テルアビブから来たミゲル。
[第4章] アルゼンチン生まれの陽気なイスラエル人パパ【ミゲル】〜クラスメイト編〜
テルアビブ。
私の「行きたい国リスト」に入っている街だ。
ドバイ在住の友人が、最近訪れた街の中で、テルアビブが一番楽しかった!と聞いてから、マイリストに加えた。
彼女いわく、
ヨルダンの古代都市ペトラが近いらしい。
映画『インディ・ジョーンズ』で神殿の外観として使われた街で、映画の世界に迷い込んだような気分になるのだとか。
あの有名な死海もある。私も死海でぷかーっと浮いてみたい。
地中海に面しているので、ビーチリゾートとしても楽しめる。
そして、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教——三つの宗教の聖地へ、
車で一時間ほどで行けるという。世界中の人々が「聖地」と呼ぶ場所に、人生で一度は立ってみたい。
同じ日に、入学したミゲルはテルアビブから来ている。
生まれはアルゼンチンで、スペイン語が堪能だ。
テルアビブはユダヤ人の街で、宗教はユダヤ教だそうだ。イスラエル=イスラム教だと勝手に思い込んでいたが、違った。
テルアビブはユダヤ人の街で、宗教はユダヤ教だそうだ。イスラエル=イスラム教だと勝手に思い込んでいたが、違った。
都会だけあって、熱心な信者というよりライトな信者が多いと、ミゲルが教えてくれた。
彼も、宗教上は禁止されているはずの豚肉を普通に食べると言ってた。
「テルアビブでは、旅行者、特に女性は、肌をあまり見せないようにした方がいいのかな」と聞いてみた。
すると彼は、
「ビーチでは女性はみんな小さなビキニを着ているよ」と笑った。
私がイメージしていた中東の街とはまったく違って、中東のニューヨーク、と呼ばれることもあるらしい!
無知で失礼しました。

彼は3週間の滞在でもう帰ってしまった。
What brought you here?
娘さんがハーバードの大学院生で、
彼女に会いに来たついでに、語学スクールに通うことにしたのだという。
娘さんは、イスラエル工科大学を卒業後、奨学金を得てアメリカへ渡ったそうだ。
お互い、たどたどしい英語で会話しているわけだが、ミゲルの使う単語がやけに難しい。本人いわく、本が好きで、哲学を学んだと。娘さんのことを差し引いても、相当優秀な人に違いないと思っていたら、あとで自分もPhDを取ったと教えてくれた。
授業で「一番思い出深い旅行は?」という話題になったとき、彼はイグアスの滝を挙げた。国が違えば、旅行先もこんなに違う。
ちなみにイグアスの滝は南米のアルゼンチンとブラジルの国境にあるらしい。
名前だけは聞いたことあってたけど、詳しいことは知らない。
ミゲルがクラスの世界地図で指差してくれた。飛行機でブエノスアイレスで乗り換えて、近くの空港まで行くらしい。
彼はこの戦争中に、
飛行機でアメリカまで来ている。現状はどうかと聞くと、意外にも、平常運転らしい。「今はbreak中だから」と彼は言った。日本のテレビが伝えない、海外のリアルライフがそこにある。
もし防空壕に入るよう指示するサイレンが鳴ったとしても、それが終われば、また同じ席に戻り、同じ仲間と、何もなかったように食事の続きを始めるのだとか。
2026年5月、現在。
日本のテレビが伝えない海外のリアルライフ——それは、中国人ママとの会話でも見つけた。
