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【18】第2章-第4話        「57歳、初めて請求書を作成しました」

57歳になっても、人生には「初めて」がありました。
その一歩は小さくても、私にとっては未来へ踏み出す大きな一歩でした。
今日は、そんな忘れられない一日のお話です。

本日も訪問日。
ワイシャツに袖を通し、
スラックスを履いて鏡の前に立ちました。

「やっぱり、この感じが好きだな。」
自然と背筋が伸び、気持ちのスイッチが入ります。

今回で3回目の訪問。
最初の頃の緊張は少し和らいできましたが、
過去2回の出来事を思い返しながら会社へ向かいました。

いつものように、
お気に入りの音楽を聴きながら車を走らせます。
この日のスタートは松田聖子さん。

久しぶりに聴く曲の中で、
「フレッシュ」という言葉を何度も繰り返すフレーズが、
なぜか心に残りました。

これまで何度も聴いてきた曲なのに、
不思議です。
その瞬間、ふと気づきました。

同じ景色でも、
その日の心の状態によって見え方が変わるように、

音楽もまた、
自分の心の状態によって聴こえ方が変わるのだと。

「今日の自分は、整えている。」

そんなことを感じながら、会社へ到着しました。

会社に着くと、
いつものように温かく迎えていただき、
2階の会議室へ案内されました。

机の上には、前任者が使用していた
ノートパソコンが置かれていました。

「何か引き継げるデータが残っているかもしれない。」

そんな期待を胸に電源を入れ、
一つひとつ確認していきました。

しかし――
残っていたデータは、ほぼゼロ。

この日は社長も部長も不在だったため、
関係書類を見ながら一人で現状を整理していきます。

幸い、以前の会社で私自身が作成していた帳票類のひな形は、
自宅のパソコンに保存してあったのでなんとかできそうですが
それでも、ここまで何も残っていないとは思いませんでした。

まるで、以前の会社で運行管理部門を
ゼロから立ち上げた頃に戻ったような感覚です。

「これは時間がかかる。」

そう覚悟を決め、
一歩ずつできることを進めていきました。

夕方になり、ようやく部長が戻って来られました。

「すまん、すまん! ほったらかしで申し訳ない。」

私は、パソコン内に必要なデータが
何も残っていなかったこと、

そして形になるまでには時間が
必要であることを正直にお伝えしました。

すると部長は、
「時間がかかっても大丈夫です。お願いします。」
そう言ってくださいました。

その後、戻ってきた社長からも、
「どうですか?」
と声を掛けられました。

現場は決して順風満帆ではありません。
でも、それもまた現実。

そんなリアルな会社再建プロジェクトの
3回目が終わりました。

帰り際、社長から一言。
「当社は月末締め、20日振込なので、
今月分の請求書をお願いします。」

帰宅後、パソコンを開き、
請求書を作成しました。

2日間、合計9時間。
交通費込みで 13,500円。

そして、「送信」ボタンをクリック。
これが、私の人生初の副業請求書です。

金額の大きさではありません。

57歳になって初めて、自分の経験や知識に対して
請求書を作る日が来るとは思ってもいませんでした。

画面を見つめながら、小さく笑みがこぼれました。

「また一つ、新しい経験が増えたな。」

なんやかんやと大変なスタートですが、
これも何かのご縁。

30年以上積み重ねてきた経験が、
形を変えて今の自分を支えてくれています。

正業があり、家庭があり、
そして新たに始まった副業。

忙しくはなりますが、
不思議と心は前向きです。

目の前で起こる出来事は、
偶然ではなく必然。

一日一日を大切に積み重ね、
その時にできるベストを尽くしていけば、
きっと未来につながっていく。

そう信じながら、
私は今日も第二の人生を一歩ずつ歩いています。



この物語は、まだ終わりではありません。
会社再建プロジェクトは、現在も進行中です。
月に2〜3回の訪問を重ねながら、
その時々に感じたことや学んだことを、

月に一度のペースで綴っていけたらと思っています。
引き続き、温かく見守っていただけると嬉しいです。




P.S.

最近、毎日のようにnoteで素敵な記事と出会い、
たくさんの気づきや学びをいただいています。
そして、記事を通して生まれるコメントでのやり取り。

何気ない一言に励まされたり、
新しい視点を教えていただいたり、
時には思わず笑顔になったり。

57歳になった今、こんなにも人とのつながりを
感じられる場所に出会えたことを、
とても幸せに思っています。

おかげさまで、現在のモチベーションはMAX!(笑)

正業、家庭、副業、そしてこのnote。

忙しい毎日ですが、
どれも今の私にとって大切な時間です。

これからも、一つひとつのご縁を大切にしながら、
自分らしく、一歩ずつ歩んでいきます。

いつも最後までお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。

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