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『張又侠の消息』

2026.07.20.

 張又侠:これまでの経緯のまとめ

 2022年10月、第20回党大会で、定年の68歳を超えて中央軍事委員会副主席に留任。この大会で会場外に部隊を配置する手配をした。つまり、習近平のクーデターを支援した。

 2023年、習近平による軍内の反腐敗粛清が始まり、張又侠の元部下、李尚福らが失脚。ロケット軍などの調査の最終標的は張又侠だった。一時危険な状態。

 2024年、3中全会で習近平が脳卒中を起こした。その隙にソフト・クーデターで軍権を掌握。

8月29日、サリバンと異例の会談。また、習近平の側近を拘束。

10月14日~15日、全軍軍事理論工作会議で演説、張又侠は軍内で台頭。

10月24日~26日、ベトナム訪問。国家元首級の待遇。

10月末~11月、苗華を拘束、5大戦区を実質支配。

2026年

1月中旬~下旬、張又侠と劉振立が逮捕。第82集団軍が中南海に進軍。

彼らの罪状は、軍委主席責任制の重大な蹂躙、とした。

 そして、7月16日、張又侠は習近平から権力を奪う政変を企てたことを承認したとの情報がある。

 これまで、死んでも罪を認めないと言っていた張又侠がなぜ自白したのか。調査の最終段階で、彼の息子が突破口として利用され、協力しなければ息子を罰すると脅迫されたため。息子を人質に取られた張又侠は態度を軟化させ、習近平に軍力で退位を促す企てを認めた。

 この政変計画は張又侠の単独ではなかった。王岐山や曽慶紅、更に一部の引退した党内元老達からも支持と黙認を得ていた。(事実は、元老たちが習近平を引きずり下ろすために、張又侠を利用した。)第20回党大会後、元老達は権力の平穏な移行を望み、張又侠を新体制への引継ぎの護衛と位置付けた。そのため、習近平は王岐山の旧部下らを相次いで失脚させた。

 習近平は元老達を厳重な監視下に置いていた。彼らは監視の緩い子女等を利用し、一見目立たない第三者を介し、情報伝達していた。王岐山の旧部下である、元中央宣伝部副部長の蔡赴朝とその息子が、張又侠と王岐山の間で情報伝達する役割を担っていた。


 張又侠は少なくとも7月16日までは生きている。そして、死刑に処されると思われる。ただ、その場合、軍が、特に第82軍、どう動くのか。来年の第21回党大会、いやその前の5中全会(10月開催と思う)で何かが起こるような気がする。


 以下は張又侠の遺言とされますが真偽は不明。かなり前に手に入れていましたが、報告は控えていました。

 中国の中央軍事委員会副主席、張又侠氏の遺書が海外で公開された。文書には、もし私が逮捕されたなら、この手紙を公開してほしい、との一文から始まる。自身への措置は単なる規律違反ではなく、最高指導部との路線対立に起因するとの趣旨が盛り込まれている。

 事実であれば、習近平体制内部で軍統制方式や戦略路線を巡る意見対立が存在する可能性がある。中国当局は即座に偽文書だとして否定したが、それ自体が権力内部の緊張説示している。


習近平式の軍統制・台湾政策に正面から異論

 文書には、中央軍事委員会の運営方式や軍指揮体系に対する批判が含まれている。軍組織が特定個人の意思に過度に従属する構造は、長期的に危険だとしている。事実上、習近平式の軍統制モデルを問題視している。また、台湾問題について、軍事的アプローチが国家戦略ではなく個人的な政治目標と結び付いた場合、衝突時に中国経済やインフラへ致命的損失を招きかねないと警告している。


軍上層部の粛清・ロケット軍をめぐる人事再編と重なった時期

 ここ数年、中国軍では大規模な反腐敗調査と高官級の将校の交代が相次いでいる。特に、核・ミサイル戦力を担うロケット軍指揮部の交代は、戦略戦力運用の継続性に懸念がある。そうした状況で、軍序列2位級の人物の名義とされる文書が浮上したことで、軍内部の権力再編過程に少なからぬ対立や反発が存在するのではないかとの観測が広がった。表向きには規律引き締めだが、実際には特定派閥整理や忠誠心の再確認という政治的性格が強い。


真偽を巡る議論は続くも、浮かび上がった権力不安

 この文書は香港系メディアや海外プラットフォームを通じて拡散され、その後、WeChatなどでも急速に広がった。中国本土では関連検索語の遮断や投稿削除が直ちに進められ、当局はこの問題を敏感に受け止めている。文体が実際の軍文書に似ているとの意見がある一方、一部の非公式な表現から偽造の可能性を指摘する説もある。しかし、文書の真偽とは別に、このような内容が流出した事実そのものが、中国の権力・軍統制体制の安定性への疑問を国際社会で広げている。


台湾有事や南シナ海の緊張にも波及しかねない不安要素

 軍指揮部再編と内部対立説は、直ちに台湾や南シナ海戦略とも結び付けられている。東部戦区の統合作戦能力とロケット軍戦力の安定性は、台湾有事の際の初期攻撃や封鎖作戦の中核を成す。指揮体系と信頼関係が完全に整理されていない状況であり、短期的大規模軍事行動に踏み切るより慎重姿勢を取るとの分析もある。一方で、内部結束を強めるため、逆に対外的緊張を意図的に高める選択に出る可能性も排除できない。


米国と同盟国は、この不穏なサインをどう読むのか

 米国や周辺同盟国は、今回の騒動を単なる偽文書騒ぎとだけは見ていない。中国軍統制構造がどこまで個人中心の体制へ再編されたのか、その過程で戦闘準備態勢や戦略決定がどれほど影響を受けているのかを測る一つの指標として注視している。内部結束の弱まりが対外政策の穏健化につながる可能性もある一方、むしろ対外強硬姿勢によって内部を引き締める方向へ進む可能性もある点に注目が集まっている。

結局、焦点は文書の真偽そのものより、現在の中国指導部と軍指揮部が、どのような選択によって体制の安定性を確保しようとしているのか、という点へ移りつつある。



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