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宇宙兄弟両親

名作マンガ『宇宙兄弟』が完結したことが、大きな話題になっている。
note内でも。
僕も愛読者の一人だ。
熱烈な読者の皆さんが、語れども語り尽くせないというカロリーで書いてある記事も、とても楽しく読ませてもらっている。

18年間の長期連載中、全く読者を飽きさせない、ストーリー展開。
魅力的な主人公の兄弟と、それぞれの人生の深みを見せてくれるすべての登場人物の造形。
人生の様々な場面で思い出す、心に刺さる名セリフの数々、言葉の切れ味。
宇宙や工学の素人でも知的好奇心を揺さぶられる学びの要素。

僕が最終巻を読んで、特に印象深かったのが、主人公たちの両親だ。
僕自身の娘たちが、ここ数年、高校を卒業して一人暮らしを始めたり、県外で社会人生活をスタートしたりして、里帰りを首を長くして待つ親の気持ちが痛いほどわかる。
『宇宙兄弟』も親目線で改めて読み返してみた。

主人公である兄弟の両親は、超絶優秀な宇宙飛行士の親とは思えない、とぼけたキャラクターとして描かれている。
宇宙を巡る緊迫した場面の合い間に、ちょっと読者を脱力させる重要な役どころだ。
父親は、シュールで一見何を考えているか分からない松重豊みたいだ。
母親は、天真爛漫の権化、林家パー子に見える。

親子のストレートな感情のやり取りの描写は多くはないが、その飄々とした親子関係の中で、宇宙兄弟が育った理由が納得できる。
ああ、きっとそういう人間に育つよなと合点がいく。

愛する息子が、二人そろって人生と命そのものをかけて、宇宙を目指し、地球を出て行ってしまうのだ。
親として、怖くないわけがない。寂しくないわけがない。
それでも、息子たちの夢を全力で肯定し、彼らの人生を邪魔せず見守る、そのぶれない哲学と距離感に、同じ親としてはっとさせられる。


だいぶスケール観は違うが、僕が20代で家族に相談もなく、突然南米で働くと報告した時、両親は一切反対も質問もせず、「お前が選んだ生き方なら、気をつけて行ってきなさい」と送り出してくれた。

もし、うちの娘たちが、「次の月探査ミッションのクルーに選ばれたから宇宙に行ってくる」と言ったら、僕と妻はどんな顔をするだろう。
宇宙どころか、隣県に出ていかれただけでしょんぼりしている僕たちは、
「宇宙姉妹両親」にはなれそうもない。

#宇宙兄弟

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