【全文無料】僕が「選考は設計で通す」と言い切るまでの話|評価軸ラボの中の人の自己分析、全公開
先に白状します。
僕は、才能で勝ったことが一度もありません。
サッカーは怪我で止まり、学力は底辺からのスタートで、初めての営業は200人中150位。評価軸ラボの中の人は、そういう人間です。
それでも今、「選考は設計で通す」と看板に書いています。強がりではありません。才能で勝てなかったからこそ、構造を観察して設計で勝つしかなかった──その方法で、僕の人生は3回ひっくり返ったからです。
この記事は、僕自身の自己分析を全部公開するものです。きれいにまとまった完成品ではなく、迷った過程、矛盾を突かれて詰まった瞬間、そこから見つけた一本の芯まで、そのまま置きます。途中、僕の自己分析を意地悪な面接官に深掘りさせるパートがあります。自己分析に迷っている人は、僕の答えではなく、掘られ方と立て直し方を持って帰ってください。
全文無料です。理由は最後に書きます。
第1章:止まったサッカー少年|「観察する側」になった日
僕は11年間、サッカーをやってきました。物心ついたときからボールがあって、自分の価値はピッチの上にあると思っていた人間です。
その前提が、中学で壊れました。靭帯の大怪我。手術とリハビリで、長い間ピッチに立てなくなりました。
当時の僕にとって、これは「サッカーができない」以上の出来事でした。チームの中での居場所が消える。昨日まで並んで走っていた仲間が、どんどん先に行く。ベンチの端から見ているしかない。
でも、いま自己分析としてこの時期を振り返ると、ここで僕の人生の「型」の原型ができています。
プレーできない人間に残されたのは、見ることだけでした。 誰がどこで潰されるのか。うまい選手は何が違うのか。監督は何を見て交代を決めるのか。ピッチに立てない悔しさを、僕は観察に流し込んだ。リハビリで戻ったとき、僕は前より下手になっていたけれど、前より「見えて」いました。
この時期に学んだことを1行にすると、こうなります。
プレーヤーとして負けている時間は、構造を観察する時間に変えられる。
第2章:学力底辺からの大学受験|「評価軸の逆算」を初めてやった話
高校時代の僕の学力は、正直に言って底辺に近いところにいました。同志社なんて口に出したら笑われる位置です。
普通に考えたら無理でした。全科目を人並みに引き上げる時間はない。ここで僕は、人生で初めて「設計」をやります。
気づいたのは単純なことでした。入試は、評価軸が全部公開されている勝負だということです。科目、配点、出題傾向、合格最低点。つまり「何がどれだけ評価されるか」が最初から書いてある。それなら、全部を頑張る必要はない。配点の重いところに、持っている時間を全部張ればいい。
やったことは地味です。過去問から傾向を割り出して、伸びしろ×配点で科目に優先順位をつけて、捨てるものを決めて、残りを死ぬ気で反復した。かっこいい話ではありません。でも、合格しました。周りが「奇跡」と言った合格は、僕の中では奇跡ではなく、設計の結果でした。
この経験を1行にすると、こうなります。
評価軸が分かっている勝負は、才能の差を設計で埋められる。
──もうお気づきかもしれません。評価軸ラボがやっていること(企業の評価軸を分解して、対策を設計する)は、このときの受験のやり方を、就活に持ち込んだだけです。
第3章:200人中150位|人生で一番ダサかった数字の話
大学で、通信キャリアの販売の長期インターンを始めました。量販店や催事場で、お客様に声をかけて契約をいただく仕事です。
結果から言います。参加者約200人中、150位前後。 1日粘って契約1件。同じ場所で、同じ商品を売っているのに、トップは1日に何件も決めてくる。
ここで僕は、一番やってはいけないことをしました。「頑張る量を増やす」です。声かけの回数を増やし、トークを暗記し、休憩を削った。順位はほぼ動きませんでした。努力の方向が間違っているとき、努力量は解決策にならない。150位の僕は、それを身体で学びました。
転機は、原点に戻ったことです。ピッチに立てなかった中学の僕がやったこと──観察。自分の接客を録音して、全部聞き直しました。
聞こえてきたのは、想像の10倍しゃべっている自分でした。お客様が口を開く前に、僕がプランの説明を始めている。相手の生活も困りごとも聞かないまま、一方的に「良い商品」を浴びせている。売れないのは当然でした。僕は営業をしていたのではなく、演説をしていた。
そこから接客を設計し直しました。最初の数分は売らない。先に相手の生活を聞く。家族構成、使い方、いま困っていること。提案はその後。台本を「話す設計」から「聞く設計」に丸ごと組み替えました。
数字は変わりました。1日1件が、4件に。 出勤も月7日から20日に増やして、順位は150位から40位まで上がりました。トップではありません。でも、200人の中で110人を抜く方法が「才能」ではなく「録音と設計」だったという事実は、僕の背骨になりました。
1行にします。
売れない原因は人格ではなく設計にある。設計は、観察すれば直せる。
第4章:誰にも頼まれていない挑戦|同窓会に164人が来た話
もうひとつだけ、僕の自己分析の材料になっている話をさせてください。
成人のタイミングで、中学の同窓会を一人で企画しました。誰かに頼まれたわけではありません。ただ、あの学年でもう一度全員に会いたかった。それだけです。
最初の見込みは惨憺たるものでした。連絡がつかない人だらけ、返事は「行けたら行く」の山。ここでもやったことは同じです。来ない理由の構造を観察する。
