芋出し画像

無名ブランドの、癟貚店 初出店奮闘蚘売䞊1䜍になるたでの党蚘録


この䞖には、぀の「運」、ずいうものが、存圚する。



぀は、勝手にあなたのもずに降り泚ぐ、運。

いわゆる、フォヌチュヌン。日本ずいうあり埗ないほど玠晎らしい囜に生たれたこず。優しい家族のもずに生たれたこず。それらは良い運。そしお、雷に打たれるのは䞍運だ。


぀めは、チャンスずいう名の運。

この運には、あなたの行動が必芁だ。サむコロを振る、む゚スずいう、手を挙げる、そういった行動を起こしお぀かたなければ、この運は掻かせない。


぀めは、ツキ、幞運、ずいう名の運。

これは可胜性を芋出し、行動の結果によっおもたらされるもの。たずえば、あなたがチャンスずいう機䌚を目の前に行動するこずで、すばらしい仕事を埗る。それが、぀めの運だ。


぀たりほずんどの堎合、ただ埅っおいるだけの人間には、決しお「運」は埮笑たない。


扉を叩き、傷぀き、それでも前ぞ進もうずする者の頭䞊にだけ、现い蜘蛛の糞のように、そっず降りおくる──


ブランドを立ち䞊げ、コネも経隓もなかった私が、初めお癟貚店ずいう舞台に立ったずきのこず。いく぀かの奇跡に導かれ「運」を掎みながら、自分の勝ち方を芋぀けるたでの、日間の物語。


䞀床䞞ごず私の人生を振り返り、䞀぀の物語に再構築しおみる詊みの連茉・第匟です。毎週お読みくださる皆様、ありがずうございたす。今日の物語は、卞売からPOP UP出店に移行する、ず決めたずきのこず。無名のブランドが、どのようにしお癟貚店出店を行っおいったのか。その経緯を曞きたした。これから自身のブランドで、癟貚店出店をしたい方ぞの参考になりたしたら幞いです。

目次
1. 倧倉だった過去の経隓はあなたぞの倧切な莈り物
2. è²¯é‡‘10侇 26æ­³ 無職フリヌランスになるず決めた、独立前倜
3. ã©ã‚“底26æ­³ 䞇円起業フリヌランスずしおブランドを立ち䞊げるたで
4. ãƒ•ァン0人だった私の、ブランドのはじたり
5. 䜜品が「おもちゃ」ず呌ばれた日
6. ç„¡åãƒ–ランドの癟貚店初出店奮闘蚘売䞊1䜍になるたでの党蚘録 â†’ココ


前回の蚘事はこちら


この連茉の人気蚘事はこちら第2匟



26歳。2015幎12月。


答えは、もう出おいた。 ショヌケヌスの向こう偎にある匿名の売䞊ではなく、私の手元に盎接届いた、たった䞀぀の枩かい蚀葉。私が本圓にやりたいのは、お客様の顔が芋える「小売」だ、ず。

ならば、進むべき道は䞀぀。癟貚店のポップアップストア。 自分が店頭に立ち、盎接お客様に䜜品を届けられる堎所。それが、私の新しい販売遞択肢になった。


この遞択肢が思い぀いたのも、知り合いが癟貚店で自分のアクセサリヌブランドのPOP UP出店をしおいる、ずいうこずを聞いおいたからだった。


すでに癟貚店出店をしおいる知人に、「どうやったら癟貚店出店できたすか  」ず質問しおみたものの、具䜓的な手段は教えおいただけなかった。ずはいえ、"自分のブランドを䜜っお、癟貚店に出店する"ずいう遞択肢があるこずだけは事実ずしお理解できた。これだけでも倧きな収穫だ。


ひずたずダメ元で、Google怜玢しおみる。


──「癟貚店 出店 ハンドメむド ブランド アクセサリヌ」



そう打ち蟌むず、トップの怜玢結果に䞀぀の䌚瀟がヒットした。癟貚店ぞの出店を仲介しおくれる䌚瀟のようだ。出店の仲介。なるほど、こんな仕事が䞖の䞭に存圚するのか、ずびっくりする。その䌚瀟のペヌゞをクリックする。



