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なぜ、限界女子は「赤きサイクロン」を選んだのか

プシュッ。
深夜4時。ミナミの喧騒をすり抜け、1Kの自室に辿り着いた私の目に飛び込んできたのは、鏡に映るクマのひどい自分の顔……ではなく、モニターの中で輝く「MASTER」の文字。




どうも、「限界夜職女」です。

本日のお供は、もはや味がしないほど氷が溶けたハイボールと、深夜のセブンイレブンで奇跡的に生き残っていた「揚げ鶏」。これを片手に、私は今、かつてない達成感と、それ以上の「なぜこんなことになってしまったのか」という虚無感の狭間にいます。

格ゲー未経験だった私が、カプコンの最新作『ストリートファイター6』で、よりによってザンギエフという「歩く巨大な業」を使い、マスターランクまで登り詰めてしまった記録。それは、夜の街を生き抜く私の生存戦略と、驚くほどシンクロしていたのです。

なぜ、限界女子は「赤きサイクロン」を選んだのか
そもそも、私がなぜザンギエフなんていう、暑苦しいロシアの巨漢を選んだのか。

それは、彼が「究極のワンチャン・キャラ」だからです。
私たちの仕事もそう。何時間も不毛な愚痴を聞き続け、愛想笑いを振りまき、精神を削り倒した先に、たった一人の「SSR(太客)」を捕まえられるかどうかのギャンブル。

ザンギエフも同じ。弾を避け、ラッシュに耐え、ボコボコにされながら、たった一度の「スクリューパイルドライバー」で全てをひっくり返す。

「人生も格ゲーも、結局は懐(ふところ)に入って投げ飛ばしたもん勝ちなんですよ。」

夜職のスキルが活きた「深淵なる読み合い」
ザンギエフで勝つために必要なのは、高度なコンボ技術ではありません。

「相手の心をデバッグする能力」です。これが、夜職で鍛えられた私の「客ハック術」と完全に一致しました。

1. 「飛ばせて落とす」ではなく「待って吸い込む」

客(対戦相手)が何を考えているか。
「そろそろ指名(ジャンプ)してくるな」「ここで甘えたLINE(下段攻撃)を打ってくるな」。
相手の欲望が漏れ出た瞬間に、レバーを1回転。この「あ、こいつ今、隙を見せたな」という嗅覚は、指名本数を競う戦場で自然と培われたものでした。

2. 「 全力全開」という名の絶叫

ザンギエフのレベル3超必殺技。彼は叫びます。「 全力全開!」と。
深夜の店内で、酔っ払った客に「俺のこと好き?」と聞かれた時、心の中で「死ぬ気で指名しやがれ!」と叫びながら笑顔を作る、あの限界突破した情緒。

ザンギエフが空中で相手を抱えて回転している時、私はそこに、自分の削り取られた魂を投影していました。

マスターランクへの道:それは「精神的サバイバル」
プラチナ帯、ダイヤ帯……そこは、ケンやルークといった「イケメン・エリート」たちが闊歩する魔境でした。

彼らのスタイリッシュな攻撃に、私のザンギエフは何度も血反吐を吐きました。画面端でボコボコにされている時、私は思いました。
「これ、待機室で店長に詰められてる時と同じじゃん……」と。

それでも、私はレバーを回し続けました。
仕事で嫌なことがあった夜も、ガチ恋客から10,000字のポエムが届いた夜も、私はトレーニングモードに籠もりました。
「ドライブインパクト」を返せた瞬間だけ、私は自分がこのクソゲー(現実)の主導権を握っていると実感できたのです。

結局、私たちは何かを「投げたい」
ついにマスターランクに昇格した瞬間、私はハイボールを吹き出しました。
画面に並ぶ「MASTER」のロゴ。でも、私の部屋は相変わらず散らかっているし、明日の同伴の約束はキャンセルされたし、肌荒れはザンギエフの筋肉くらいゴツゴツしています。

「ランクが上がっても、人生のデバッグは終わらない。」

でも、一つだけ確かなことがあります。

ザンギエフという「不器用で、遅くて、でも一撃が重い男」を使いこなせたことで、私は少しだけ、自分のままならない人生を愛せるようになりました。

どれだけ効率が悪くても、どれだけ馬鹿にされても、近づいて掴んで投げればいい。

さて、最後の一口を飲み干しました。
明日もまた、歌舞伎町のリングに上がります。

客の心を「吸い込み」、現実に「スクリュー」を叩き込むために。

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