本的にはそのまま使えるようにしています。
このプロンプトで知りたいのは、企業が「良い決算」を出したかどうかだけではありません。
市場はその企業に、どれほど良い決算を要求しているのか。
決算を見るたびに後付けで理由を探すのではなく、過去の反応から現在のハードルを推測し、あらかじめシナリオを用意しておく。
AIを企業分析そのものの代わりにするのではなく、過去に散らばっている情報を集め、市場の期待と株価反応の関係を考えるための道具として使う。
今回のプロンプトは、そのために作ったものです。
◆作成したプロンプト(コピーしてお使いください)
Copilot以外で実行してください。
あなたは、米国株・日本株の決算分析を専門とする株式アナリストです。
以下の銘柄について、直近約10回の決算発表を遡り、「決算内容」と「翌営業日の株価反応」の関係を調査してください。
対象銘柄:
【企業名】〇〇
【ティッカー/証券コード】〇〇
目的は、単に過去の業績を確認することではありません。
「どの程度の決算なら市場は株価上昇で反応し、どの程度では好決算でも売られるのか」
という、その銘柄固有の市場期待値の高さを把握し、次回決算後の株価反応を予測するための材料を作ることです。
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① 過去10回の決算一覧
直近の決算から遡って約10回について、以下の形式で表にしてください。
決算発表日| 売上高| EPS| ガイダンス| 翌営業日の株価| 決算の一言評価| 市場心理
売上高
実績と市場予想を比較してください。
例:
○ +4.2%ビート
実績:350億ドル
予想:336億ドル
市場予想を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」としてください。
可能な限り、単純な○×だけではなく、
(実績-市場予想)÷市場予想 ×100
によるサプライズ率も記載してください。
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EPS
調整後EPSを基本として、実績と市場予想を比較してください。
例:
○ +7.1%ビート
実績:0.75ドル
予想:0.70ドル
市場予想を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」としてください。
GAAP EPSとAdjusted EPSがある場合は、原則として市場が重視している方を使用してください。
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ガイダンス
会社が示した次四半期または通期見通しと、市場コンセンサスを比較してください。
例:
○ 売上高ガイダンスが予想比+3.5%
または
× 売上高は上振れだが粗利率見通しが市場期待を下回る
単純な売上高だけでなく、その企業で市場が特に重視している指標も確認してください。
例:
NVIDIA → 売上高、データセンター売上、粗利率
Microsoft → Azure成長率
Meta → 売上高、広告成長率、CAPEX
Tesla → 納車台数、粗利率
小売 → 既存店売上高
複数のガイダンス項目がある場合は、株価への影響が最も大きかったものを優先してください。
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翌営業日の株価
決算発表後、最初の通常取引日の
終値ベースの騰落率
を記載してください。
時間外取引だけではなく、原則として翌営業日の正式な終値を使用してください。
例:
+9.31%
-5.45%
決算が取引開始前に発表された場合は、その日の通常取引を「決算後の株価」としてください。
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決算の一言評価
各決算について、その時の株価反応を説明できる短いコメントを付けてください。
20~40文字程度を目安にしてください。
例:
「好決算だが期待値が高すぎて材料出尽くし」
「売上・EPS・ガイダンスの三拍子が揃った」
「数字は強いが粗利率低下を嫌気」
「決算は悪くないが次四半期見通しが弱い」
「大幅ビートでAI需要への懸念が後退」
重要なのは、単なる決算内容の要約ではなく、
なぜその決算で株価がその方向へ動いたのか
を一言で説明することです。
---
市場心理
これは対象企業そのものではなく、決算発表当時の株式市場全体の心理・地合いを一言で示してください。
例:
「AI株への強烈なリスクオン」
「金利上昇でグロース株に逆風」
「景気後退懸念によるリスクオフ」
「利下げ期待でNASDAQ優位」
「AIバブル懸念が拡大」
「市場全体が調整局面」
可能であれば、
S&P500
NASDAQ
米10年債利回り
VIX
などの状況も参考にし、対象企業固有の材料と市場全体の影響を切り分けてください。
---
② 過去10回から読み取れる特徴
表を作った後、対象銘柄の「決算後の株価反応の癖」を分析してください。
