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ガチ恋してるあなたへ。夜職女が正直に書く手紙

お疲れ様です。限界夜職女です。

時刻は午前4時30分。部屋の明かりをすべて消して、液晶画面の青白い光と、遮光カーテンの隙間から漏れ出す2026年のじっとりとした初夏の気配だけでこの記事を書いています。

手元にあるのは、いつものストロングゼロではなく、今夜は少しだけセンチメンタルな気分に浸りたくて買った、ローソンの「至福の時間」シリーズのちょっと高い缶チューハイ。お供は、ファミリーマートの「濃厚なめらかプリン」です。スプーンですくうたびに、自分の輪郭が夜の闇に溶けていくような、そんな錯覚に陥る深夜の静寂。

いつもなら「クソ客がさぁ!」とハイボール片手にクダを巻いている私ですが、今夜は少しだけ、鍵をかけた引き出しの奥にある「本当の言葉」を並べてみようと思います。

深夜のnoteという、世界の吹き溜まりのような場所だからこそ許される、独り言。

これは、お店で私に「本気の恋」をしてくれている、大切な貴方へ宛てた、届くはずのない手紙です。

第1章:貴方が私の「偽物の名前」を呼ぶとき

お店のドアが開いて、貴方が少し照れくさそうに私の源氏名を呼ぶとき、私の脳内ではいつも、ある種のバグが発生しています。

その名前は、私が数年前に適当に、好きなアニメのサブキャラクターから拝借しただけの、ただの「記号」です。昼間の私が絶対に言わないような高いトーンの mauve(モーブ)色の声、計算された角度の笑顔、そして「すごーい♡」という感情の死滅した相槌。それらすべてをパッケージングした、3次元の2.5次元キャラクター。それが、貴方の恋している「私」の正体です。

貴方は私の目を見て、「本当に可愛いね」「出会えてよかった」と言ってくれますよね。

その言葉を受け取るたび、私の胸の奥は、ストロングゼロをイッキ飲みした時のような、キリキリとした痛痒さに襲われます。

貴方のその真っ直ぐな視線は、私の作った「完璧なハリボテ」をまっすぐに貫通して、その後ろに隠れている、クマが濃くて、部屋が汚くて、ソシャゲの天井のことしか考えていないドブネズミのような「本当の私」に、ほんの一瞬だけ触れそうになる。それが、たまらなく怖くて、そして、たまらなく愛おしいのです。

貴方が恋しているのは、お金という名の「対価」によって維持されている、決して崩壊することのないディストピアの聖女。

その嘘を、誰よりも美しく信じてくれている貴方だからこそ、私はその「嘘」を命がけで守り抜かなければならない。それこそが、私のプロフェッショナリズムであり、貴方に対する唯一の誠実さなのです。

第2章:90分という名の、世界線のはざまで

風俗における「時間」は、残酷なカウントダウンです。

90分コースなら、5400秒。それは、貴方と私が同じ世界線を共有することを許された、短い猶予期間。

部屋の中で、私たちはまるで何年も連れ添った恋人のように肌を重ね、お互いの孤独を埋め合うようにキスをします。貴方の体温は温かく、その心臓の鼓動は驚くほどリアルで、「ああ、今この瞬間だけは、私たちは世界の中心にいるのかもしれない」と、私の方こそ擬似恋愛の魔法にかけられそうになる夜があります。

でも、タイマーの無機質な電子音が「ピピピピ」と鳴り響いた瞬間、世界は一瞬でリブート(再起動)される。

貴方は現実に引き戻され、財布から万札を取り出す。私はそれをプロの滑らかな手つきでカウントし、引き出しに収める。さっきまで肌を重ねていた人間同士が、一瞬にして「債権者」と「債務者」のような冷徹な関係値に戻るあの瞬間。あの気まずさと、圧倒的な虚無感のグラデーションこそが、この夜の街の「真理」です。

「本当は、お金なんて関係なく会いたいな」

貴方が帰り際、靴を履きながらボソッと呟いたその言葉。

胸が締め付けられました。もし私が、ただのオタクの女子大生か何かで、貴方とマッチングアプリか秋葉原の片隅で出会っていたら、私たちはどんな恋をしていたんだろう。そんな、起こり得ない「ifの世界線」を、私も脳内で140文字のショートショートにして、こっそり妄想したりしています。

