声優・クリエイターとして生きていくために― 社労士・AFPが考える「好きなことを仕事にする」ということ ―
はじめに――小さいころから憧れていた方々へ
私は社会保険労務士として、労働や社会保険に関する仕事に携わっています。
また、AFPとして、お金や資産形成、ライフプランについても学んできました。
一方で、私は小さいころから、声優をはじめとするクリエイターの方々に憧れてきました。
アニメを見ていて、「このキャラクターの声をやっている人は誰なんだろう」と思ったり、エンドロールに流れる声優の名前を覚えたり。
漫画を読んで、「こんな世界を考えられる人はすごいな」と思ったり。
ゲームをプレイして、「このキャラクターの声や音楽、絵はどうやって作られているんだろう」と考えたり。
子どものころは、純粋に作品を楽しんでいただけでした。
しかし、大人になって社会人として働き、社会保険労務士やFPの勉強をしていく中で、少しずつ別の視点からクリエイターという仕事を見るようになりました。
作品を作るためには、多くの人が働いている。
その一人ひとりに契約がある。
報酬がある。
生活がある。
将来への不安や孤独もある。
そして、好きなことを仕事にしているからこそ、一般的な会社員とは違った悩みもある。
そんなことを考えるようになりました。
そこで、いつか声優をはじめとするクリエイターの方々のお役に立てる仕事ができないだろうか、と考えるようになりました。
ただし、ここで一つ、正直に申し上げておきたいことがあります。
私は、これまで声優やクリエイターを専門のクライアントとして継続的に支援してきたわけではありません。
したがって、本記事は「声優業界を長年専門にしてきた社労士が、業界のすべてを解説する」というものではありません。
社会保険労務士として学んできた労働・社会保険の知識。
AFPとして学んできたお金やライフプランに関する知識。
そして、これまで社会人としてさまざまな仕事を経験してきた中で得た視点。
さらに、子どものころから声優、アニメ、漫画、ゲームなどのサブカルチャーに親しんできた一人の人間としての思い。
それらを組み合わせ、「声優やクリエイターとして働く人、そしてこれから目指す人に、働くこととお金について少しでも知ってもらいたい」という思いから、この記事を書きました。
声優を目指している人にとって、演技力を磨くことはもちろん大切です。
発声練習をする。
演技を勉強する。
オーディションを受ける。
作品を見る。
自分の声を録音する。
さまざまな経験を積む。
これらは、声優として成長していくために必要なことです。
しかし、声優として仕事をしていくのであれば、それだけではありません。
仕事を受ければ契約があります。
報酬があります。
場合によっては税金や社会保険の問題もあります。
フリーランスとして活動するなら、営業も必要になります。
収入が不安定になることもあります。
そして何より、自分自身の生活があります。
だから私は、「声優になるための技術」だけではなく、「声優として生きていくための知識」も必要なのではないかと考えています。
本記事では、声優を中心に、漫画家、アニメーター、イラストレーター、ライター、動画制作者、音楽関係者など、さまざまなクリエイターにも共通するテーマについて、社会保険労務士・FPの視点から考えていきます。
これから声優・クリエイターを目指す方。
すでに現役で活動されている方。
会社員をしながら活動している方。
フリーランスとして仕事をしている方。
そして、いつか自分の好きなことを仕事にしたいと考えている方。
そんな皆さんにとって、「仕事」「お金」「将来」を考えるための一つの材料になれば幸いです。
そして、現役の方にも、これから目指す方にも、「困ったときに読み返せるバイブル」のような記事になれば、筆者としてこれほどうれしいことはありません。
第1章 声優・クリエイターは会社員と何が違うのか
声優を目指す人に、まず知っておいてほしいことがあります。
それは、「事務所に所属すること」と「会社員になること」は同じではないということです。
一般企業で働く場合、会社と雇用契約を結ぶことが一般的です。
会社から仕事について一定の指示を受け、その仕事をする代わりに給与を受け取る。
これが会社員の基本的な働き方です。
一方、声優事務所などに所属している場合、その契約が必ず雇用契約になるわけではありません。