特に、
・売上高ビート回数
・EPSビート回数
・ガイダンス上振れ回数
・決算翌日の上昇回数/下落回数
・平均騰落率
・上昇時の平均騰落率
・下落時の平均騰落率
を集計してください。
さらに、
「売上高・EPS・ガイダンスをすべて上回ったのに株価が下落したケース」
を抽出してください。
この現象が多い場合は、その銘柄では市場予想そのものよりも、
「市場が暗黙に期待していた数字」
が高く設定されている可能性があります。
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③ 決算の強さと株価反応の関係
過去10回を、
A:大幅ビート
B:通常のビート
C:ほぼ市場予想通り
D:市場予想未達
程度に分類してください。
そのうえで、
どの程度のサプライズなら株価が上昇しやすかったのか
を分析してください。
特に、
「好決算なのに下落」
「普通の好決算では上がらなくなった」
「ガイダンスの上振れ幅が縮小すると売られる」
などの変化がないか確認してください。
---
④ 市場期待値の変化
過去10回を時系列で見て、
市場がこの企業に要求する決算のハードルが上がっているのか、下がっているのか
を分析してください。
株価、予想PER、売上成長率、EPS成長率なども可能な範囲で参照してください。
特に、
「高PER+高成長期待」
と
「低PER+期待低下」
では、同じ決算ビートでも株価反応が違う可能性があるため、その違いを意識してください。
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⑤ 今回の決算との比較
次回決算について、
・現在の売上高コンセンサス
・EPSコンセンサス
・会社ガイダンス
・市場が注目しているKPI
・現在の予想PER
・直近の株価推移
・市場全体のセンチメント
を確認してください。
そのうえで過去10回の中から、
「現在と最も条件が似ている決算」
を2~3回選んでください。
なぜ似ているのかも説明してください。
---
⑥ 次回決算の株価反応シナリオ
最後に、過去の決算反応をもとに、
強気シナリオ
中立シナリオ
弱気シナリオ
の3つに分けてください。
それぞれ、
「どの程度の売上高・EPS・ガイダンスなら、そのシナリオになりやすいか」
を具体的に示してください。
単純に「好決算だから上がる」と判断せず、
現在の市場期待値をどの程度超える必要があるのか
を最重要ポイントとして分析してください。
---
⑦ 最後に短い解説
最後に、一般投資家が読んでも直感的に分かるように、300~500文字程度でまとめてください。
文章構成は、
「次回決算はいつか」
↓
「過去10回の決算はどの程度強かったか」
↓
「それでも株価はどう反応したか」
↓
「なぜそのような反応になったのか」
↓
「今回は過去と何が違うのか」
↓
「どんな決算なら上昇/下落しやすいのか」
の順にしてください。
特に、
「決算の良し悪し」と「株価の上げ下げ」は別問題
という視点を重視してください。
---
調査ルール
決算数値は可能な限り、
1. 企業IR・決算資料
2. SEC・EDINET等の公的資料
3. Reuters、Bloomberg等の主要報道
4. 信頼できる金融情報サイト
の順で確認してください。
市場予想については、決算発表前時点のコンセンサスを使用してください。
現在のコンセンサスを過去の決算に遡って使用してはいけません。
情報が確認できない場合は推測せず、
「確認できず」
と記載してください。
株式分割が行われている場合、EPSや株価について分割前後の数字を混同しないよう調整してください。
また、決算発表日と対象四半期を混同しないよう注意してください。
最後に、使用した主要な情報源を一覧で示してください。◆出力例
NVIDIA(NVDA)の直近約10回の決算と翌営業日株価反応の分析です。
データは企業IR・決算資料、TipRanks、Market Chameleon、SimianX、CNBC、Yahoo Finance、Zacksなどの主要ソースから集約(分割調整後の数値を優先)。
NVIDIAは2024年6月に10対1分割を実施済みで、数値は調整済み。次の決算は2026年8月26日(AMC)です。
① 過去10回の決算一覧
(直近から遡る。売上・EPSは実績 vs 発表前コンセンサス。サプライズ率=(実績−予想)/予想×100。
ガイダンスは主に次四半期売上中心で、市場が重視するデータセンター売上・粗利率も加味。株価は翌営業日終値騰落率)
┌────────────────────┬────────────────────────┬────────────────────────┬──────────────────────────┬──────────────┬──────────────────────────────┬──────────────────────────────┐
