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妙なスタバ

先日出張に出たときのこと。

性格上、アポイントの30分前には
現地の近くに着くように移動したいタイプな私は
近くで仕事を出来る場所を探していた。

すると以前はなかったスターバックスが
出来ているのを発見した。

なんだかよく見るスターバックスとは
すこし雰囲気が違う気がするが、
幸い店内は空いていて仕事をしても
問題なさそうなので、
迷わずそこに入ることにした。

注文カウンターのところに並ぶと
前にいた外国人の方たちが注文で
少しもたついていた。

私はスタバではシンプルなコーヒーしか
基本的に飲まないタイプ。

今日も「本日のコーヒーをお願いします」と
口に出す準備をしながら並んでいると、
ふと外国人の方々が眺めているメニューが
目に入った。

「あれ、なんかいつものスタバと違うぞ」

しょっちゅうスタバに行くわけではない私でも
いつものメニューはなんとなくわかる。

だが、明らかにそこに置かれているメニューは
それと違っていたのである。

一瞬入る店を間違えてしまったのかと
慌てて眺めてみたが、
間違いなくあのセイレーンのロゴが
店内には飾られている。

どういうことだ。

そう思っていると、
外国人の方々を対応していない別の店員さんが
私に「お客様、ご注文はお決まりでしょうか」と
メニューを差し出しながら訪ねてきたではないか。

少しパニックになりながらメニューを見る私。

そして理解をした。

ここはスタバだけど、お茶メニューがメインの店なのだ。

紅茶やほうじ茶などをベースにしたメニューが
そこには沢山並んでいた。

いつもスタバの店内に入るとあのコーヒーの
かぐわしい香りを感じるのに、
この店ではそれがなかったのは当然である。

ここで私が紅茶好きならば、
「アールグレイのホットをトールで」
などと言えるのだが、
残念な事に私はあまり紅茶が好きではない。

いや、決して嫌いではないのだが、
なぜだか外で紅茶を飲む気には昔から
なれないのだ。

それに、勘違いして店に入ったので
完全に口はコーヒーになっている。

そこで、恐る恐る店員さんに
「あの、アイスコーヒー的なヤツってありますか?」と
「的なヤツって何やねんと」
セルフツッコミしながら聞くと、
店員さんは笑顔で
「はい、ございます。サイズはどうされますか?」と
答えた。

アポまでは30分ほどだったので
いつもならショートを頼む私だが、
色んなイレギュラーによるパニックのせいか
「トールでお願いします」と言ってしまう私。

支払いを済ませ、その場でアイスコーヒーを
受け取った私は、
座席に座ってパソコンを開いた。

そして、ふと周りを眺めてみると
当然のことながら
私以外は全員がコーヒーではない
何かを飲んでいる様子であった。

よく見るスタバの少しガヤついた感じはなく、
少し客層も落ち着いているように見える。

こんな環境でアクセクとパソコンを
叩くのも少し気が引ける私。

しかもその手元には透明のグラスに
なみなみと満たされた黒い液体がある。

明らかに私はこの空間の中で
異分子である。

だが、せっかくお金を払ったし、
仕事もしたいので
私は自分の異分子感を黙殺して
一人だけレギュラースタバを演じた。

言っても調整する時間は30分。

あっという間に時間はやってきた。

次来る機会があるならば、
予習をしてお茶のメニューを頼んでみよう。

そう思いながら片付けようとして
グラスを見ると、
まだグラスに半分ぐらいコーヒーが
残っていた。

やはりトールは失敗だったが、
何だかこのまま残すのはもったいない。

のどが渇いていたのかと思うような勢いで
コーヒーを飲み干して
私はアポイント先に向かった。

詳しく調べてないので何店舗ぐらいあるのかは
わからないが、
あなたもふと見つけたスタバに入る際には
ご注意いただきたい。

ちなみに訪問先での商談終了時に
とてもトイレに行きたくなったのは
ここだけの話である。


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