その䌚瀟のペヌゞを開くず、「あべのハルカス近鉄本店 1週間の催事 出展アクセサリヌブランド募集」ずいう文字が飛び蟌んできた。たるで光のように芋えた。䌚期を確認するず、開催は翌幎1月末。珟圚、12月も䞋旬に差し掛かっおいる。今から、玄ヶ月埌だ。準備期間ずしお十分なのかどうなのか正盎党くわからないが、ずりあえずヶ月もあればなんずかなるだろう、ず楜芳的に考える。最近、卞売で60点䜜ったばかりだ。

私はすぐに、問い合わせのメヌルを送った。これたでの経緯ず、ブラむダルのヘッドドレスブランドであるこず、ブランドヘッドドレスの䜜品写真、先日卞売でハむブランドぞ玍品させおいただいた写真を添えお。


返事は翌日、すぐに来た。



「ぜひ出展しおいただきたいです。しかしながら──」



「ブラむダルのヘッドドレスは、䞀週間の催事むベントでは売りづらいので、もしアクセサリヌが䜜れるなら、ぜひ出店をお願いしたいのですが。アクセサリヌはお取り扱いされおたすか」



アクセサリヌ。がっ぀りず䜜ったこずはほずんどなかった。趣味で、孊生時代に友人ぞのプレれントで䜜ったり、ハむブランドぞのブラむダル郚門ぞのサンプル玍品の際に䜜った皋床の経隓だ。そしお、埌者の経隓は無残なたでに、けちょんけちょんに倧倱敗しおいる。


さらに、もう䞀぀私の䞭でひっかかっおいるこずがあった。

もずもず服䜜りをしおいたこずもあり、アクセサリヌを䜜るのはなんだか亜流なような気がしお、メむンストリヌムからこがれ萜ちる感芚があった。だからヘッドドレス、ずいう謎の折衷案をブランドの商品ずしお遞択したわけだ。しかし、亜流だのこがれ萜ちるだの、そんなこずを蚀っおいる堎合でもない。アクセサリヌはやりたくないな、ず思っおいた私の倉なプラむドを、䞀旊脇に投げ捚おる。


このチャンスを逃すわけにはいかない。



服を䜜るより、ヘッドドレスを䜜るより、アクセサリヌは物理的面積が小さいんだし、きっず簡単だろう。 そんな浅はかな考えで、私は二぀返事で「もちろん、アクセサリヌの展開もできたす」ず返信した。どんなアクセサリヌが䜜れるか、具䜓的なアむデアなど䜕䞀぀ないたたに。私のブランドの可胜性を信じおくれた担圓者の方には、今も頭が䞊がらない。


──


こうしお、思わぬほどあっけなく、初めおの癟貚店様ぞのポップアップ出店が決たった。 堎所は、倧阪、倩王寺。圓時東京に䜏んでいた私にずっお、それは倧きな賭けだった。移動費、滞圚費、これから買い揃え準備しなければいけないディスプレむ什噚、そしおれロから䜜る新しいアクセサリヌのデザむン。卞売ず、オヌダヌメむドなどで埗た玄30䞇円の売䞊は、あっずいう間に消えおいくだろう。この投資は、回収できるのか。䞍安が胞をよぎる。


しかし、この挑戊には、いく぀もの奇跡が甚意されおいた。
神様は、挑戊する人に優しい。


──


出店の準備を進める䞭で、私は信じられない偶然を知る。


以前、癟貚店ぞの出店方法に぀いお、勇気を出しお電話をかけたあのアクセサリヌブランドの先茩。なんず圌女も、私が出店する癟貚店、あべのハルカス近鉄本店に、党く同じ週に、党く同じフロア階で、ポップアップを開催するずいうのだ。 䞀床しか䌚ったこずのない、雲の䞊の存圚。その方が、すぐ近くにいる。 それだけで、心现い挑戊の道のりに、䞀本の光が差したようだった。圌女は盎接癟貚店さんず契玄しおいお、仲介䌚瀟を挟んでいないので、むベント自䜓は別なようだ。同じタむミングで出店するこずをご連絡し、ご挚拶に行きたす、ずいうメッセヌゞを送る。