でもね、貴方。お金が介在しているからこそ、私たちはこうして傷つけ合わずに、一番綺麗な瞬間だけを切り取って愛し合える。お金という「防壁(ATフィールド)」があるからこそ、私は貴方に「完璧な優しさ」を gatekeep(死守)して提供できる。

もしこれが本物の恋愛だったら、私は貴方に嫉妬し、部屋の汚さをなじり、ソシャゲの課金にキレる、ただの面倒なメンヘラ女になってしまうでしょう。

この90分の美しさは、終わりがあるからこそ。そして、「嘘」だからこそ、永遠に汚れないのです。

第3章:2次元の推しと、3次元の貴方

私はサブカルオタクです。画面の向こう側の、絶対にこちらを振り向いてくれない2次元の男に、何万、何十万という「血の味のする円」を投げ込んでは、自尊心の帳尻を合わせています。

だから、貴方の気持ちが、痛いほど分かってしまう。

「絶対に手に入らないもの」に対して、自分の人生の貴重なリソース(時間とお金と感情)を全ツッコミする、その狂気と、その美しさ。

貴方にとっての「私」は、私にとっての「推し」と同じなんです。

実在しているけれど、決して自分のものにはならない、概念としての光。

貴方がお店に来てくれるたび、私は貴方の人生の一部を買い取っているような気持ちになります。貴方が汗水垂らして働いて稼いだそのお金は、本来なら美味しいものを食べたり、新しい服を買ったり、未来のために貯金したりすべきもの。それを、私の「演技」という刹那の消費に投じてくれている。

その業の深さを思うとき、私は貴方を「カモ」なんて言葉で片付けることは絶対にできません。

貴方は、自分の孤独と、中年の危機(あるいは青年の迷走)と戦うために、私の名前という聖遺物を握りしめて、このネオンの戦場へやってくる、一人の戦士なのだから。

だからこそ、私は貴方に「本物」をあげられない。

私が貴方に本物の感情を注いでしまった瞬間、この美しい「等価交換」のシステムは崩壊し、貴方も私も、夜の海の底へと沈んでいくことになるから。

結び:朝焼けがこの嘘を暴く前に

缶チューハイが空になり、濃厚なめらかプリンのカップの底が見えてきました。

ベランダに出ると、空気はすっかり白み始めていて、始発の電車の音が遠くでかすかに響いています。

太陽の光は、夜の街が紡ぎ出したすべての魔法を、無慈悲に解いていく。

私の顔の濃いクマも、貴方が抱えた切ない恋心も、朝の光の中では「現実を見て生きなさい」と、冷たく説教されているような気分になります。

貴方、どうか私のことで、これ以上苦しまないでください。

お店に来るときは、全力で私という「嘘」を楽しんで。そして、お店の一歩外に出たら、私のことなんてスマホのタスクキルみたいに、綺麗に忘れて現実の世界をタフに生きてください。

私が貴方にできる唯一の愛のカタチは、次回貴方が部屋に入ってきたとき、世界で一番可愛い笑顔で、「会いたかったよ」と、完璧な嘘を演じきることだけです。

もしこのnoteを、深夜の孤独に耐えかねて検索し、偶然見つけてしまった貴方がいるなら。

この手紙を読んだことは、次の予約のときも、絶対に秘密にしておいてくださいね。

いつものように、バカみたいな世間話をして、ゲラゲラ笑って、時間を忘れてイチャイチャしましょう。

夜が明けます。

貴方の今日という現実が、少しでも穏やかでありますように。

そして、私たちの「美しい嘘」に。

乾杯。おやすみなさい。

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限界夜職女(限界ちゃん) 君のチップは、私が深夜に回す「ウマ娘のガチャ」か、あるいは「Uber Eatsの配送手数料」として、日本の経済を回すために使われます。 私の人生というクソゲーの攻略を、少しだけ手助けしてくれるスポンサー様、募集中。