見出し画像

子育ては地方と東京都心、どっちがベター?

こんにちは。小児科医のひろです。

今回は、子育ては地方または東京のどちらで行うのが良いのか?という題材で記事を書きました。

先に私の子育て状況をお話しすると、今年の5月に子供が生まれて、今3か月になろうとしております。

今は子育てに対する支援・施策が充実しており、特に医療費に関していうと、子供は社会保険と自治体が発行する医療症があれば、実質無料になるというのは非常にありがたいです。

昔と比べて、少子化が進んだ中で、優遇制度がいろいろと組まれておりますが、それでも子どもを育てていくには大変だと感じることがしばしばあります。

私は、東京で暮らし、子育てを行っているのですが、この育てにくいと思う部分は地域による問題なのか?と感じることもあったので、今回は子育ての地域性に関して考察していきます。



1. 地方と東京で受けられる支援制度の違い

よくメディアでは、東京は子育て支援政策・補助が充実していると報道されたり、各SNSでもさまざまなインフルエンサーが「東京都の補助で〇〇をもらえた」と呟いていたりと、何かと子育てに有利なのではないかいうイメージがあるかと思います。

国が支援する児童手当(15,000円/月〈3歳未満〉・10,000円/月〈3歳~高校〉、第3子以降にあたる児童は多子加算で30,000円/月)は、東京と地方で違いはありません。

また、保育園や幼稚園料は国の無償化制度により、大半無料化されており、東京と地方で大差はない(3~5歳はどちらも無料)です。
医療費助成に関しては0〜15歳は無償となるようにどの自治体でも支援制度を持っており、東京と地方でこれも大差ありません(東京23区では15歳〜18歳も無償とされておりますが)。

では、実際に地方と東京を比べて、どの支援が東京オリジナリティで地方にはないものなのかをざっくりリストアップしてみます。

① 018サポート

これは、0~18歳に月5,000円、年60,000円を支給するという東京都独自の支援制度です。1人あたり18歳までこのサポートを受けた場合は114万円(0〜18歳までの19年分)の補助が受けられることになります。

② 赤ちゃんファースト

出生後に東京都から10万円相当のギフト券をもらえるという制度です。

①②を合わせると、大雑把に東京で子供1人育てるのに、124万円分が支援されます。


2. 生活を維持するための費用の違い

生活費に関しては、東京と地方では大きく異なると思っております。

① 家賃

東京都23区で約11万円/月になります。
一方で、全国平均は約6.6万円/月になりますので、約1.5倍に達しています。
ファミリー世帯向けの間取りの賃貸に限定してみると、東京都23区だと20万円台/月になります。一方で全国的には、8〜10万円台/月です。
(東京23区以外だとファミリー向け賃貸の家賃は平均10〜13万円/月程度と下げられます)

② 食費

これは東京特有の物価高はありますが、全国平均並みかやや少し高いくらいです。そこまで大きな差はないようです。

③ 交通費

車を持っていない世帯では、公共交通機関を使う点で東京と地方で大きな差はありません。
ただし、車を持つ世帯で、東京と地方を比較するとその差は顕著になってきます。
その理由としては、「駐車場代」です。
東京では月極駐車場代が3〜5万円/月であり、地方ではざっくり0〜1万円/月です。その差は、36〜60万円/年、360〜600万円/10年となっていきます。
また、月極駐車場以外にも、都内の出先で駐車場を使用する時の料金はかなり高いです。

東京で、金食い虫となるのは、「家賃」と「駐車場代」です。
ファミリー世帯の賃貸で、かつ車を持つ東京都心に住む人は、地方と比較して、単純計算で少なくとも156万円/年を多く負担していることになります。


3. 子育ての大変さは、「移動手段」にあった


ここで、「地方」と定義している地域は、車社会で成り立っている地域であることを前提とさせてください。

私は、地元が「地方」なので、現在住んでいる東京と併せると、両方の暮らしを経験していることになります。

冒頭に伝えた大変さは何に起因するのか・・・それは「車がないこと」でした。
わたしは、都心も地方も子育てには、「車」があった方がよい、と思います。

地方で車を持った方が良いということは、バスの利用以外で、その社会に根付く必要な移動手段であるため、いうまでもないことですが、東京でも車はあった方が良いです。

東京で、車を持たない方のメインの移動手段は「電車」です。現在、東京では人口増加とともに、ほぼどの路線でも満員電車を強いられます。登りや下りを意識して時間帯をずらせば、人混みを避けることができますが、逆に時間帯をずらさないとベビーカーを乗せて電車に乗せられません。時間を気にしない移動は躊躇せざるを得ません。

車を持っていれば、多少の渋滞などはあるかもしれませんが、保育園の送迎、塾の送り迎えなど、ちょっとした移動に関して、時間を気にせずにすみます。

また、3人以上子どもを育てる場合には、よっぽどの歳の差がない限り、車は必須アイテムになるでしょう(ベビーカーを3台押すには手が足りません)

しかし、上で挙げたように、東京で車を保有するためにお金がかなりかかってくるので、高所得者世帯出ない限り、車を持たない世帯が多いです。
(ちなみに全国平均の車の保有率は71.9%であるのに対して、東京都全体の車の保有率は50%です。)


4. 都内で得られる教育と利便性

都内に住んで得られるメリットとしては、高水準の教育や、買い物などに不自由しない利便性だと思います。

教育に関しては、幼少期からエスカレーター式の名門大学附属の幼稚園などに入れたり、優秀なライバルが身近にたくさんいることでいい意味での競争社会に参加できます(その上で、教育コストがかなり必要になりますが)。

また、東京ではコンビニやスタバそこら中にあり、百貨店やレストランの数もかなりあり、アクセスも容易です。

しかし、それらのメリットに関しては、交通情報網が発展した現代において、薄まったと思われます。なぜなら、地方からでもそれらのアクセスは可能だからです。
教育に関しては、オンデマンド学習もあったり、少し大変ですが都心近くの地方に住むことで、都心の塾に通うことも可能であると思います。
また、買い物に関しては、Amazonプライムで翌日に欲しいものが届いたり、ネットスーパーで、スーパーと同価格で食品などがすぐに手に入ります。


5. 結論

どちらが良いのか?
金銭面的に重きをおいて考えるとするなら、車を持って子育てをするのであれば、地方が良いと思いました(ただし、地域の収入格差がない前提です)。
車を所有し、ファミリー世帯向けの賃貸で東京都心で暮らすことで、東京都オリジナルの0-18歳の支援・補助をわずか1年で使い切ってしまします。
良い刺激という意味で都心の競争社会に巻き込まれたいのであれば、都心近くの地方が個人的には良いと思います。

今回、東京都に住むことによって得られる補助に関して、今回細かく市区町村レベルでの補助は説明しておりませんが、地方自治体でも探すといろいろな補助がありますので、それを含めた平均的な比較は正直難しいです。

都道府県単位での東京と地方の子育てを比較しましたが、
「小池都知事が、東京都での子育て支援に力を入れているから、東京都の子育ては楽なんじゃない?」という意見は、根拠が不十分だと思います。

支援や補助にだけ目を向けるのではなく、人々の生活スタイルにも目を向けて比較をするべきだと思います。

おそらく、東京は人が増え続けますので、東京都の家賃が下落したり、駐車場代が下がるということは今のところないでしょう。

私は、しばらく仕事の関係で都心に住みますが、今後の情勢を視野に入れつつ、地方のどこが住みやすいのかも調査してみたいと思っています。




いいなと思ったら応援しよう!