こんな偶然あるだろうかなんだか、良い流れかもしれない。そんな予感を感じる。


──


むベント準備はおんおこ舞いだった。

たず、ディスプレむ。癟貚店の䞀角ずいう華やかな堎所で、チヌプに芋えるわけにはいかない。しかし、予算は限られおいる。 私はメルカリで、倧理石でできた料理甚の台を2,000円で぀、芋぀け出した。リサむクルショップでは、高芋えするガラスの写真立おを買い、100円ショップで100円に芋えない陶噚のタむルなどを買い集め、ブランドノィゞュアルの写真を食った。いかに安く、いかに高玚感を出すか。このトレゞャヌハントする感芚が、知恵を絞るこずが、ずおも楜しかった。



次に、商品。 䞀週間のむベントに、䜕点甚意すればいいのか。倀段は、いくらが適切なのか。さっぱり分からない。Google怜玢しおみるがどこにも情報は萜ちおいない。困った。お手䞊げだ。

圓時の私は、同じデザむンを耇数䜜るこずが怖かった。売れ残ったらどうしよう、ずいう恐怖。バむダヌ時代、䞀぀の店舗に同じデザむンを3点以䞊䞊べるこずは皀だった。そんな経隓も私の手を鈍らせた。 だから、䞀点ものに近いデザむンを、ずにかくたくさんの皮類、無我倢䞭で䜜り続けた。


そしお、倀段付け。
呚りを芋れば、ハンドメむドのアクセサリヌは1000円〜2000円が䞻流。ハンドメむドブヌムの波が抌し寄せはじめおおり、ずにかくブランドが乱立しおいる。そしお、ずにかく垂堎の盞堎が安い。趣味で片手間でやるならそれでもいいかもしれないが、わたしはこれを仕事ずしおやっおいくず芚悟を決めおいたので、そんな金額では売れない。

綺麗事を抜きにしお、自分が生きおいくための倀付けをする必芁がある。私は䞀぀4,000円前埌の倀付けをした。圓時のハンドメむド垂堎では、かなり匷気な䟡栌蚭定だったず思う。ただ、この金額蚭定でも、正盎これ䞀本では長くはやっおいけないほど、安い蚭定なのも事実だ。この倀段では生きおいけないずわかり、すぐにこの埌倀䞊げしおいくこずになる


こうしおなんずかかんずか䜜り䞊げた、玄30点のアクセサリヌ。 これが売れなかったら、どうなるんだろう。 私は、30点の䞍安をスヌツケヌスに詰め蟌み、深倜、倧阪行きの倜行バスに乗り蟌んだ。

初出店時のアクセサリヌ。コットンパヌルず、幞せを呌ぶずこじ぀けたかすみそうを䜿っお。
暹脂でなんずかかんずか倩然石颚のものを䜜ったり・・・
圓時はモヌドな雰囲気が奜きだった


──


2016幎1月26日(火)倜、20:00。
むベント開始前日、初めおの搬入。


埡堂筋線の倩王寺駅で降り、地䞋通路を通りゆく人ず逆方向に歩きながら癟貚店の埓業員通甚口を目指す。営業終了埌の、静たり返った癟貚店。その巚倧な建物の通甚口で、私は匟ず䞀緒に、その時を埅っおいた。

「面癜そうだから」ず手䌝いに来おくれた、圓時ただ倧孊生だった匟。心现い初出店の初めお経隓する搬入に぀いおきおくれたこずが、どれほど心匷かったか。䜙談だが、匟はその埌もずっず応揎し続けおくれ、今ではmaruo vintageを運営する私の䌚瀟、株匏䌚瀟ラトリ゚・デ・ラ・ベル゚ポックの圹員ずしお関わり続けおくれおいる



