風と共に
弱虫ペダルを見て
書いてみた詩です
風が走る
あの坂道を越えれば
新しい景色が
広がっていくだろう
僕らの未来は
幾千にも枝分かれして
そのどこかに君も
いたらいいな
夢だとか 希望だとか
僕には眩しすぎて
目の前の小さな壁にさえ
背を向けてばかりいた
愛だとか 勇気だとか
そんな言葉もまばゆくて
正義のヒーローには
僕はなれない
長いトンネルを抜ければ
そこに光はあるだろうか
答えなんてわからなくても
君となら 走っていける
風が叫ぶ
もっと自由へと
脱ぎ捨てた殻なんて忘れて
新しい自分になればいい
もっと もっと
強くなれるよ
誰よりもまず
自分を信じてみて
消えない過去
綺麗なことばかりじゃないさ
何度も傷つき 磨かれた魂は
強を走るためにある
叫べ!! 叫べ!!
本当の想いを
今この一瞬が燃えて
肺になってしまおうとも
誰にも負けない 翼を広げて
遠く もっと 遠く
どこまでも
息が切れて
足がもう動かなくなって
心だけが何度も
「もういい」と呟いている
それでも前を走る
君の背中が見えるから
あと一度だけ
この足に力を込める
才能なんて知らない
限界なんて知らない
昨日の僕が引いた線を
今日の僕が越えてゆく
一人ではきっと
ここまで来られなかった
競い合ったその背中さえ
いつしか僕を支えていた
追い越したい
負けたくない
それだけじゃない感情が
胸の奥で熱くなって
名前もないまま溢れていく
風よ 吹け
もっと強く吹け
向かい風なら なおさらいい
僕がどこまで行けるのか
この身体で確かめたい
何度 何度
転んだとしても
傷だらけの膝でまた立てばいい
あの日 逃げ出した坂道を
今度は笑って越えてゆく
誰かの一番になれなくても
昨日より一秒 前へ行けたなら
それだけで今日という日は
きっと無駄じゃない
勝つことだけが
すべてじゃないとしても
負けたくないと思う心まで
捨てなくていいだろう
悔しさも
涙も
震えるほどの喜びも
全部抱えて走ってきた
僕だけの道だから
叫べ!! 叫べ!!
声が枯れるまで
「ここにいる」と
世界に叩きつけるように
回せ!! 回せ!!
止まりそうな脚を
あと一度
あと一度だけ
坂の向こう側に
何があるかなんて
本当は誰にも分からない
だから僕は行くんだ
風と共に
やがていつか
この道を振り返る日に
勝ったことより
負けた日のほうを思い出すだろう
もう駄目だと俯いた僕に
差し伸べられた手
届かない背中を
必死で追いかけた夕暮れ
全部が僕を
ここまで連れてきた
風が走る
あの坂道の向こうへ
僕らの未来は
幾千にも続いている
その中のひとつを
君と選べたなら
それでいい
遠く 遠く
どこまでも
風と共に