業務委託など、別の契約形態になっている場合もあります。
つまり、「○○事務所所属」という言葉だけでは、自分が法律上どのような立場なのかまでは分かりません。
重要なのは、「自分はどのような契約をしているのか」です。
これは声優だけの話ではありません。
アニメーター、イラストレーター、ライター、動画制作者、デザイナー、音楽関係者など、さまざまなクリエイターに共通する問題です。
「所属している」
「登録している」
「仕事を紹介してもらっている」
「業務を委託されている」
「雇用されている」
これらは似ているようで、意味が異なります。
だからこそ、肩書きだけではなく、自分の契約関係を理解することが大切です。
第2章 「好き」を仕事にするということ
声優やクリエイターを目指す人の多くは、「好きなことを仕事にしたい」という思いを持っていると思います。
これは非常に素晴らしいことです。
しかし、好きなことを仕事にすると、好きだったものが「仕事」に変わります。
仕事になれば、
納期があります。
クライアントがいます。
要求があります。
修正があります。
報酬があります。
責任があります。
場合によっては、自分がやりたいこととは違う仕事を受けることもあります。
趣味なら、「今日はやりたくないからやらない」でも構いません。
しかし仕事なら、納期までに完成させなければならないことがあります。
だから、「好きなことを仕事にしたら、思っていたより大変だった」と感じる人もいるでしょう。
しかし、それは「好きなことを仕事にするのが間違いだった」ということではありません。
プロとして仕事をする以上、責任が発生したということです。
「好き」+「技術」+「仕事としての能力」
好きという気持ちは、非常に大きな武器です。
好きだから努力できる。
好きだから続けられる。
好きだから勉強できる。
好きだから作品をたくさん見る。
好きだから他人より詳しくなる。
しかし、「好き」だけで仕事になるわけではありません。
技術が必要です。
そして、仕事としての能力も必要です。
納期を守る。
連絡をする。
約束を守る。
契約を確認する。
報酬を管理する。
自分のスケジュールを管理する。
こうしたこともプロとして必要な能力です。
だから、「クリエイターとしての能力」+「事業主としての能力」を少しずつ身につけていくことが大切です。
第3章 フリーランスだからこそ「0→1」を作る
私は、クリエイターとフリーランスという働き方は非常に相性がいいと思っています。
なぜなら、クリエイター自身がもともと「0から1を作る人」だからです。
声優なら、台本に書かれた文字を声による表現に変えます。
漫画家なら、頭の中にある物語を作品にします。
アニメーターなら、キャラクターや背景などの絵を描き動きをつけます。
イラストレーターなら、頭の中のイメージを一枚の絵にします。
ライターなら、考えを文章にします。
動画制作者なら、企画を映像にします。
音楽家なら、音を作品にします。
つまりクリエイターは、もともと「0→1」の能力を持っています。
だったら、その能力を作品だけではなく、「仕事を作ること」にも使ってみてはどうでしょうか。
「仕事がない」から「仕事を作る」へ
例えば、声優として活動しているけれど「最近、仕事が少ない」という時期があるかもしれません。
そこで、「仕事が来るまで待つ」という方法があります。
もちろん、それも一つの方法です。
しかし、「自分で仕事を作れないか」と考えることもできます。
企業の商品紹介動画のナレーション。
YouTube向けの音声コンテンツ。
朗読作品。
ゲーム制作者への営業。
オーディオドラマ。
イベント。
オンライン講座。
音声コンテンツ販売。
SNSを使った発信。
自分の得意分野を生かした仕事。
こうして考えていくと、声優としての能力を使える仕事は意外とたくさんあります。
もちろん、すべてがすぐに収入になるわけではありません。
最初は小さな案件しか取れないかもしれません。
しかし、その最初の「1」が重要です。
最初の作品。
最初の顧客。
最初の売上。
最初の実績。
それが次につながる可能性があります。
第4章 会社員との違い――自分で仕事を作るということ
会社員には、会社員の強みがあります。
組織力。
安定した給与。
福利厚生。
営業力。
会社のブランド。
設備。
人材。
