天むすの娘たち
名古屋のデパ地下では地雷也さんで天むすを買うことがよくある。
新幹線に乗る前に買って旅のお供にすることもよくある。
ずいぶん前、地雷也さんで並んでいたとき、前に女子高生二人組が並んでいた。二人は楽しそうにおしゃべりしていたのだが不意に聞こえてきた会話に驚いた。
「ね、これなんの列なんだろうね?」
「え、知らない」
「わかんないのに並んでるのウケる」
「ちょっと待って、ググってみるわ。えっ…と、じらいなり、じらいなり…」
え?
なりって読めるの偉いけれども。そもそもなんの店かわからないのに並んでるのもすごいけれど。いろいろと気になる。
「ちょっ…!じらいや だった!!笑う!」
「天むすだって…」
「天むすってなに?」
え?
名古屋の子達でも天むすって知らないことあるんだ…。
「天の…天…天ぷら?…蒸すんかな?」
わーお。天ぷらの良さどっか行ってる。でもおむすびに包まれてるからある意味蒸されてると言っても過言ではないのかも。
でもお店検索した時に天むすの説明絶対載ってたはず…もう一度スマホを見るんだ娘さんたち…!
「なんだろねー」
「楽しみー」
彼女たちはそれ以降買うまで調べることもなく他の話題に移り、順番が来て天むすを買って去っていった。
「あ、おむすびの『むす』かぁ〜なるほどねー」
去り際にそう話し合っていて、これから謎の食べ物や出来事に出会ってはああやって楽しく向き合っていくんだなと思うとなんかこう、すごい神々しかった。