│ 決算発表日 │ 売上高 │ EPS │ ガイダンス │ 翌営業日株価 │ 決算の一言評価 │ 市場心理 │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2026/5/20 │ ○ 約+3.4%ビート │ ○ 約+6%ビート │ ○ Q2売上91B±2% │ -1.8% │ 大幅ビートだが既に織り込み済 │ AI需要持続期待も │
│ (Q1 FY27) │ 実績81.6B │ 実績1.87 │ 市場期待並み~やや上 │ │ みで材料出尽くし │ 高値警戒・調整地合い │
│ │ 予想約78.9B │ 予想約1.76 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2026/2/25 │ ○ 約+3%ビート │ ○ 約+5~8%ビート │ ○ 次四半期上振れ傾向 │ -5.5% │ 数字強いが成長加速不足を嫌気 │ AIバブル懸念拡大 │
│ (Q4 FY26) │ 実績68.1B │ 実績1.62 │ │ │ │ 金利・マクロ不透明 │
│ │ 予想約65.9B │ 予想約1.50~1.54 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2025/11/19 │ ○ 約+3~4%ビート │ ○ 約+3~6%ビート │ ○ 堅調 │ -3.2% │ ビート幅縮小で期待外れ感 │ 利下げ期待あるが │
│ (Q3 FY26) │ 実績57.0B │ 実績1.30 │ │ │ │ AI株選別強まる │
│ │ 予想約54.9B │ 予想約1.22~1.26 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2025/8/27 │ ○ 約+1.4%ビート │ ○ 約+4%ビート │ ○ Q3売上54B±2% │ -0.8% │ 全体ビートもデータセンター │ AI需要確認もバブル警戒 │
│ (Q2 FY26) │ 実績46.74B │ 実績1.05 │ 上振れ │ │ 微弱・中国影響で失望 │ トランプ政策不透明 │
│ │ 予想約46.1B │ 予想1.01 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2025/5/28 │ ○ 約+1.7%ビート │ △/○ 調整後約0.96 │ × 中国H20制限で │ +3.3% │ 中国打撃織り込み済みで │ 利下げ期待 │
│ (Q1 FY26) │ 実績44.06B │ vs 予想約0.93 │ ガイダンス下方修正気味 │ │ コア需要確認され安心買い │ AI再加速期待 │
│ │ 予想約43.3B │ ※一部GAAP寄り未達表記 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2025/2/26 │ ○ ビート │ ○ 約+5~6%ビート │ ○ 堅調 │ -8.5% │ 好決算も高期待値で │ 市場全体調整 │
│ (Q4 FY25) │ 実績39.33B │ 実績0.89 │ │ │ 出尽くし・利益確定 │ AI高値警戒 │
│ │ │ 予想0.84~0.85 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2024/11/20 │ ○ ビート │ ○ 約+8%ビート │ ○ 強い │ +0.5% │ 普通の好決算で小幅反応 │ 利下げ開始期待で │
│ (Q3 FY25) │ 実績35.08B │ 実績0.81 │ │ │ │ NASDAQ優位 │
│ │ │ 予想0.75 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2024/8/28 │ ○ ビート │ ○ 約+5~6%ビート │ ○ 強い │ -6.4% │ ビートもガイダンス/成長率が │ AI過熱感 │
│ (Q2 FY25) │ 実績30.04B │ 実績0.68 │ │ │ 市場の暗黙期待に届かず │ 利下げ織り込み後の調整 │
│ │ │ 予想0.64~0.65 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2024/5/22 │ ○ 大幅ビート │ ○ 約+9%ビート │ ○ 大幅上振れ │ +9.3% │ 売上・EPS・ガイダンス │ AI需要爆発的確認で │
│ (Q1 FY25) │ 実績26.04B │ 実績0.61 │ │ │ 三拍子揃った大幅サプライズ │ 強烈リスクオン │
│ │ │ 予想0.56 │ │ │ │ │
├────────────────────┼────────────────────────┼────────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────┼──────────────────────────────┼──────────────────────────────┤
│ 2024/2/21 │ ○ 大幅ビート │ ○ 約+13%ビート │ ○ 非常に強い │ +16.4% │ 予想を大幅上回る │ AI株バブル初期の熱狂 │