こうしたものを利用できることは大きなメリットです。
会社という組織が顧客を獲得し、商品を作り、営業を行い、従業員に仕事を与える。
その中で、従業員は自分の能力を発揮します。
これは決して悪いことではありません。
むしろ、多くの人が組織の中で働くことで、自分一人では得られない経験や能力を身につけています。
一方で、フリーランスには、「自分で仕事を作れる」という大きな魅力があります。
会社員ではなく、フリーランスだからできること
会社員の場合、新しいことを始めようと思っても、
会社の方針。
予算。
上司。
部署。
社内ルール。
既存顧客。
さまざまな制約があります。
もちろん、それらがあるからこそ組織として成り立っています。
しかし、フリーランスの場合は、もっと小さな単位で新しいことを始めることができます。
「こんなサービスを作ってみよう」と思えば、自分で始められます。
「こんなコンテンツを販売してみよう」と思えば、自分で作ることができます。
「こんな人に営業してみよう」と思えば、自分で連絡できます。
つまり、フリーランスは、0から1を生み出すことに向いている働き方なのです。
クリエイター自身が作品を0から1にする能力を持っているのであれば、その能力を仕事の作り方にも応用してみる。
私は、そこにクリエイターの大きな可能性があると思っています。
第5章 契約と報酬――「仕事をもらえるだけでありがたい」に注意
駆け出しのクリエイターほど、
「仕事をもらえるだけでありがたい」
と思ってしまうことがあります。
その気持ちは理解できます。
実績がない。
知名度がない。
人脈がない。
そんな状態では、最初の仕事を取るだけでも大変です。
しかし、仕事を受けることと、条件を確認しないことは別です。
仕事を受けるのであれば、
いくらなのか。
何をするのか。
いつまでなのか。
修正は何回なのか。
どこで使われるのか。
どの期間使われるのか。
二次利用はあるのか。
キャンセルの場合はどうなるのか。
こうしたことを確認することは、決して失礼ではありません。
むしろ、プロとして必要な確認です。
クリエイターは「利用範囲」にも注意
例えば声の仕事なら、
企業広告なのか。
ゲームなのか。
動画なのか。
テレビなのか。
SNSなのか。
一度だけ使うのか。
長期間使うのか。
別の媒体にも使うのか。
こうした条件によって、仕事の意味は大きく変わります。
「声を収録する」という同じ仕事でも、利用される範囲が違えば、考えるべき条件も変わります。
だから、「何をする仕事なのか」だけでなく、「その仕事がどのように使われるのか」まで確認する習慣を持ってほしいと思います。
第6章 社会保険・労働法を知る
ここは社会保険労務士として、特に知っておいてほしいところです。
「自分はフリーランスだから、労働法や社会保険とは関係ない」
と思う人がいるかもしれません。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
働き方によって、
健康保険。
年金。
労災。
雇用保険。
その他の制度との関係が変わります。
また、フリーランスとして契約していても、実際の働き方によっては別の法律上の問題が生じる場合もあります。
だから、「自分は何者として仕事をしているのか」を理解することが大切です。
フリーランスは「自由な会社員」ではない
フリーランスには、
働く時間を自分で決められる。
仕事を選べる。
場所を選べる。
複数の仕事を組み合わせられる。
自分で事業を作れる。
という自由があります。
一方で、
収入の管理。
営業。
契約。
請求。
税金。
社会保障。
将来への備え。
孤独。
これらについても、自分で考える必要があります。
つまり、フリーランスとは「自由な会社員」ではなく、「自分自身で事業を運営する働き方」と考えた方が分かりやすいでしょう。
第7章 AFPの視点――「稼ぐ」だけではなく「残す」
クリエイターとして活動していると、「いくら稼げるか」に目が行きます。
もちろん収入は重要です。
しかし、売上=自分が自由に使えるお金ではありません。
売上があれば、仕事に必要な経費があります。
税金があります。
社会保険料があります。
機材費があります。
交通費があります。
通信費があります。
勉強のためのお金も必要かもしれません。
つまり、売上が大きいからといって、そのまま生活が豊かになるとは限りません。
