『習近平の反腐敗政策の拡大』
2026.05.06.
5月1日より、中国で汚職・贈収賄に関する新しい司法基準が実施される。検察機関や裁判所が、贈収賄事件を取り扱う基準が変更された。
国家公務員だけでなく、一般企業の社員や民間人も処罰対象となる。企業の購買担当マネージャーが高額な謝礼を受け取った、民間企業の幹部が融通した見返りに金銭を受けた、など。合計3万元を超えれば刑事事件として立件される。この3万元は、一回3万元ではなく、合計3万元。さらに時効の運用もかなり広く、5年、10年さかのぼって調査される。民間人には会社員・医師・企業管理職・取引業者などが含まれる。
中国には贈答文化がある。(日本でも中元・歳暮の文化がある)上司や幹部に贈り物をする、高級料理店で接待することは普通の事。ところが、今後、その上司が摘発され、収賄容疑で調査された場合、贈り物をした側、部下や関係者まで巻き込まれる可能性がある。今回の制度では、渡した側も処罰対象。
この制度、庶民は不満続出。それは基準の差。以前、政府官僚クラスに対しては、資産の出所不明や不正蓄財が300万元を超えて初めて本格調査される。一方で、一般人や民間では3万元で刑事事件として調査される。
今回の改正、実質的には、医師・看護師・学校の教師・民間企業の部長や課長・中小企業経営者。いわゆる、中間層・専門職・管理職・エリート層が主な対象となる。これらの人は、経済の成長で資産が増え、仕事が安定。積極的に不動産を購入、投資した。だが、不動産価格の暴落により不満も多い。つまり、今回の法律は腐敗対策と言うより、社会に不満を持つ中間層への牽制。
今回の制度で摘発よりも通報が増えると思われる。例えば、ライバル社員が上司を告発、患者が医師を通報、社内抗争で部長を密告、生徒が先生を告発。
さらに、今回の制度変更で、動機による処罰がある。これは、実際に賄賂が成立していなくとも、賄賂を渡す意思があった、受け取る意思があった、と判断されれば処罰対象となる。例えば、医師に金を渡した、医師は一旦受け取ったがその後返金した。これを、操作側が、賄賂の行為があった、と断定すれば立件される。さらに、その金銭自体も没収対象となる。極端な場合、会話内容・メッセージ履歴・話のニュアンス・過去の関係性、まで動機の証拠として使われる可能性がある。(あの人が憎い、殺したい、と思えば殺人罪になるの)
今回の制度は中国の民間企業、特に中小企業にとってやっかい。中国では多くの個人経営者や中小企業のオーナーが、家族名義を使った経営をしてきているから。中国の民間企業、特に中小企業は、日本以上にオーナー家族中心の同族経営。約90%は家族企業。具体的に説明すると:
両親・親族の名前を会社の社員として登録する。顧問として在籍させる。この方法で、実際には働いていないのに、給与を支払う。つまり、家族を通じて利益を分散する。目的は所得分散・脱税・資金移動。これからは、調査対象となる。
この事を逆に言えば、税金・社会保険料・各種手数料・行政コスト・接待や取引維持コストの負担が大きく、正規ルール通りに処理すると、利益がほとんど残らない現実がある。
5月1日からこの法律を実施、全企業をいつでも摘発可能な状態として、必要な時に、税務調査・会計監査・捜査・罰金を発動できる。結局、政府が金欠であり、なんとかして金をせしめようとしているのではないか。中国の歴史的にも国家財政が苦しくなると、まず増税。次に独占事業を作る。最終的に民間資産を調べ始める。そして、吸い上げる方法を考える。歴史はその後、例えば黄巾の乱のように、大衆の反乱を招く。
習近平の指示でお寺を調査。中国全土で500以上の寺がある。寺を武装警察が封鎖。銃を突きつけ、僧侶たちを外に出した。寺の内部を調査。金の管理を中国政府がするとした。結局、数百万人の僧から金を巻き上げた。その金は、軍人への給料として使われる。これらの僧侶は寺に戻れない可能性もある。