「商品、30点しかないけど、これっお倚いのかな、少ないのかな」わたしはずっず、そわそわしおいた。

するず、私ずは真反察な性栌で、特殊なほどに瀟亀的な匟が「経隓者に聞いおみたらいいねん、こういう時は」ず先導切っお、隣で同じように搬入を埅っおいた別のブランドの女性に話しかけおいた。

「こんばんは。僕たち初めおの出店なんですけど、商品っお䜕点くらい甚意するものなんですか」



最高に愛想のいい圌女は、申し蚳なさそうに蚀った。



「いやあ、私、぀い先週たで別の出店があっお  今回党然準備が間に合わなくっお、少ないんです  」


匟は重ねお聞く。「少ないっお、具䜓的にどれくらいですか」



「200点ぐらいしか䜜れなくお。どうしよかなっお感じです」


──200点


私は圌女の返答を聞いおめたいで危うく厩れ萜ちそうになる。

お、終わった  
POP UPに出店するっお、そんなに準備が必芁なんだ  


決しお舐めおいたわけではないが、あたりの自分の玠人準備に焊りを通り越しお呆然ずする。匟にも「お姉ちゃん、党然あかんやんどうするん。もっず䜜らな」ず責め立おられる。「ほんたやな  」ずいきなり戊意喪倱するわたしをみお、「ずにかく、搬入を速く終わらせお垰っお䜜ろう。手䌝うから」ず、匟。どっちが幎䞊なんだ、ず思わされるしっかりさで、私を勇気づけおくれる。


たった30点で、しかし、確かに、どうやっお売䞊を䜜ればいいんだろう  。焊りを抱えたたた、搬入䜜業が始たった。慣れないディスプレむに悪戊苊闘し、党おを終えたのは23時半。出店しおいた30ブランドで、ほずんど最埌になった。明日の朝、ここにお客様が来る。そう思うずただ手盎しをしたくなる。しかし、誰が買っおくれるんだろう癟貚店ぞ出店する、ずいうこずの実感が、ただ湧かなかった。


なんずか陳列を終えたディスプレむ。



そしお、運呜の初日。2016幎1月27日氎曜日。午前10時。

興奮ず焊りず緊匵でほずんど眠れないたた圓日を迎えた。



開店盎埌の癟貚店では、スタッフ党員が店頭に起立し、お客様をお迎えする。販売員時代を思い出しながら、今は自分のブランドの䜜り手ずしおここに立っおいる、ずいう事実に、胞が熱くなる。


午前䞭は、ただ人通りもたばらだ。ゆったりず営業がスタヌトする。たずは、䞀緒に出店しおいるブランドをひず぀ひず぀䞁寧に芋おたわる。どのブランドも、芋おいおずおも参考になる。そしお、接客のしかたも非垞に勉匷になった。


別のブランドのスタンドで商品を芋おいたずき、ふず䞀人の女性が、私のブヌスの前で足を止めおくれたのが暪目に入った。初めおのお客様だった。わたしは飛び䞊がるようにしお自分のスタンドに戻る。


「芋おくださっお、ありがずうございたす」



自分でもびっくりするほどの倧きな声に恥ずかしくなる。その女性も、私の謎のテンションにちょっずびっくりしながら「可愛らしいねえ」ず、぀぀䞁寧にご芧くださる。

手に取り、耳にあお、鏡を芗き蟌む。そんな䞀連の姿がめちゃくちゃに嬉しかった。そしお、ずおも䌌合っおいた。嬉しかった。自分の䜜ったものを、こんなに真剣に芋おくださっおいる。無名の、初出店の、䜕者でもないわたしの䜜品を、名前でなく、デザむンで、芋おくださっおいる。それが、狂おしいほどに嬉しかった。「うわあ・・めっちゃ可愛いです」「めっちゃ䌌合いたすね」「ほんたに、芋おくださっおありがずうございたす」ず勝手に口から心の声が次々溢れ出す。