大切なのは、「最終的にいくら手元に残るのか」です。
収入が不安定だからこそ管理する
クリエイターの仕事では、
今月は50万円。
来月は10万円。
その次は30万円。
ということもあるでしょう。
だから、「今月50万円入ったから50万円使おう」ではなく、数か月、場合によっては年間を通して考えることが大切です。
収入が多い月に使い切ってしまうと、収入が少ない月に困ります。
そこで、
生活費。
事業費。
税金等のための資金。
緊急時の資金。
将来の資産形成。
というように、目的別にお金を考えておくと管理しやすくなります。
第8章 生活防衛資金は「仕事を選ぶ自由」を生む
FPとして、クリエイターの方に特におすすめしたい考え方が、生活防衛資金です。
生活防衛資金とは、簡単にいえば、「収入が減ったときでも生活を維持するためのお金」です。
クリエイターの場合、これが非常に重要です。
なぜなら、お金の余裕がないと、仕事を選べなくなるからです。
「今月の家賃が払えない」
「生活費が足りない」
という状態になると、
「条件が悪くても、とにかく仕事を受けなければ」
となってしまいます。
逆に、ある程度の生活資金があれば、
「今回は条件が合わないから断ろう」
「今月は制作に時間を使おう」
「この案件より、別の案件を選ぼう」
という判断がしやすくなります。
つまり、貯金は単なる貯金ではなく、仕事を選ぶ自由を買うものとも考えられます。
これは、フリーランスにとって非常に重要な考え方です。
第9章 副業は夢を諦めることではない
声優を目指している人に、特に伝えたいことがあります。
それは、「副業をしているから、本気で声優を目指していない」ということではないということです。
日本には昔から、「一つの道を極める」という価値観があります。
職人。
専門家。
芸術家。
研究者。
一つの仕事を何十年も続ける。
これは確かに素晴らしいことです。
声優でも、「声優一本で食べていく」という目標は素晴らしいでしょう。
しかし、「一つの専門性を持つこと」と「一つの収入源しか持たないこと」は別です。
企業だって収入源を一つにしていない
企業を見ても、本業だけに依存せず、複数の事業や収益源を持っている会社があります。
本業。
新規事業。
不動産。
投資。
ライセンス。
関連事業。
さまざまな方法で収益を得ています。
これは経営として、一つの収入源に依存するリスクを減らすという考え方にもつながります。
個人も同じです。
声優をしながらナレーション。
声優をしながら講師。
声優をしながら動画制作。
声優をしながらライター。
声優をしながら別の仕事。
こうした組み合わせも、一つの生き方であり、孤独感への対策にもなります。
副業は夢を守るための手段
副業をすることで生活費を確保できれば、「とにかく今月のお金が必要だから、どんな仕事でも受ける」という状態を避けられる可能性があります。
つまり、副業は夢を諦めるためではなく、夢を続けるための土台になることがあります。
政府も近年、副業・兼業を促進する方向を示してきました。
働き方が一つではなくなっている現在、「本業か副業か」と完全に分けるのではなく、「自分はどんな仕事の組み合わせで人生を作るのか」と考えてもいいのではないでしょうか。
第10章 複数の武器を持つクリエイターへ
これからの時代、クリエイターには、複数の能力を組み合わせることも重要になると思います。
例えば、
声優+動画編集。
声優+SNS。
声優+ライティング。
声優+イベント。
声優+講師。
声優+マーケティング。
漫画+動画。
イラスト+デザイン。
音楽+配信。
ライター+マーケティング。
一つ一つの能力が突出していなくても、組み合わせることで「自分にしかできない仕事」が生まれる可能性があります。
声優としての演技力に、SNS発信の能力が加われば、自分自身を発信できる。
声優としての経験に講師としての能力が加われば、後進を指導できる。
声優としての知識にライティング能力が加われば、記事や教材を作れる。
こうした「掛け算」が、これからますます重要になっていくでしょう。
第11章 AI時代だからこそ、自分の価値を考える
これからAIによって、クリエイターの仕事も大きく変わっていくでしょう。
文章。
画像。
音声。
動画。
さまざまな分野で技術革新が進んでいます。
こうした変化を恐れるだけではなく、「新しい技術を自分の武器として使えないか」と考えることも重要です。
