ワイエスの水彩画
静謐な時間が流れている。
アメリカの海沿いの家、
煙突から煙が出ている。
朝食が作られている、
見えない人の気配。
アンドリュー・ワイエス、
20世紀を生きた画家。
鉛筆と水彩とテンペラ、
光と影だけのシンプルな絵。
風景画なのに感情が漂う。
「オルソンの家」「海からの風」
「クリスチーナ・オルソン」」
「表戸の階段に座るアルヴァロ」
「屋根窓」「海からの風」「ぼろ袋」
「灯台」「ケネットの集会所」……。
割れた窓硝子に突っ込まれた
青いぼろ布が妙に悲しい。
棲む人が老いるとともに
ゆっくりと朽ちていく家。
ワイエスの無常と死生観。
白と黒だけのような絵が
これほどの力を持つとは。
那須の山の洋風の家を
こんなふうに描いてみたい。
そっと静かにそよぐ風を。
*東京都美術館で催されていたアンドリュー・ワイズ展の最終日に伺うことができました。この展覧会のことはhttps://wyeth2026.jp/。詩にある絵もサンプルで見られるものもあります。
