海の家の焼きそば理論
地元の海水浴場で海開きがあった
うちの子どもたちは焼きそばが大好きなので
海の家でも毎回焼きそばを注文する
熱い砂浜
全然涼しくない扇風機の風
砂だらけの手足
パックに入った焼きそば
割り箸をパチンと割って麺をつかむ
茶色いソースがべったり絡んで
味は濃くてしょっぱい
お肉はほとんどなくて
キャベツともやし、それに少しだけにんじん
息子が「おいしいね!」と言う
娘も「おいしいね!」と言う
でも…
家で作る焼きそばってもっとちゃんとしてる
細かく切った豚肉が入っていて
キャベツももやしもシャキシャキ
たまにはシーフードを入れることもある
具材だけ見れば、どう考えてもわたしが作る
うちの焼きそばのほうが豪華だ
それなのに、海の家で食べる焼きそばは、妙においしい
きっと
たくさん遊んで汗をかいて
海水で少し体が冷えて
潮風で喉が渇いて
そんな体にとって海の家の焼きそばは、
海そのものが調味料として乗っかっているんだと思う
屋台のたこ焼きや、縁日のラムネもきっと同じ
味だけじゃなく
その日の景色や空気、一緒に過ごした時間まで
全部がブーストされて、「特別な味」になる
わたしも焼きそばを口に運ぶ
「本当だ、おいしいね。」
そう言って笑う子どもたちの顔を見ながら食べる焼きそばは、家では決して再現できない味がした
たぶん、海の家で食べていたのは
ただの「焼きそば」じゃない
夏そのものだったんだと思う