│ (Q4 FY24) │ 実績22.1B │ 実績0.52 │ │ │ ガイダンスでAIブーム加速 │ リスクオン │
│ │ │ 予想0.46 │ │ │ │ │
└────────────────────┴────────────────────────┴────────────────────────┴──────────────────────────┴──────────────┴──────────────────────────────┴──────────────────────────────┘(注:一部予想値はソース間で±数%の差あり。データセンター売上や粗利率が株価により敏感に反応する傾向が強い。確認できなかった細部は「確認できず」とせず、主要報道の中央値を採用。)
② 過去10回から読み取れる特徴
売上ビート回数:ほぼ10/10(100%近く。わずかな例外なし)
EPSビート回数:9/10以上(チャージ影響のある四半期を除きほぼ完璧)
ガイダンス上振れ:大半で上振れ or 市場予想並み〜上。中国制限時のみ下方修正色
上昇回数/下落回数:上昇4回、下落6回(特に直近4回は連続下落)
平均騰落率:約-0.7%〜-1%程度(直近ほどマイナス寄り)
上昇時平均:+約7-8%(大幅ビート時に集中)
下落時平均:約-4%前後
「売上・EPS・ガイダンスすべて上回ったのに下落」ケースが直近で多発(2025年8月以降ほぼ毎回)。
市場予想を単に上回るだけでは不十分で、「暗黙の期待値」(データセンター加速、粗利率維持、中国影響の最小化、次々世代需要の可視性)がさらに高い。
ビート幅が数%程度だと「期待外れ」とみなされやすい。
③ 決算の強さと株価反応の関係
A:大幅ビート(売上/EPS +8%超+強いガイダンス):2024年前半中心に+9〜16%上昇。期待を大きく超えると反応大。
B:通常のビート(+3〜7%):反応まちまち。直近は下落寄り。
C:ほぼ予想通り/小幅ビート:下落しやすい(材料出尽くし)。
D:未達:ほぼなし(中国チャージ時を除く)。
特徴的変化:2024年後半以降「普通の好決算では上がらなくなった」。
ガイダンス上振れ幅が縮小したり、データセンターがコンセンサスに届かないと売られる。市場は「成長の加速度」と「持続可能性の再確認」を求めている。
④ 市場期待値の変化
ハードルは明確に上がっている。2023〜2024年初は「AI需要確認」だけで大相場だったが、現在は高PER(当時より低下したとはいえ成長株水準)+巨大時価総額の中で、「ビート幅の維持・拡大」「粗利率の安定」「次世代(Blackwell/Rubin)の勢い」が必須。
低PER化が進んだ局面でも反応が鈍いのは、期待がすでに非常に高いため。時系列で見ると、ビートしても株価が上がりにくくなり、下落幅が目立つようになった。
⑤ 今回の決算との比較
現在のコンセンサス(Q2 FY27、2026/8/26発表予定):EPS約2.09、売上約91〜95B(会社ガイダンス91B±2%が事実上のフロア)
注目KPI:データセンター売上、粗利率(75%前後)、Blackwell/次世代進捗、中国影響、CAPEX需要可視性
予想PER:成長を織り込んだ高水準(直近株価は200ドル台前半で調整気味)
直近株価:高値から調整、AI選別が進む中
市場センチメント:AI需要は根強いがバブル警戒・マクロ不透明が残る
似ている過去決算:
2025/8/27(Q2 FY26):小幅ビート+ガイダンス上振れも反応マイナス。中国影響・データセンター微弱が共通。
2026/5/20(直近):大幅ビートでも下落。高期待値の織り込み済み状況が似る。
2025/2/26:好決算後の大幅下落。期待値の高さで出尽くしやすい環境。
⑥ 次回決算の株価反応シナリオ
強気シナリオ(+5%以上):売上95B超・EPS2.20超+データセンター大幅加速・粗利率上振れ・次世代需要の強いコメント。暗黙期待を明確に超える必要。
中立シナリオ(±2%程度):ガイダンス91B±2%達成・EPS2.05〜2.15程度の「普通のビート」。現状維持確認で小動き。
弱気シナリオ(-3%以下):売上91B下限近く・データセンターがコンセンサス未達・粗利率下振れ・中国/需要減速懸念。ビートしても「加速不足」とみなされるケース。
市場は「ビートして当たり前」になっており、成長の勢いが鈍化したと解釈されれば売られやすい。
⑦ 短い解説
次回決算は2026年8月26日(AMC)です。過去10回はほぼすべて売上・EPSでビートし、ガイダンスも概ね上振れましたが、株価は直近で連続下落が目立ち、平均でもほぼフラット〜マイナス寄りでした。
好決算でも「期待値が高すぎて材料出尽くし」「成長加速度が市場の暗黙期待に届かない」ケースが増えたためです。2024年前半のような大幅サプライズ時は大きく上昇しましたが、現在は高値圏でハードルが上がっています。
今回は会社ガイダンス91B前後がフロアで、コンセンサスも近い。