「芋おるだけでこんなに喜ばれたの初めおやわ」



圌女は笑った。それを聞いお、顔が真っ赀になる。


「実は、今回が初めおの出店なんです。今日が初日で、さっき始たったばっかりで、お姉さんが、䞀番最初に立ち止たっおくださったお客様なんです」正盎に䌝えおみた。「そうなんや。ずいうこずは、お姉ちゃんが䜜りはったの」ずその方はびっくりしたように、私の方を芋おくださった。

わたしは少し照れながら、でもしっかりず意思をもっお、「はい、デザむナヌです」ず答える。「䜜家」ずは名乗らない、ず決めおいた。ハンドメむドブランドずしお始たりながらも、わたしは絶察に"ハンドメむド"ブランドず名乗らない、ず決めおいた。わたしは、これで生きおいく。わたしがやるのは、「ブランド」だ。そしお、私は「デザむナヌ」ずしお生きおいく。



ずするず、圌女は䞀぀䞀぀の䜜品を、より䞀局本圓に䞁寧に芋おくれた。そしお、鏡の前でむダリングを合わせながら、こう蚀った。

「お姉ちゃん芋おたら、応揎したなるわ。これ、䞀぀もらうわね」


時間が止たる。わたしは䞀瞬頭が真っ癜になった。


4,200円のむダリング。が、売れた──


「あ、ありがずうございたす」


売り堎に響き枡る声で、わたしは泣きそうになりながら勢いよくお蟞儀した。う、売れた──

突然パニックに陥る。えっず、どうすればいいんだっけ、売れたら、どうやっおお金をいただくんだっけ、梱包もしなきゃ──

わたしがあたふたずしおいる状態を芋お、さっず仲介䌚瀟の担圓者さんがサポヌトに来おくださる。お客様をレゞにご案内くださり、その間に商品をお぀぀みしおくださいね、ずのこずだった。震える手でラッピングする。ギフト包装に、なんお蚀われおいないけれど、嬉しくおリボンをかける。手が震えお、うたく結べない。



それは、オンラむンショップの奇跡ずはたた違う、手觊りのある、枩かい売䞊だった。䜕者でもない私を、「応揎したい」ずいう気持ちで遞んでくれた。こんな嬉しいこずがあるのだろうか。


「䜕も予定なくハルカス来たんやけど、こんな嬉しい出逢いがあっお、来およかったわ。お姉ちゃん、頑匵っおね」


お姉さんのずびきりの笑顔に、たたわたしは泣きそうになる。涙を堪えようずしながら明るくお瀌を䌝えようずしお、倉な顔になった。そんな私をみおお姉さんはたた笑う。深く深くお瀌をしお、その方の姿が芋えなくなるたでお芋送りした。圌女の人生に、わたしのアクセサリヌが仲間入りした。名前もしらないお姉さんの、人生の䞭に。


圌女は、わたしの存圚をちゃんず認めおくださり、わたしを応揎したい、ずいっお買っおくださった。他の誰でもない、私が䜜った、ずいうこずに䟡倀を感じおくださった。こんな幞せ、あるだろうか。


これを感じたかったんだ──


芋送ったあずも、しばらく呆然ずしながらお姉さんが歩いた芋えない足跡を眺める。そんな私を、䞀緒に出店しおいた呚りのブランドの方々が「おめでずう」ず祝犏しおくださった。


わたしは、ここで生きおいきたい──


──


その日を皮切りに、私のブヌスには幞運の連鎖が起きた。 関西に䜏んでいた時代の友人知人たちが、SNSの告知を芋お次々ず䌚いに来おくれたのだ。呚りの出店者さんから「お友達、めちゃくちゃ倚いですね」ず驚かれるほど、人の波が途切れなかった。


そしお、あの「奇跡」も、ちゃんず繋がっおいた。 以前、電話をした癟貚店出店をしおいるアクセサリヌブランドの先茩。圌女が、近鉄癟貚店のバむダヌさんに「私の友達が、偶然、同じタむミングで初めお出店しおるんです」ず話しおくれおいたのだ。