2022年、中国人がManusを作った。2025年、海外向けに事業を展開。米国の企業はこれに投資していた。2025年、Manusの評価は5億ドルだった。中国のテンセント、美団なども投資していた。
2025年7月、北京にある本社をシンガポールへ移転。同時に全ての高級エンジニア、管理層をシンガポールへ移動。北京は空の事務所だけとなった。
その後、12月にフェイスブック・METAが20億ドルでの買収を推進。Manusのチーム全員を雇用すると決めた。
ここで中国政府が動いた。今年2月、中国政府はManusの社長と副社長の帰国を要請した。両名は旧正月に帰国し、監禁された。現在、出国禁止、自由に行動できず、連絡も取れない。
METAは買収したい。Manusは買ってもらいたい。だが、米国の法律で、中国系半導体・科学技術・AIなどへの投資は禁止。中国の法律には国家安全法があり、データ持ち出し禁止・政府が審査、がある。問題は空とは言え、会社が北京にあること。これでは買収は絶対無理。
だが、METAは20億ドルをすでに支払っている。各投資家・投資機構は利益の現金化ができている。Manusの創業者らは株権利をMETAに引き渡している。そして会社から撤退している。つまり、この取引はすでに完了している。
Manusの親会社Butterfly Effectはシンガポールの企業。つまり、Manusは最初からシンガポールの企業だった。Manusは親会社が展開した一つのビジネス。だが、そのビジネスは北京でスタートした。厳密には、米国企業がシンガポールの企業を買収と言う案件。中国とは関係ない。それでも、取引が終わっているにも関わらず、中国政府はこの取引を無効にすると発表。中国政府として、Manus社にMETAの投資20億ドルを返還するようにとした。
だが、社長と副社長は中国政府に中国で監禁されている。手続きはこの二人がシンガポールに行かないと進まない。
METAが支払った20億ドルはManusより各投資家に返却されている。20億ドルをMEAに返すとManusの価値は5000万ドルしかない。つまり、投資家らは金を返すと損。返さないと思う。
結局、METAは泣き寝入り。だが、METAは騒げない理由がある。
中国にはVPNネットの壁がある。でもMETA社は中国企業に依存している。中国の商社、輸出代理店、ネット販売代理店はMETAを利用して広告を出してる(SHEIN、TEMU)。2024年、METAの中国本土の広告料は184億ドル、世界市場の10%以上。さらに、賭博・エロ系などでMETA収入の20%弱を占めている。その根源は中国系、中国の詐欺団地から。つまり、METAには裏事情があり、中国政府の言いなりになっている。
去年10月、重慶市紀律検査委員会・監察委員会は4人の幹部を処分。元渝北区委員会書記の唐川は、中央の政策を無視して、農地を私有化した。長期間、民間企業の経営者による豪華な宴席に頻繁に出席していた。結果、党籍と公職を剥奪された。
呉大銭、温勇、王玉祥ら高官も収賄や公金横領などの規律違反により処分。
ここまでは、ありきたりの事件。問題は、唐川は収監された後、獄中でエイズと診断された。これで慌てたのは女性公務員。結局、36人の女性もエイズに集団感染していた。
この事件、初めてと思っていたら、15年前にも同様の事件があったとネット民から教えてもらった。
2011年、貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州委員会組織部が三穂県を訪れた。会議終了後、楊昌明副県長が突然、連れ去られた。拘留後にエイズ感染が判明。関係を持った女性を供述。リストには30人以上の名前があった。その後、三穂県内の女性幹部や女性教師がこぞって病院に駆け込んだ。
楊昌明と関係を持った有名人の一人に湯燦がいた。彼女は獄中でエイズ治療を行ったが、その噂が流れ、彼女と関係を持った政府高官が慌てた。その政府高官は、政治局常務委員の周永康、政治局委員の薄熙来。