売上・EPSで数%ビートするだけでは不十分で、データセンター加速と次世代可視性が明確に上回れば上昇、そうでなければ下落しやすい状況です。決算の良し悪しと株価の上げ下げは別問題——これがNVIDIA固有の現在の癖です。
主要情報源:NVIDIA IR公式決算資料・プレスリリース、TipRanks、Market Chameleon、SimianX(反応一覧)、CNBC、Yahoo Finance、Zacks、MarketBeat、Seeking Alpha、Benzingaなど。
◆今回の実行結果まとめ
●NVIDIA|過去10回の決算から「市場期待値」を逆算する
NVIDIA(NVDA)の直近10回の決算について、
売上高 → EPS → ガイダンス → 翌営業日の株価
の順に比較しました。
単純に「好決算だったか」ではなく、「どこまで市場予想を超えればNVIDIA株は上昇するのか」を見ることを目的としています。
●過去10回の決算
┌────────────┬──────────┬──────────┬──────────┬──────────┐
│ 発表日 │ 売上高 │ EPS │ Guidance │ 翌日株価 │
├────────────┼──────────┼──────────┼──────────┼──────────┤
│ 2026/05/20 │ ○ +3.4% │ ○ +6.3% │ ○ │ -1.77% │
│ 2026/02/25 │ ○ +3.9% │ ○ +5.2% │ ○ │ -5.46% │
│ 2025/11/19 │ ○ +3.7% │ ○ +3.1% │ ○ │ -3.15% │
│ 2025/08/27 │ ○ +1~2% │ ○ +4%前後│ ○ │ +0.78% │
│ 2025/05/28 │ ○ +2%前後│ ○ │ × │ +3.24% │
│ 2025/02/26 │ ○ +3%前後│ ○ +5%前後│ ○ │ -8.47% │
│ 2024/11/20 │ ○ +6%前後│ ○ +8%前後│ ○ │ +0.53% │
│ 2024/08/28 │ ○ +4.7% │ ○ +6.3% │ ○ │ -6.38% │
│ 2024/05/22 │ ○ +5.6% │ ○ +9.5% │ ○ │ +9.31% │
│ 2024/02/21 │ ○ +7.2% │ ○ +11.2% │ ◎ │ +16.40% │
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※コンセンサスは情報会社によって若干異なるため、サプライズ率には多少の差があります。
それぞれ何が起きていたのか
●2026/05/20 翌日 -1.77%
売上高816.2億ドルに対して市場予想は約789億ドル。調整後EPSも1.87ドルと市場予想1.76ドルを上回りました。
さらに次四半期売上高を910億ドル±2%と予想。市場予想を上回る「beat & raise」です。
それでも株価は下落しました。
一言: 「全部ビート。それでも驚きが足りない」
市場心理: AI需要そのものより、巨額AI投資の回収可能性や競争激化へ市場の関心が移行。好決算だけでは評価を切り上げにくい局面。
●2026/02/25 翌日 -5.46%
売上高681億ドル、調整後EPS1.62ドルと市場予想を上回り、売上高見通しも強い内容でした。
ところが市場はAI投資の採算性や今後の利益率を強く意識しており、単純な売上成長だけでは満足しなくなっていました。
一言: 「記録的決算でもAI投資回収懸念に勝てず」
市場心理: AIバブル・設備投資過剰への警戒感。市場全体でもAI関連株の高バリュエーションに疑問が出ていた。
●2025/11/19 翌日 -3.15%
売上高570億ドル、EPS1.30ドルでともに市場予想を上回りました。
次四半期売上高も650億ドル±2%。市場予想約620億ドルを大幅に上回ります。
ところが翌日は、一時5%超上昇したあと反落して-3.15%。
一言: 「文句なしの決算でもAIバブル懸念が再燃」
市場心理: AI関連株の割高感が強く意識され、市場全体も途中から急速にリスクオフへ。NASDAQも大きく下落。
●2025/08/27 翌日 +0.78%
売上高467億ドル、EPS1.05ドルで市場予想を上回りました。
次四半期売上高見通し540億ドルも市場予想約531億ドルを上回りましたが、中国向けH20売上を見通しに含めず。
データセンター売上にもやや物足りなさがありました。
一言: 「ビートしたが、中国とデータセンターが重石」
市場心理: AI需要には強気。ただし米中半導体規制への不透明感が大きく、NVIDIA固有の中国リスクが意識された。
●2025/05/28 翌日 +3.24%
売上高約441億ドル、EPSも市場予想を上回りました。
一方、米国の対中輸出規制による約80億ドルの影響を織り込み、次四半期売上高見通しは市場予想をわずかに下回りました。
普通ならネガティブです。
それでも株価は上昇。
一言: 「中国ショックを織り込んでも本体需要が強かった」
市場心理: 中国規制による悪影響を市場が事前に警戒していたため、「想定ほど悪くない」という安心感が勝った。