そのバむダヌさんは初日、すぐに私のブヌスを蚪ねおくださった。

「ええやん、可愛いなあ」 気さくな関西匁で耒めおくださった。芋おいただけるこず自䜓が嬉しい。「もうこんな少なくなっお、売れおるやん、すごいやん」ず、すかすかのディスプレむを芋おおっしゃる。「あ、違うんです、これは」ず蚂正しようずする私を牜制しながら「謙虚やねえ」ず、商品をじっくり芋ながら埮笑んでくれる。実際元々の準備数量が少ないからだ、ずは口に出せず、もごもごする。売れおるやん、を事実にしたい。

「ひずみちゃん、ブラむダルもやっおるんやっお」

近鉄のバむダヌさんが、すでにもう私の名前を知っおくださっおいるずいうこずに䞀瞬理解が远い぀かずびっくりする。そしお、「䜕かあるかもしれない」ず念の為準備しおきおいたポヌトフォリオをお芋せした。その䞭には先日のハむブランドぞの玍品実瞟の写真もあり、そのハむブランドの名前もちゃっかり茉せおいた。バむダヌさんは、そのブランド名を芋お目を茝かせ、 「すごいやんか〜⚪⚪ちゃんそのアクセサリヌの先茩ずお友達なんやろそしたら、二人で、うちでむベントやったらええやん」


やったらええやん、が、どういう意味なのか掎みきれなかったが、どうやら䜕か、いい方向に進み始めおいるらしい。「メヌルアドレスちょうだい。連絡させおもらうね」ず、話はどんどん進んでいく。え、これ、もう次の出店決たりかけおる  あわあわず準備しおいたすりたおほやほや、自䜜のA-one甚玙で印刷した名刺を枡す。

仲介䌚瀟さんなしで、盎接癟貚店さんず取匕できるかもしれない──


现かいこずだが重芁なので曞いおおくず、仲介䌚瀟さんを通しお初出店したこのむベントでは、売䞊の50%を手数料ずしお支払い、50%が私の手元に残る圢だった。掛け率50%。フルで店頭に立っお、である。4000円を売り䞊げおも、手元に入るのは2000円。そこから材料費を匕くず絶望的な薄利だ。非垞に厳しい条件ではあるが、コネもツテもないブランドが、たず繋がりを䜜る、ずいう意味においおは「機䌚を買う」先行投資であるこずには違いない。事実、この出店をしたこずで、芋づる匏に次々ずむベントのお誘いが増えお行った。

癟貚店さんず盎接契玄できるずなるず、掛け率は少なくずも、70%たであがる。4000円売り䞊げたら、2800円が手元に残るわけだ。䞀点あたりで考えるず小さな違いだが、週間の売䞊、ずなっおくるず盞圓な違いが出おくる。この、癟貚店のバむダヌさんから盎接お声がかかった、ずいうこずは癟貚店盎接契玄ができる、ずいうこずだ──


信じられなかった。 あの時、収穫れロだず思った䞀本の電話が、こんな圢で、次の仕事に繋がるなんお。 䞀本目のポップアップで、二本目のポップアップが決たったのだ。なんだか良い流れが来おいる。未来が、ある。そう思えた。


──


ありがたいこずに、たくさんの友人知人、そしお、初めお目に止めおくださる方々のおかげで、毎日どんどん売れお行った。商品はあっずいう間に足りなくなる。10時〜20時の営業時間、1時間の䌑憩時間以倖は、9時間䌑みなく䞀人で立ち、䞀人で接客し続ける。その埌垰宅したら、その日売れた数量以䞊を睡魔の限界たで制䜜し、翌日持ち蟌む。

明らかに異垞な皌働量だが、この時は若さも䜓力もあったのか、アドレナリンが倧攟出されおいたからなのか、ふらふらになりながらも党力が出せた。なにせ、改善するずそれだけ売䞊が䞊がるのだ。面癜くおしょうがなかった。

──



そしお、䞉日目のこず。出店者甚のバックダヌドの通路に、䞀枚の玙が匵り出されおいるのに気づいた。なんだろうずよく芋るず、 「売䞊ランキング」ず曞かれおいる。 その日たでの売䞊が、ブランド名ず順䜍ず共に発衚されおいた。2日目が終わった時点の売䞊らしい。私のブランドの名前は䞭間あたりに芋぀けた。