分かったのは、みんな「行きたくない」のではなく「知っている人が来るか分からないから決められない」ということでした。つまりボトルネックは会の魅力ではなく、不安。だから打ち手は「豪華にする」ではなく「不安を消す」。参加表明が出るたびに出席者リストを更新して見えるようにし、恩師の参加を先に取り付けて告知しました。「あいつが来るなら」「先生が来るなら」──決められなかった人が、雪崩のように決まっていきました。
結果、学年約200人のうち164人が来ました。
この話をすると「行動力がすごい」と言われます。でも自己分析としての本質はそこではありません。ここでも僕は、構造(不安の連鎖)を観察して、設計(見える化と先行者)で解いただけです。
第5章:面接官に深掘りされてみた|一貫性の検証
ここまでが僕の「素材」です。でも自己分析は、素材を並べて終わりではありません。掘られて崩れないかが本番です。
そこで、僕の自己分析を、意地悪な面接官に深掘りさせてみます。実際に僕がやった検証プロセスを、そのまま対話で再現します。自分の自己分析にも、同じ質問をぶつけてみてください。
面接官:「観察と設計が強み、と言いましたね。でも、それが本当なら、なぜ営業で最初から観察しなかったんですか?150位まで落ちたのは、強みが機能していない証拠では?」
……これは痛い質問です。最初に受けたとき、僕は詰まりました。でも考え抜いて、正直に答えることにしました。
僕:「おっしゃる通りで、僕の観察は、最初から起動する才能ではありません。追い込まれてから起動する後天的な型です。怪我のときも、受験のときも、150位のときも、順風のときには使っていない。だから僕の本当の強みは『観察力』そのものではなく、『行き詰まったとき、根性ではなく観察に切り替えられること』だと定義し直しました。そして営業の経験で、この切り替えを『150位になる前』に前倒しできるようになった。失敗の回数だけ、起動が早くなっています」
──強みは、突っ込まれて初めて正確になります。「観察力があります」より「行き詰まったとき、観察に切り替えられます」の方が、嘘がなく、深掘りに耐える。自己分析の言葉は、反例を突かれてから磨かれるんです。
面接官:「同窓会の話は、観察や設計と関係なくないですか?ただの陽キャのイベントに聞こえますが」
僕:「表面はそうです。でも僕がやったのは盛り上げ役ではなくて、『人が来ない構造』の特定です。不安がボトルネックだと分かったから、打ち手は演出ではなく見える化でした。むしろこの話は、僕の型が営業以外でも再現することの証拠だと考えています」
面接官:「では聞きますが、あなたの3つの話に共通する、あなたという人間の一貫した性質を1文で言ってください」
僕:「持たざる状態から、構造を観察して、設計で勝ち筋を作る人間です。ピッチに立てなかったから観察を覚え、学力がなかったから配点を逆算し、売れなかったから録音を聞いた。僕の人生は、才能の話ではなく、この型の反復です」
──この1文が、僕の自己分析の到達点です。ここに辿り着くまで、素材を書き出してから何週間もかかりました。
第6章:この自己分析のやり方を、型にします
僕がやったことを、誰でも使える手順にすると4ステップです。
ステップ1:人生の転機を3〜4個書き出す。 成功だけでなく、必ず失敗・停滞を入れる(僕なら怪我・受験・150位)。人の型は、追い込まれた場面に一番濃く出ます。
ステップ2:各転機で「自分が実際に取った行動」だけを書く。 感想や役職ではなく、動詞で。「録音した」「配点を調べた」「リストを公開した」。
ステップ3:行動に共通するパターンを1文にする。 「◯◯なとき、自分はいつも△△する人間」。これが芯です。3つの話が同じ1文で説明できなければ、まだ素材の選び方か言語化が甘い。
ステップ4:その1文を、意地悪に掘る。 「その強みが機能しなかった場面は?」「それはただの◯◯では?」──反例を自分でぶつけて、崩れたら定義を修正する。僕の「観察力→行き詰まったとき観察に切り替える力」のように、修正後の言葉の方が必ず強くなります。
企業選びに迷っている人へ。芯の1文ができると、企業選びは「人気ランキング」から「相性の判定」に変わります。僕の場合、「持たざる側から設計で勝つ」という芯があるから、完成した王者の会社より、挑戦者ポジションの会社や、営業力・企画力で勝つ会社に軸が向く。自己分析が終わると、志望動機は書くものではなく、導かれるものになります。
最後に|なぜこの記事は無料なのか
評価軸ラボの企業別記事は、企業の評価軸を分解して、選考を設計するための記事です。
それは僕が思いついた賢い方法論ではありません。怪我で観察を覚え、受験で逆算を覚え、150位で設計を覚えた人間が、自分の人生でやってきたことを、そのまま就活に適用しているだけです。
この記事を無料にしたのは、有料記事の中身がどういう人間の、どういう経験から書かれているかを、先に全部見せておきたかったからです。文章の上手さや情報の網羅性なら、僕より上のメディアはいくらでもあります。ただ、150位から設計で這い上がった当事者が、同じ目線で企業の評価軸を分解している記事は、たぶんここにしかありません。
自己分析に迷っているあなたへ。まずはステップ1、転機を3つ書き出すところから。失敗の話を恐れないでください。僕の自己分析でいちばん強い素材は、全部、いちばんダサかった時期から出てきました。
あなたの選考が、運ではなく設計で通ることを願っています。
