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詩 凍れる彫刻

 池の中で、睡蓮が咲いている。

白を基調とした鋭い花弁の側面に、紅い筋が薄く走っていて、その紅が一層、花全体を麗しく仕立て上げる。

この鋭い花弁の先が空に向かって突き立つ姿を眺めていると、これが非常に精密な彫刻のように思えて、凍えそうになる。

この花弁の、鋭利さと、繊細さから、何か凍れる予感を感じられて、その寒気の中には、麗しい、という印象が混じっている。

幼少期に見た、薩摩切子の器の鋭い刺繍を、思い出す。

あの、透明でありながらも怜悧で鋭い刺繍が、この睡蓮の花全体で、生命の輪郭として蘇り、自分に対して今、寒気を突きつけているのかもしれない。

もしもこの睡蓮を、コップにしてみたら、どうなるのだろうか。

透明な睡蓮のコップに、氷を入れて真水を注ぎ、飲み干したら、どうなるだろうか。

鋭い透明なコップの中で、氷がカランカランと音を立てながら揺れ動き、真水が喉元を通る度に、氷の音と、コップの怜悧な形象が、寒気を催す凍れるものとして、自分の感覚に沁みてくる。

そんな空想を膨らませることで、自分は、凍れる麗しさを全身に漲らせる想像をする。

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