その瞬間、私の䞭で、新しい炎が燃え䞊がった。ワクワクする。



ここで、1䜍になりたい──


私はその日から、䞊䜍のブランドさんたちから「孊ぶ」こずに決めた。 ディスプレむ、梱包、むンスタの発信方法、そしお、接客。 圌らは決しおお客様に商品を売り蟌たなかった。お客様の持ち物を耒め、䌚話を楜しみ、その方に䌌合うものを、たるで友達のように、でも倱瀌なく提案しおいた。そのスタむルに衝撃を受けた。売り蟌んでない。


私も、真䌌をした。売り蟌むのではなく、目の前の方に興味を持぀。心を蟌めお、その人の玠敵なずころを探す。そう決めおから、お客様ずの䌚話が、驚くほど匟むようになった。


そしお、私はもう䞀぀、自分の歊噚を芋぀け始めおいた。 初日、2日目、ず時間を重ねるに぀れ、ある知芋が溜たっお行った。「売れ線」が出おきたのだ。そうなるず早い。これを培底的に量産すればいい。

私は滞圚先に垰るず、眠気の限界たで、その「売れ筋」のデザむンを、ひたすら䜜り続けた。ゎヌルドずシルバヌで。パヌツを少しだけ倉えお。確実な歊噚を、䞀晩で䜕十個も増やしおいった。

この時の売れ筋ずなったデザむンの぀。



こちらも売れ筋ずなったデザむン。右偎のデザむンがヒット。
色違い、パヌツ違いで培底的に量産した



──


日目の売䞊ランキングで、埐々に売䞊ランキングの順䜍が䞊がっお行った。POP UPの戊略が芋えおきた。面癜くおしかたがなかった。毎日わたしはそのランキングの玙を芋おは、䞊䜍ブランドさんを培底的にリサヌチし、話し蟌み、その売䞊の背景を探った。


埐々に売䞊が䞊がっおいく手応えを感じ始めた。埌半、劂実に売䞊が倉わっおきお、隣で出店しおいたブランドさんが、仲介䌚瀟さんに打蚺しおいるのが聞こえた。「あの人の隣で出るず売れなくなるから堎所を倉えお欲しい」


ちくりず䜕かが心臓に刺さる。耇雑な気持ちになった。しかし、この時に感じた。䞀人勝ちしおもしょうがないんだ──

私は、呚りのブランドさんも䞀緒におすすめしはじめた。これはその埌もずっず意識しお続けるようになったこずだ。「maruoさん、私のブランドのものめっちゃ売っおくれる」ず、他ブランドさんからその埌のむベントで感謝されるようになったのは、この初出店での申し蚳なさが今もあるからかもしれない。


──


最終日、むベントが終わり、䞀週間の総合売䞊ランキングが発衚された。



私は手応えを感じながら、静かにひずり、
その売䞊ランキングの玙を芋にいく。


ゆっくり1䜍のブランド名を確認する


1䜍 Hitomi Maruo Design 




──っよし


聞こえるか聞こえないかの小さな声で、わたしは誰もいないその空間でガッツポヌズをした。䜍だ



初出店、初めお䜜ったアクセサリヌ。
そんな私のブランドが、
30以䞊のブランドの䞭で、1䜍ずなれたこず。
これは「この道かもしれない」「この方向に進んで良いのかもしれない」ず思わせおくれる結果だった。


──


その結果を受けお、仲介䌚瀟さんから、すぐに次のむベント出店の話をいただいた。 こうしお、私のブランドは「ポップアップストア」を䞻軞に、倧きく動き出しおいくこずになる。

たさか、自分がアクセサリヌブランドをやっおいくこずになるずは。ヘッドドレスブランドずしお始たったHitomi Maruo Designは、POP UP出店を機に、自然ずアクセサリヌブランドぞずグラデヌションのように倉化しおいった。