AIにできることはAIに任せる。
そのうえで、人間にしかできない表現、経験、個性、コミュニケーションを磨く。
「AIに仕事を奪われる」という発想だけではなく、「AIを使って自分の仕事を増やす」という発想も必要になるでしょう。
例えば、これまで一人では制作できなかったコンテンツを、AIを補助として利用することで制作できるようになるかもしれません。
一人でできることが増えれば、それだけ「0→1」を生み出す可能性も増えます。
だからこそ、これからのクリエイターには、技術を使う能力と、自分自身の個性を磨く能力の両方が必要になると思います。
第12章 長くクリエイターを続けるために
声優・クリエイターとして成功すると聞くと、
有名になる。
大きな作品に出演する。
年収が高くなる。
多くのファンがつく。
という姿を想像するかもしれません。
もちろん、それらは素晴らしい目標です。
しかし、「長く続けられること」も一つの成功ではないでしょうか。
10年続ける。
20年続ける。
自分の好きな仕事を続ける。
生活を維持する。
無理な仕事を断れる。
年齢を重ねても働ける。
新しいことに挑戦できる。
こうした状態も、立派な成功だと思います。
自分にとっての成功を決める
世間が決めた成功と、自分が望む成功は違います。
年収1,000万円を目指す人もいるでしょう。
有名作品に出たい人もいるでしょう。
一方で、
「生活できればいいから好きな仕事を続けたい」
「家族との時間を大切にしながら活動したい」
「副業をしながら細く長く続けたい」
という人もいるでしょう。
どれも間違いではありません。
大切なのは、自分がどんな人生を送りたいのかです。
おわりに――好きなことを続けるために
私は、小さいころから声優やアニメ、漫画などが好きでした。
作品を見て笑ったり、感動したり、勇気をもらったりしてきました。
今思えば、子どものころに楽しんでいた作品の裏側には、数え切れないほど多くのクリエイターがいたのだと思います。
声優。
漫画家。
イラストレーター。
脚本家。
アニメーター。
音楽家。
動画制作者。
編集者。
デザイナー。
そして、それらを支える多くの人たち。
一つの作品が完成するまでには、多くの人の才能と努力があります。
だからこそ私は、「自分が子どものころから憧れていた声優やクリエイターの方々のお役に立ちたい」と思っています。
繰り返しになりますが、私は現時点で声優・クリエイター業界を専門として長年顧問をしてきたわけではありません。
だからこそ、この記事では無理に「業界の専門家」を名乗るのではなく、社会保険労務士としての労務・社会保険の知識と、AFPとしてのお金・ライフプランの知識を使って、「声優・クリエイターが長く仕事を続けるためには何が必要なのか」を考えてみました。
声優になる。
クリエイターになる。
それは素晴らしい夢です。
しかし、夢を追い続けるためには生活があります。
生活を維持するためには収入があります。
収入を得るためには仕事があります。
仕事には契約があります。
そして、働く以上、自分を守るための知識が必要になります。
だから、夢と現実は敵ではありません。
夢を追いながら、現実を管理する。
好きなことを続けながら、お金について考える。
声優をしながら副業をする。
クリエイターとして活動しながら、自分で仕事を作る。
収入の一部を自分自身に投資する。
一部を将来のために残す。
こうしたことは、すべて両立できます。
専業だけが正解ではない
日本には、一つの仕事を一生続けることを美徳とする文化があります。
一つの道を極める。
一つの技術を磨き続ける。
これは素晴らしい考え方です。
しかし、一つの専門性を持つことと、一つの収入源しか持たないことは違います。
企業でさえ、複数の事業や収益源を持っています。
それなら個人が複数の収入源を持ってもいい。
声優をしながら副業をしてもいい。
クリエイターをしながら別の仕事をしてもいい。
複数の能力を組み合わせてもいい。
これは夢を諦めることではありません。
むしろ、夢を長く続けるための戦略なのです。
フリーランスだからこそ「0→1」を
フリーランスには、自分で仕事を作る自由があります。
最初は何もない。
顧客もいない。
商品もない。
実績もない。
そこから、自分で一つ作る。
最初の作品。
最初の顧客。
