給湯室の雑談に、うまく入れなかった
給湯室で、二人が話していた。
何の話か、よくわからない。週末のことか、誰かの噂か。笑い声が聞こえて、自分もそこに立っていたけれど、うまく言葉が出なかった。
お茶を注ぎながら、何か言った方がいいんだろうな、と思った。でも、思っているうちにタイミングが過ぎていく。結局、軽く会釈だけして、席に戻った。
戻る途中、少しだけ、自分が薄い人間になった気がした。
雑談に入れない日がある。話したくないわけじゃない。ただ、その日の自分には、入っていくための力が、少し足りない。それだけのことだ。
人と人の間に入っていくのには、思っているより力がいる。表情を作って、相づちを打って、ちょうどいい一言を探す。それを軽々とやれる日もあれば、できない日もある。今日は、できない日だった。
無理に入っていかなかった自分を、少しだけ労ってあげてほしい。沈黙を選んだのも、自分を守る一つのやり方だ。
明日は、また入れるかもしれない。入れなくても、それでいい。雑談に入れない日があるくらいで、薄い人間になったりはしない。