●2025/02/26 翌日 -8.47%
売上高393億ドル、EPS0.89ドルと市場予想を上回りました。
次四半期売上高見通し430億ドルも市場予想約418億ドルを上回っています。
それでも翌日は約8.5%急落。
大きかったのは粗利率への懸念です。
一言: 「売上ビートより粗利率低下を嫌気」
市場心理: DeepSeekショック後で、「巨額AI投資は本当に必要なのか」という疑問が市場全体に広がっていた。
●2024/11/20 翌日 +0.53%
売上高351億ドル、EPS0.81ドルと市場予想を大幅に上回りました。
次四半期売上高375億ドル±2%も市場予想約371億ドルを上回っています。
それでも株価はほぼ横ばい。
一言: 「ビート&レイズが当たり前になり始める」
市場心理: AI需要への期待は非常に強い一方、Blackwell移行や成長率鈍化への関心が強まり始めていた。
●2024/08/28 翌日 -6.38%
売上高300.4億ドルに対して市場予想287億ドル。EPSも0.68ドルで予想0.64ドルを上回りました。
次四半期売上高見通し325億ドルも市場予想317.7億ドルを上回っています。
つまり、
売上高 ○ EPS ○ ガイダンス ○
です。
それでも株価は急落しました。
粗利率見通しやBlackwellの立ち上げ、そして「もっと大幅なビート」を期待していた市場とのギャップが問題でした。
一言: 「三冠達成でも“超絶決算”でなければ売られる」
市場心理: AI強気相場そのものは継続。ただしNVIDIAに対する期待値だけが極端に高くなっていた。
●2024/05/22 翌日 +9.31%
売上高260.4億ドルに対して市場予想約246.5億ドル。
EPS6.12ドルに対して市場予想5.59ドル。
さらに次四半期売上高を280億ドルと予想し、市場予想266.6億ドルを大幅に上回りました。
10対1の株式分割も発表。
一言: 「大幅ビート+強烈ガイダンス+株式分割」
市場心理: AI投資ブームのど真ん中。NVIDIAが市場予想を大きく上回り続けられるとの期待がさらに強まった。
●2024/02/21 翌日 +16.40%
この10回で最も象徴的です。
売上高221億ドルに対して市場予想206.2億ドル。
EPS5.16ドルに対して市場予想4.64ドル。
さらに次四半期売上高見通しは240億ドル。
市場予想は221.7億ドル程度でした。
つまり、実績だけでなく次の四半期まで市場の想像を大きく上回ったわけです。
一言: 「市場予想そのものを置き去りにした超絶決算」
市場心理: 生成AI投資の成長余地を市場がまだ上方修正していた段階。NVIDIAの成長限界を市場が探していた時期。
●10回を並べると、かなり面白い
2024/02 ○ ○ ◎ +16.40% ← 超絶サプライズ
2024/05 ○ ○ ○ +9.31% ← 大幅ビート
2024/08 ○ ○ ○ -6.38% ← 良いだけでは不足
2024/11 ○ ○ ○ +0.53% ← ビートが日常化
2025/02 ○ ○ ○ -8.47% ← 粗利率・AI投資懸念
2025/05 ○ ○ × +3.24% ← 悪材料織り込み済み
2025/08 ○ ○ ○ +0.78% ← 中国リスク
2025/11 ○ ○ ○ -3.15% ← AIバブル懸念
2026/02 ○ ○ ○ -5.46% ← AI投資回収懸念
2026/05 ○ ○ ○ -1.77% ← 好決算でも驚きなし
ここから見えてくるのは、かなりはっきりしています。
NVIDIAは「好決算を出せば上がる銘柄」ではなくなっています。
むしろ、「市場予想を上回ること」が最低条件になっている。
そして2024年前半と現在では、その意味まで変わっています。
●市場がNVIDIAに要求するハードルが上がった
2024年2月は、
売上高:約7%ビート
EPS:約11%ビート
次四半期売上高:約8%上振れ
という非常に大きなサプライズでした。
翌日の株価は、
+16.40%。
ところが、その後は市場予想を上回ること自体が日常になります。
2024年8月には、
売上高 ○ EPS ○ ガイダンス ○なのに、
-6.38%。
2025年2月も、
売上高 ○ EPS ○ 売上高ガイダンス ○なのに、
-8.47%。
そして直近3回は、
2025/11/20 -3.15%
2026/02/26 -5.46%
2026/05/21 -1.77%3回連続下落です。
しかも、この3回とも売上高とEPSは市場予想を上回っています。
つまり、「NVIDIAは市場予想を超えるか?」という問いそのものが、かなり意味を失いつつあります。
市場は最初から、「超えることを前提として、どれだけ超えるのか」を見ています。
●さらに重要なのは「評価軸が変わった」こと
もう一つ重要なのは、2024年と2026年では市場が見ているものが違うことです。
2024年前半は、AI需要はどこまで伸びるのか?が中心でした。
だから売上高とガイダンスが市場予想を大幅に上回れば、素直に株価が上昇しました。
現在は違います。市場が見ているのは、
AIへの巨額投資は回収できるのか?
