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maki_obata556
詩 潤いのある森
雨上がりの森を、散策していたときのことだった。
周囲はあまりにも静かで、響いてくるのはかすかな、雫が落ちる音だけだった。
周囲は霧で包まれていて、視界が少しぼやけているものの、ポタポタと落ちる雫の音だけは、はっきりしている。
もう日が落ちようとする頃であり、茂った枝葉の緑は影で覆われ、森はすでに暗い。
落ち着いて空気を吸ってみると、潤いのある空気が沁みてくる。
さらに、空気中に苔むしたような匂いが混じっていて、匂いから緑の精力が感じられる。
地面の土は雨によって少しぬかるんでいて、その匂いからは少し、土の予感も感じられる。
緑と、土と、水の要素が一体化した匂いを吸い込みながら、雫がポタポタと落ちる響きを聞いていると、静けさの中では一層、潤いの豊かさを感じられる。
雨の日はどんよりとしているが、潤いの豊かさだってある。
空気から、響きから、それを感じられる。
雨に日には、どんよりとした雲行きを見て暗い気分にならずに、雨の日特有の豊潤さを感じ取って、雨そのものを楽しみたい。
