ウソはやめよう ─ 相手の時間も奪ってしまう
経営診断をしていて困ることがあります。
それは、
ウソをつかれる
こと。
経営上のウソは誰も幸せにしません。
善意が前提
簡単な経営診断は、
・経営陣へのインタビュー
・経営にまつわる書類
をもとに行います。
経営者は協力的であるのが普通。
なぜなら、ほぼ経営者のほうから申し込んでくるからです。
そして、こちらの質問にいろいろと答えていただきます。
診断はスムーズに進み、こちらは処方箋を書いていく……。
ところが、そんな段階になってから、
「実は……」
と深刻な表情で打ちあけ話をする方がいらっしゃいます。
粉飾してます?
決算書の数字について、
「いじっています」
と。
赤字だと金融機関が相手にしてくれなかったり、仕入れ先からの与信が得られず仕入れられなかったりするので、
・売上の架空計上
・利益の水増し
などをしていることを後から知らされるわけです。
たいてい、インタビューするほうは財務分析をしたうえで話を聞くので、前提が大きく狂ってきます。
特に計画BS(貸借対照表)、計画CF(キャッシュフロー)などはかなり修正が必要となり、さあ大変。
粉飾を後から打ち明けられると、それまで行った分析や計画づくりの多くがやり直しになります。
私たちは、いただいた資料が正しいという前提で診断を進めます。
だからこそ、後から粉飾を知らされると診断そのものをやり直さなければならなくなります。
私の時間だけでなく、会社の担当者や金融機関など、多くの人の時間まで無駄にしてしまうのです。
法的責任を問われるおそれあり
粉飾の内容によっては税額にも影響し、税務上の問題となることがあります。
わざと売上を少なく見せる粉飾もあります。
結果として税額に影響することも。
人がよさそうに見える社長でも、平気でやっていることがあります。
社会的信用を失う重大な不正です。
発覚すれば、会社の存続さえ危うくなることもあるのです。
ならば、すでにやっちゃった人はどうすべきか?
自分から、
「粉飾してました」
と、まずは税理士や弁護士など専門家へ相談し、必要に応じて関係機関へ報告することが大切だと思います。
粉飾では流れに乗れない
一度、粉飾したら、なかなか元に戻せません。
雪だるまのようにウソにウソを重ねて、後戻りできなくなることが多いようです。
良い流れが来てもなかなか生かせない……
ウソがばれたらどうしよう、という気持ちがあって、自社の情報を開示できないことがネックになるのです。
老子は「無為自然」を説きます。
しかし、一度ウソをつけば、そのウソを守るために常に頭を働かせ続けなければなりません。
無為自然なんてとても無理。
「なんとかしなきゃ」
と悪知恵でごまかそうとする日々が続きがちに。
企業経営でウソはつかないようにしましょう。
ウソは信用だけでなく、多くの人の時間まで奪ってしまうのです。
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