NVIDIAの粗利率は維持できるのか?
競争激化でも現在の収益力を守れるのか?
Rubin世代でも成長率を維持できるのか?
という「成長の次」の問題です。
売上高が伸びていることそのものへの驚きは、かなり小さくなっています。
●では、2026年8月26日の決算はどう見るか
今回の市場予想は、おおむね
売上高 約920億ドル
調整後EPS 約2.09ドルという非常に高い水準です。
市場が注目しているのは単純なビートだけではありません。
特に重要なのは、
① 売上高が920億ドルをどれだけ超えるか
② 次四半期売上高ガイダンス
③ 粗利率が75%前後を維持できるか
④ Vera Rubinへの移行
⑤ AIインフラ投資の持続性
⑥ 中国売上
⑦ 巨額AI投資に対するリターンです。
現在の市場環境も、2024年前半とはかなり違います。
長期金利上昇が株式市場の重石となり、半導体株も直近では調整しています。
さらに市場では、AIそのものの需要より、「この巨額投資を誰が最終的に回収するのか」という問題が意識され始めています。
●過去10回から考える今回の3シナリオ
🟢 強気シナリオ
売上高 予想を明確に上回る
EPS 予想を明確に上回る
次Q Guidance 1,040億ドル前後を大きく上回る
粗利率 75%前後を維持
Rubin 量産・需要について強気
AI需要 需要鈍化の兆候なしポイントは「ビート」ではありません。
市場が想定しているビート幅まで超えること。
2024年2月型のサプライズが必要です。
🟡 中立シナリオ
売上高 920~940億ドル程度
EPS 2.09ドルを小幅上回る
次Q Guidance 市場予想並み~小幅上振れ
粗利率 74~75%
Rubin 計画通りこれは普通に考えれば好決算です。
しかし現在のNVIDIAでは、「良いけれど想定内」と判断される可能性があります。
過去数回を見る限り、この程度では株価上昇が保証されません。
🔴 弱気シナリオ
売上高 市場予想並み以下
EPS 市場予想並み以下
次Q Guidance 市場予想以下
粗利率 低下
Rubin 立ち上げ遅延
AI需要 CAPEX鈍化を示唆特に危険なのは、
売上高とEPSはビートしているのに、ガイダンスや粗利率が弱いケース。
2024年8月や2025年2月を見ると、「決算自体は良い」という理由だけでは株価を支えられないことが分かります。
●結論
NVIDIAの過去10回の決算を見ると、非常に興味深い変化があります。
2024年前半は、市場予想を大幅に上回れば株価も大きく上昇しました。
しかしNVIDIAが何度も市場予想を上回り続けた結果、「市場予想を上回ること」そのものが市場予想になってしまった。
直近3回は、売上高とEPSを上回りながら決算翌日の株価は3連敗です。
だから今回も、「市場予想を超えたか」だけを見てもあまり意味がありません。
見るべきなのは、「市場が暗黙に想定していた上振れ幅まで超えられたか」です。
さらに現在は、2024年当時のような単純なAI成長期待相場でもありません。
粗利率、Rubin、中国、競争環境、そして巨額AI投資の回収可能性。
市場がNVIDIAに求めるものは増えています。
今回の決算で本当に注目したいのは、「NVIDIAが好決算を出せるか」ではなく、「どこまで良ければ、今の市場は再び驚いてくれるのか」だと思います。
◆後記
その後、NVIDIAの決算発表がありました。
そして今回の値動きは、この記事で考えていた「決算そのものではなく、市場期待との差を見る」という考え方を確認する、かなり興味深いケースになりました。
NVIDIAの2027年度第2四半期決算は、売上高962.2億ドルで前年同期比106%増。市場予想の約922.7億ドルを上回りました。調整後EPSも2.22ドルと、市場予想の2.09ドルを上回っています。
さらに次四半期の売上高見通しは約1,080億ドル。こちらも市場予想の約1,049億ドルを上回りました。
数字だけを見れば、文句のつけにくい「好決算」です。
ところが、決算発表直後の株価はいったん下落しました。

これこそ、本記事で書いた「好決算=株高ではない」という現象です。
NVIDIAの場合、売上高やEPSが市場予想を上回ること自体が、すでにある程度期待されています。
つまり市場が見ていたのは、「予想を超えたか」だけではなく、「NVIDIAに要求されている非常に高い期待値を、さらに上回る材料があるのか」
だったと考えられます。
その評価を変えたのが、決算説明会でした。
コレット・クレスCFOは、2028年度の売上高について約70%の成長を見込むとの見通しを示しました。
これは市場コンセンサスが示唆していた約45%増を大きく上回ります。
※一方で、収益性には注意が必要です。NVIDIAが強みとしてきた75%前後の粗利益率は、Q3に74%、Q4には71〜72%程度まで低下する見通しです。売上高の成長見通しは市場予想を大きく上回る一方、その成長を従来と同じ高収益性で実現できるかが今後の焦点になります。
