WAIS(IQテスト)で知った“僕の読み方”の正体ーーそれは速読か乱読か【ハイパーレクシア】
「読むのすごく速いけど、速読とかやってるの?」
でも、僕は速読を習ったことなんて一度もない。
僕のは"速読"なのか、それともただの"乱読"なのか──ずっと自分でも分からなかった。
でもWAIS(大人の知能検査)を受けて、ようやく腑に落ちた。
僕は“読んでいた”んじゃなくて、構造をスキャンしていただけだったんだ、と。
この記事でも書いたが、僕の読書量は小学校就学前から異常だった。
今でも大学の教科書ぐらいの内容なら、1時間かからずに1冊読み終える。
小説もエッセイも、気づけば最後のページにたどり着いている。
「いいなあ、速読できて」と言われるたび、なぜか毎回、うまく言えない違和感があった。
でもそれが“決定的に違う”と確信できたのは、ある「本物の速読家」に出会ったときだった。
彼は、ページをめくりながら、まるで風を感じるように目を滑らせていた。
数秒で1ページ。ときおり目を閉じて、内容を思い出している。
「記憶には残らないけど、全体の流れは頭に入る」と、彼は言った。
……あ、全然違う。
僕はページを、ちゃんと1行ずつ目で追って読む。
でも、めちゃくちゃ速い。内容も頭に残る。
小説ならセリフも、論文なら段落構成もスキャンできる。
この“速さ”はどこから来るのか?
ずっと分からなかった。
長年の謎だった。
それが、WAIS(ウェイス:大人の知能検査)を受けたとき、はっきりと腑に落ちた。
言語理解(VC):132
ワーキングメモリ(WM):140
処理速度(PS):114
「ああ、僕がやってたのって、“速読”じゃなかったんだ。
構造の予測+保持+照合を同時にやってただけだったんだ。」

言語理解が高いというのは、「少ないヒントから文脈を再構築できる」ということ。
著者の立場、論点、流れのパターンを、読みながら予測してしまう。
読むというより、「先読みしながら意味を走査している」感覚に近い。
ワーキングメモリが高いというのは、「一時的な構造を脳内で保持し、操作できる」ということ。
読んでいる最中に、前後の文脈を同時に持ちながら、必要な情報をマッピングしていく。
一方で、処理速度はそこまで高くない。(注:ここでの「処理速度」とは単純作業のスピードと正確さを測る指標)
だから僕は、ページを写真のように記憶するタイプじゃない。
目立つのは“視覚的速さ”ではなく、“意味の回収速度”だった。

ようやく、あの違和感の正体がわかった。
僕は「ページを早くめくる人」ではなく、構造をスキャンする脳の持ち主だったのだ。
“速読”じゃない。
“高速構造読解”。
しかも、無音の“意味だけ音読”付き。
だから今でも、ページはちゃんと1行ずつ読んでいる。
でも、たぶん人より早く意味が入ってきてしまう。
それは訓練でも才能でもなく、脳の設計思想の癖だった。
「すごいですね、速読できるなんて」と言われると、少しだけ訂正したくなる。
「いや、それたぶん、速読じゃないんです。
ただ、そういう構造で脳が読んでるだけなんです。」

そう言えるようになってから、読書が少しだけ、自由になった。
人にはそれぞれ、“読み方の設計図”がある。
自分の読み方に名前がつくと、ちょっとだけ、生きやすくなるのかもしれない。
今日も僕は、本を開く。
聞こえない音を、静かに頭の中で再生しながら。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!