施設での入浴の話|【入浴ケア②】
入浴は、利用者さんにとって楽しみな時間のひとつです。
しかし、その時間の裏では、介護職員による様々な準備や介助が行われています。
前回の記事では、施設で行われている入浴方法の種類について紹介しました。
今回は、もう少し掘り下げて「入浴の実際」について見ていきたいと思います。
入浴介助では、単に身体を洗うだけではありません。
○体調確認
○着替えの準備
○入浴中の安全確保
○入浴後の水分補給
など、多くの工程があります。
では、実際の流れを見ていきましょう。
○体調確認
入浴前には、熱や血圧、脈拍といったバイタルサインのチェックを行います。
その他にも、利用者さんごとに食後どれくらい時間が経過しているかなど、体調面に問題がないかを確認します。
○着替えの準備
入浴であることを伝え、可能であれば利用者さん本人に衣類の準備をお願いしています。
認知症などで一人での準備が難しい場合は、職員が一緒に準備を行います。
○入浴中の安全確保
入浴方法によって注意する点は多少異なりますが、特に気を付けていることとして、
・脱衣所や浴室の室温管理
・移動時の転倒予防
・お湯の温度確認
・入浴時間の管理
・機械浴での機械との接触による怪我の予防
などがあります。
利用者さんに安心して入浴していただくため、常に様子を確認しながら介助を行っています。
○入浴後の水分補給
入浴後は思った以上に汗をかいていることがあります。
失われた水分を補給することは、入浴後の体調管理においても大切です。
実は利用者さんだけでなく、職員にとっても水分補給は大切だったりします。
ここからは、ある入浴日のやり取りを
ひとつ紹介してみましょう。
朝食を済ませ、一通りのトイレ誘導や記録が終わり、入浴の時間がやってきました。
職員「○○さん。今お湯をためていますから、準備ができたらお風呂に入りましょう。」
利用者「今日は風邪気味だから入りません!」
職員「……」
(入浴日がずれると、今日どころか明日の業務にも影響が……!と思ったのはさておき。)
職員「お熱もなかったですし、入ったらスッキリするかもしれませんよ?」
利用者「寒いから風邪がひどくなる。入らん。」
(真夏でも寒さを理由に拒否する方もいます。)
職員「今なら日も差していますし、寒さも和らぎますよ。お風呂上がりには温かいお茶もありますし、お風呂を済ませておけば夕方はご飯を食べてゆっくりできますね。」
利用者「あんたにはかなわん。入ろうかね。」
こうしたやり取りをしたり、しなかったり。
もちろん皆さんがお風呂好きとは限りません。しかし、多くの利用者さんは、拒否をしていても入浴後には、
「ありがとう。気持ちよかった。」
と話されます。
施設での入浴介助は、一筋縄ではいかないことも少なくありません。
職員それぞれが、あの手この手で利用者さんに気持ちよく入浴していただけるよう考えながら対応しています。
次回は「入浴に潜む危険」について
考えていきたいと思います。
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