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IBM i 「対話式ジョブの回復」


1.対話式ジョブの回復の試み

「対話式ジョブの回復の試み」の画面、IBM i(AS/400)をご使用の人は良くご存じの画面だと思います。

コーディング中に、急な通信遮断や、自分自身の操作ミスでセッションをオフにしてしまった場合、「まだ保存していない、書きかけのコードが消えてしまう!」と慌てたご経験、ありますよね。

そんな時、もう一度サインオンすると、「対話式ジョブの回復の試み」の画面が表示されます。ここで、「1.前の対話式ジョブの回復の試み」を選べば、元の画面に戻れます。編集中のコードの終了画面が表示された場合は F12 キーで元の画面に戻れます。

この機能のおかげで、「助かった!」という経験をお持ちの人、結構多いかと思います。

今回は、とてもありがたい「対話式ジョブの回復の試み」の画面を、システム値の設定によって表示しないようにするかどうか、という話題です。

2.事例


少し前、ハードとOSの置き換えを実施しました。
旧)Power9 IBMi V7.4
新)Power11 IBMi V7.6

置き替えの後、無線で5250エミュレータ接続しているバーコードリーダー(ハンディスキャナ)で、毎朝の電源ON の際に、「対話式ジョブの回復の試み」の画面が表示されるケースが頻発しました。

利用者には「1.前の対話式ジョブの回復の試み」を選んでいただけば実務は行えるということで、理解はいただけたのですが、毎日のことなので、何とか手間を減らせないか?というところで、悩んでいました。

3.V7.6はセキュリティ強化


ユーザー権限だけでなく、V7.6はさまざまな点でセキュリティや監査性が強化されているようです。今回のケースは切断検知機能の強化によるようです。

調査したり有識者の話をお聞きした中では、以下の理解が妥当なようです。

(1)前日業務終了時に 5250 セッションが正常サインオフされていない


 ・本体電源OFF
 ・ハンディ側電源断
 ・無線LAN切断

(2)翌朝再接続


IBM i は
「前の対話式ジョブが異常終了したかもしれない」
と判断したため、回復確認画面を表示する。

(3)仕様


7.4 では回復していたケースでも、7.6 ではユーザー確認を要求する

4.対策


仕様変更ということであれば、現実的には、対処できる範囲は限られています。状況を説明して、考えられる対応について、有識者に問い合わせをしました。以下のような内容です。

ただ、システム値の変更など、影響範囲やリスクを考えると判断は難しいところです。

(1)ログオフの徹底

バーコードリーダー(ハンディスキャナ)を「必ずログオフ」させること。ただ、無線の遮断など、予期しないケースも有るので、難しいです。

(2)アプリ側でサインオフ

RPG / CL で、ハンディ用プログラムの終了処理に SIGNOFF を組み込む。これは既に実施済でした。

(3)システム値変更案 1

システム値 QINACTMSGQ を *ENDJOBに変更
QINACTMSGQ (非活動ジョブ・メッセージ待ち行列)は、対話式ジョブが異常終了した際の振る舞いを決める値だそうです。*ENDJOB を設定すると、無線断・電源断が発生して非活動になると、即時にジョブを終了するということです。

...という提案を受けたのですが、今回のマシンでは、既に QINACTMSGQ は*ENDJOB になっていました。

(4)システム値変更案 2

システム値 QDEVRCYACN を*ENDJOBに変更
QDEVRCYACN (装置入出力エラーの処置)は、対話式ジョブのワークステーションで入出力エラーが起こった時の処置を決める値だそうです。*ENDJOBを指定するとジョブが終了しログが出力されます。

この対応をすれば、「対話式ジョブの回復の試み」の画面が出なくなる可能性は高そうです。ただ、冒頭に書いた「助かった!」というケースが無くなることになります。また、無条件に終了になるため、アプリ側で記述しているロックが外れないことも問題です。

(5)システム値変更案 3

システム値 QDEVRCYACN を*MSGに変更
I/O エラー・メッセージがユーザーのアプリケーション・プログラムに送信されるので、アプリケーション・プログラムがエラーの回復を行うということです。
ジョブは終了しないで、指定のメッセージキュー(QSYSOPR)に通知が届く形になります。システム管理者側の対応負荷がどの程度になるか、夜間・休日など無人の際の放置メッセージが増えるリスクも考えられます。

5.決定打無し

「対話式ジョブの回復の試み」の画面が頻出する件について、決定的な改善策は、今のところ見つけることができていません。

いったん、4-(5)システム値 QDEVRCYACN を*MSGに変更
を試してみようと考えています。数日様子を見て、効果があれば継続、無ければ別の案も再検討の予定です。最悪は、利用者に慣れていただく運用になるでしょうが...

最後までお読みいただきありがとうございました。結論は出ていませんが、調査したり模索しているプロセスでも、何かしらお役に立てれば幸いです。

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