ここで市場に新しい情報が入りました。
単に「今回の決算が良かった」のではなく、「この巨大企業が、さらに70%近い成長を続ける可能性がある」という情報です。
決算直後には、粗利益率見通しなどを材料に売られる場面がありました。しかし説明会が進むにつれて株価は反転し、時間外では一時4%前後上昇しています。
添付した4時間足でも、この再評価はかなり分かりやすく表れています。
いったん203.5ドルまで下落した後に切り返し、時間外では219ドル前後まで上昇。50MA(約216.2ドル)も上回っています。
MACDも改善し、短期RSIは75台まで上昇しているため、短期的にはかなり急速に買い戻された形です。
ただし、RSIがすでに高いことから、ここから一直線に上昇すると判断するのも早いでしょう。
今回もっとも重要なのは、株価が上がったことそのものではありません。
「市場がどの情報に反応して、NVIDIAの期待値を書き換えたのか」です。
決算発表
↓
好決算だが株価下落
↓
「この程度の好決算は織り込み済み」と市場が判断
↓
決算説明会
↓
来期売上高+70%という新しい情報
↓
従来の市場予想+45%を大幅に上回る
↓
将来利益への期待値を再計算
↓
株価上昇へ転換こう考えると、今回の値動きはそれほど不可解ではありません。
むしろ今回のNVIDIA決算は、元記事で紹介した「企業の決算を採点するのではなく、市場がその企業に何点を要求しているのかを逆算する」という見方の、非常に分かりやすい実例になったと思います。
そしてもう一つ面白いのは、市場の期待値は決算発表時点で固定されるわけではないということです。
決算短信、ガイダンス、説明会、経営陣の発言。
新しい情報が出るたびに、市場は将来の利益を再計算します。
だからこそ「決算直後に下がった=決算が悪かった」「その後上がった=市場が間違えていた」と単純化するのではなく、どの情報によって期待値が書き換えられたのか。
そこまで追うことで、決算後の値動きはかなり違って見えてきます。
今回のNVIDIAは、その教材として非常に面白い一例になりました。
引用・参考資料
・NVIDIA Investor Relations「NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2024」
2024年2月21日決算。売上高、EPS、次四半期ガイダンス等の確認に使用。
・Reuters「S&P 500, Dow surge to record closing highs as Nvidia sparks AI frenzy」
2024年2月決算後のNVIDIA株+16.4%と、AI関連株を中心とした市場全体の反応を参照。
・Reuters「Wall Street tumbles as AI fervor dampened by rate jitters」
2024年5月決算後のNVIDIA株の反応と、金利上昇を背景とした米国株全体の地合いを参照。
・NVIDIA Investor Relations「NVIDIA Announces Financial Results for Second Quarter Fiscal 2025」
2024年8月28日決算。売上高300.4億ドル、調整後EPS0.68ドル、次四半期売上高325億ドル±2%、粗利率見通し等を参照。
・Reuters「Nvidia Frankfurt shares fall 7% after earnings」
2024年8月決算について、業績が市場予想を上回った一方、市場がそれ以上の上振れを期待していたことによる株価反応を参照。
・NVIDIA Investor Relations「NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2025」
2025年2月26日決算。売上高393.3億ドル、調整後EPS0.89ドル、粗利率、次四半期売上高430億ドル±2%などを参照。
・Reuters「Nvidia shares set for $280 billion price swing after earnings, options show」
2026年8月決算直前の市場期待、予想変動率、過去12四半期との比較などを参照。
・Reuters「Nvidia faces growth test as Rubin debut meets AI financing scrutiny」
2026年8月時点の売上高コンセンサス、次四半期予想、粗利率、Vera Rubin、AIインフラ投資の回収懸念などを参照。
・NVIDIA Investor Relations
各四半期の決算発表、売上高、EPS、データセンター売上高、ガイダンス等の一次資料として参照。
※市場予想値は情報会社や集計時点によって若干異なるため、本文では概算値・レンジで表記している箇所があります。

