相崎うたう『スポットライトが落ちるまで』感想 夢という舞台からどうやって降りたらよいのか?他(2025年10月22日の日記)
生活
今日も寒い。夕方、友人がカレーを食べにくる。ミールスを作って提供する。夜はアニメを見たり、まんがタイムきららフォワードを読んだりする。
きょうのカレー

相崎うたう『スポットライトが落ちるまで』感想 夢という舞台からどうやって降りたらよいのか?
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— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) October 22, 2025
夢をもったことのある
すべての人へ───
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きららフォワード12月号に初登場
「どうして私が美術科に!?」、
「瑠東さんには敵いません!」の
相崎うたうが贈る衝撃の短編読み切り
『スポットライトが落ちるまで』
ぜひ、お読みください。 pic.twitter.com/Xe296f1pos
まんがタイムきららフォワード 2025年12月号読切『スポットライトが落ちるまで』を読んだ。相崎うたう先生と言えば『どうして私が美術科に!?』『瑠東さんには敵いません!』など明るい作風のイメージが強かったのでダークなストーリーに衝撃を受ける。
主人公・真智は幼馴染の美百合とともに「一緒に舞台役者になろう」と約束し、学校でもともに演劇部に所属している。ライバルを演じるようを競い合う2人。だが演劇に熱中して次々と主役に選ばれ続ける美百合に対して、真智は本心ではいつしか飽きてしまい悔しいと思えなくなっていた。それでも真智は2人でかつて約束した夢を追わなければと思い、悔しいと思えないことに苛まれながら、スポットライトにしがみつこうとし……。物語は意外なラストで幕を下ろす。
この作品は「将来の夢」に対してきわめて冷淡な態度をとっているように見える。真智は演劇だけでなく、現実でも「役者という夢を追う自分」を演じてスポットライトの中に居続けようとする。演劇が上手く行かないことと、現実でも夢を追う人を演じきれないことがアナロジーになっている。むしろ「夢を追う」ということ自体が演技にすぎないのではないかと言っているようですらある。実は夢に邁進しているように見える美百合ですら「そういう演技」をしているのかもしれない。そして目指すべき夢をスポットライトという人工の光が象徴する。この光がまがい物だといつしか気づき、しかし気付かないふりをしていたのではないか。しかも幼少期には真智と美百合の2人で浴びていたスポットライトのなかに、今は真智1人しかいない。演劇に夢中になりあれほど上手くできている美百合はもはやスポットライトを追っていないところにも、夢=スポットライトに対する懐疑的な姿勢がうかがえる。
読後に思ったのは「どうやって何かを追う演技をやめ、どうやって舞台から降りたらよいのか」ということだった。しかし本作はその回答を示さない。なぜならスポットライトが落ち、演劇が終幕することで解放されたのであって、最後まで舞台を降りてはいないからだ。だからスポットライト=夢そのものの正体やその是非について、最後まで問うことできなかった。同じ問題意識を『秒速5センチメートル』に見出すこともできる。
この数年間、とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのかも、ほとんど脅迫的とも言えるようなその想いがどこから湧いてくるのかも分からずに、僕はただ働き続け、気づけば日々弾力を失っていく心がひたすらつらかった。そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だった想いがきれいに失われていることに僕は気づき、もう限界だと知った時、会社を辞めた。
貴樹が抱いた明里への好意はいつしか明里へと向かわなくなり、何かを求める脅迫的な自意識にすり替わってしまう。そして必死に過ごすうちに手段と目的を取り違えていたことに、長い時間を経たあるときふと気が付く。限界を迎えた貴樹はかつての踏切で何かを感じ取って、ようやく今までの想いを過去のものにできた。やはり破綻を迎えるまで「降りる」ことができなかった。
この2作品をみて、他者の不在を思った。『秒速5センチメートル』では明里への好意をあれほど抱いたのに明里の側の気持ちはある段階から全く出てこなくなる。交際した女性にもやはり意識が向いていない。『スポットライトが落ちるまで』でも真智は繰返し鏡を見る。将来の夢をスポットライトという舞台のモチーフになぞらえているにもかかわらずそこには観客も他の演者もいないし、光は美百合ではなく鏡に映った真智自身だった。そして最後になって舞台の上に美百合の陰が現れる。夢や約束という自意識の舞台を終わらせるには、誰でも良いのでその上に他者が上がって来ることが必要なのではないか。
関連作品
きょう観たアニメの感想
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損失を出すための大盤振る舞いがイラストレーターの情熱に繋がってしまうなど、自由にバカをやるほど良いものが生まれる可能性があるというテーマのように思った。