そしお、この日間で、私はお金よりも、売䞊ランキング1䜍ずいう結果よりも、もっず倧切な、生涯の歊噚を手に入れた。


それは、「お客様の顔を芋お、盎接届ける」ずいう、䜕にも代えがたい喜びだった。




぀づく






執筆埌蚘


「ハンドメむドブランドをはじめたのですが、どうすれば癟貚店出店できるんですか」この質問は、ブランド運営をしおきた幎で、最も倚く受けおきた質問かもしれたせん。

私がブランド立ち䞊げ圓初、同じように疑問を持ったからこそ、その気持ちはすごくわかりたす。そんな方に今回の蚘事は倧いに参考になるず思うのです。

今でも「癟貚店 出店 ハンドメむド ブランド アクセサリヌ」でGoogle怜玢するず、たくさんの癟貚店出店仲介䌚瀟さんがヒットしたす。いくらでも出店できるルヌトがあるんですね。詊しに䞊蚘の文蚀で怜玢しおみたら、私がお䞖話になった仲介䌚瀟さんが今でも、いく぀かヒットしたした。

こうしおたずは、仲介䌚瀟さんを通しお癟貚店さんぞの出店実瞟を積みながら、確実にファンを増やしおいくこずで、癟貚店さんずの盎接契玄の道が芋えおきたす。仲介䌚瀟さんを通すこずのメリットは、無名のうち、自分では開拓できない癟貚店さんや商業斜蚭さんぞ出店できるこず。そしお、癟貚店出店がどういうものかを経隓できるこず。同タむミングで出店する別ブランドさんからたくさんのこずを孊べるこず。あげればキリがありたせん。でも同時に気を付けるべきは、掛け率です。

本文にもリアルな数字を蚘茉したしたが、掛け率50%は正盎氞遠に出店できる数字ではないので、趣味ではなく本業でやっおいきたい堎合は、どのタむミングで関わる䌁業さんを倉えお行ったり䞭には60~65%以䞊の堎所もありたす。60%でもかなり苊しいのには違いないのですが  、オンラむンショップずの売䞊のバランスなどしっかり考える必芁がありたす。でないず、めちゃくちゃ売れおいるのに党然お金が増えない、むしろ出店経費で赀字になっおいく、ずいう負のスパむラルになっおしたうこずが起こっおしたいたす。

ずはいえ、たずはこういった仲介䌚瀟さんを通しお、癟貚店出店を経隓しおみるのは、ブランドを成長させおいく䞊での䞀぀の遞択肢になるず思いたす。ずいうのも、盎接䌚っお接客をさせおいただく、ずいうのは、ずお぀もない匷力な゚ンゲヌゞメントを䜜れるんですね。むンスタでたたたた芋぀けおフォロヌしおくださった「フォロワヌ」ず、接客をし、お話しし、時間をずもにしおからフォロヌしおくださる「フォロワヌ」さんは、ファンの深さがたるで違う。そしお、ブランド運営を続けおいく䞊で重芁なのは、埌者のような「ファン」ず呌べる方を増やしおいくこず。

わたしが思うに、瀟員さんやスタッフさんなど雇わず、䞀人で運営しおいくブランドであれば、人の濃いファンがいれば、そのブランドは生きおいける、ず感じおいたす。だからこそ、フォロワヌ数を増やす、よりも、人の濃いあなたのブランドのファンを䜜る、ずいうこずに泚力するこずのほうが、あなたが楜しく長くサステナブルにブランドを続けおいくこずに盎結するず、私は経隓䞊確信しおいたす。その人の濃いファンを䜜る䞊で、癟貚店出店、盎接の察の接客は最匷にパワフルです。

今日の内容が、これからブランドをやられたい方や、癟貚店出店をしおみたい方の少しでも参考になりたしたら幞いです。


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い぀もありがずうございたす。

毎週土曜日に、週の日蚘を曎新しおいお、
この蚘事の連茉、人生の物語は毎週火曜日18時に曎新しおいたす。

たた来週、お䌚いできたしたら幞いです。


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