最初の売上。
最初のサービス。
最初のファン。
それが「0→1」です。
そして、その1を育てていく。
これは、クリエイターと非常に相性のいい働き方だと思います。
なぜなら、クリエイター自身が、もともと0から1を作る人だからです。
作品を作る力を、仕事を作る力にも変えてほしい。私はそう思っています。
最後に
この記事を読んでくださった方の中には、
「声優になりたい」
「クリエイターになりたい」
「今の仕事を続けながら挑戦したい」
「フリーランスとして活動したい」
「今の働き方を変えたい」
と思っている方もいるでしょう。
もしそうであれば、ぜひ一度、自分自身に問いかけてみてください。
自分は何がしたいのか。
何ができるのか。
それを誰に提供できるのか。
どうすれば仕事になるのか。
どうすれば生活を守れるのか。
どうすれば将来の選択肢を増やせるのか。
答えは一つではありません。
会社員でもいい。
フリーランスでもいい。
副業でもいい。
専業でもいい。
複数の仕事を組み合わせてもいい。
途中で方向転換してもいい。
一度会社員になって、またクリエイターに戻ってもいい。
大切なのは、自分の人生を自分で選択できる状態を少しずつ作っていくことです。
そして、そのために必要なのが、
働く知識。
お金の知識。
自分で考えて行動する力。
なのだと思います。
声優を目指している皆さん。
現役の声優の皆さん。
漫画家、アニメーター、イラストレーター、ライター、動画制作者、音楽関係者など、すべてのクリエイターの皆さん。
私は、皆さんが自分の好きなことを、できるだけ長く続けていけることを願っています。
そして、いつか、
「声優になってよかった」
「クリエイターになってよかった」
「あのとき夢を諦めなくてよかった」
と思える日が来てほしいと思っています。
そのためには、才能や努力だけではなく、
自分自身を守る知識も必要です。
契約を知る。
労働を知る。
社会保険を知る。
お金を知る。
副業を知る。
資産形成を知る。
そして、自分で仕事を作る。
それらは、決して夢から遠ざかるための知識ではありません。
むしろ、夢を守り、夢を長く続けるための知識です。
この記事が、現役の声優・クリエイターの方にとっても、これから目指す方にとっても、何か迷ったときに読み返してもらえる、「働くこととお金についてのバイブル」のような存在になれば、筆者としてこれほどうれしいことはありません。
そして私自身も、これから少しずつ、この分野について学び、発信し、いつか声優・クリエイターの皆さんに、「困ったときに相談できる社労士・FP」と思っていただけるような存在を目指していきたいと思っています。
好きなことを仕事にする。
好きなことを仕事として続けていく。
そのための道は、一つではありません。
自分で道を作ってもいい。
複数の道を歩いてもいい。
途中で方向を変えてもいい。
そして、何度でも新しい「0→1」を作っていい。
その自由こそが、フリーランス・クリエイターという働き方の大きな魅力なのではないでしょうか。
あなたの人生の主役は、あなた自身です。
夢を追いながら、現実を整える。
働きながら、将来を作る。
好きなことを続けながら、自分自身の生活も守る。
その両方を大切にしながら、自分だけのクリエイター人生を作っていってください。
声優をはじめとしたクリエイターの方々には、常に「チャレンジ」をしていく気持ちを持ち続けていただければと思っています。
※本記事について
本記事は、声優・クリエイターとして活動する方、またこれから目指す方に向けて、労務・社会保険・お金・ライフプラン等について筆者の考えをまとめたものです。
筆者は現時点において声優・クリエイター業界を専門として長年継続的に支援しているものではなく、社会保険労務士・AFPとしての知識と、個人的なサブカルチャーへの関心をもとに執筆しています。
実際の契約内容や働き方、個々の事情によって適用される法律や制度は異なります。
個別具体的な契約、労務、社会保険、税務、資産運用等については、それぞれ弁護士、社会保険労務士、税理士、FP等の専門家への相談をおすすめします。
また、社会保険、税金その他の制度は変更される場合がありますので、実際に手続き等を行う際には最新の情報をご確認ください。
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