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イスラーム成立とアラブ帝国―2

第1回 イスラームによるアラブ社会の統一―2

イスラーム以前のアラビア半島

イスラーム成立以前のアラビア半島を、国家のない砂漠と一括りにすることはできません。

南部のイエメン方面には古くから農耕と交易を基盤とする王国がありました。北方には東ローマ帝国と結びついたガッサーン朝、ササン朝ペルシアと結びついたラクム朝などのアラブ系政権も存在しました。東部や南部にはペルシアの影響も及んでおり、アラビア半島は外界から孤立した地域ではありませんでした。

しかし、半島の中部や西部では、広い領域を継続的に統治する国家の力は限定的でした。

乾燥した環境では人口が分散しやすく、税を集めて官僚や常備軍を維持することも容易ではありません。そのため、人々の生活を直接支えたのは、遠くにいる王や国家ではなく、身近な氏族や部族でした。

個人は一人で存在していたのではありません。

どの部族に属し、誰の保護を受け、誰のために戦うのかによって、その人の立場が決まっていたのです。

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