心臓外科医なのに、手術件数を減らしたいと思っています。
退院の朝、6時間におよぶ手術を乗り越えた患者さんが言いました。
「先生、もっと早く来ればよかったです……」
笑顔でした。でも目に涙が浮かんでいました。
「この病気は、自宅で亡くなる方も多いんですよ」
そう伝えると、しばらく黙って、それから静かに泣いていました。
発症まで、血圧の薬が切れていることに気づいていなかったそうです。
症状がなかったから、放置していた。
この言葉を、何度聞いたか分かりません。
心臓血管外科医、ゆうです。
なぜ、ここまで放置してしまうのか。
答えはシンプルで、「症状がないから怖くない」んです。
心筋梗塞や心不全の多くは、突然起きたように見えて、
実際は生活習慣の積み重ねでゆっくり進行しています。
高血圧、糖尿病、脂質異常——
これらは10年、20年かけて動脈硬化を進めていきます。
でも今日、痛くも苦しくもない。だから放置される。
症状がない。
薬が切れても「まあいいか」と放置する。
そうして大動脈解離・心筋梗塞を起こして、生死を彷徨った患者さんを何人も見てきました。
「こんなことになるなら、もっと気をつければよかった」
その後悔の言葉を聞くたびに、手術室に来る前に止められなかったのかと、ずっと考えていました。
週に3〜5件の手術をしながら、ずっとそれを見てきました。
心臓外科医なのに、手術件数を減らしたい。
矛盾しているように聞こえるかもしれません。
でも、これが今の自分の本音です。
手術で助けられるのは、目の前の一人だけです。
でも、発信すれば、もっと多くの人に届く。
結局、医者として一番大事なのは、患者さんが元気になることです。
そのために手術もするし、薬も処方する。
それに加えて、SNSを通して一人でも多くの人が健康になってくれたら——それが本音です。
だから、予防外来を始めました。
高血圧・糖尿病・脂質異常——
手術室に来る前の、動脈硬化の入口にいる患者さんを診ています。
ここで介入できれば、手術に進まなくて済む人が増える。
知識を届けるだけでなく、生活習慣を変えるお手伝いをしたい。
それがこのnoteを書いている理由です。
少し自己紹介を補足すると、ペンシルベニア大学で
心筋虚血の研究をしていた時期もあります。
そして3人の子を持つ父親でもあります。
「自分の家族に心臓病になってほしくない」という気持ちは、
医師である前に、一人の親として持っています。
なぜ医師を目指したのか、ペンシルベニアに行くことになったのか、
もう少し詳しく書いた記事もあります。
このnoteでは、
・手術室では話せない、心臓病の本当の話
・生活習慣と病気のリアル
・予防のために今日からできること
を書いています。
「病気になる前に止めたい」
それがすべての出発点です。
気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
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メンバーシップでは、
・生活習慣病に関する有料記事
・心臓病の専門的な知識をまとめた有料記事
を読めるほか、
「こういう生活習慣が気になる」
「健診結果の見方がわからない」
そういった声があれば、コメントで返したり、記事にしたりしています。
かかりつけ医には聞きにくいことを、気軽に話せる場所にしたいと思っています。
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