ep.5北海道を出ると決めた日
こんにちは、ほぬです。
読みにきてくださった方、フォローしてくださった方、
本当にありがとうございます。
前回、何度も繰り返した告白と、その度に返ってきた同じような言葉について書きました。
今日は、この二年間の物語のいちばん大きな転換点、
「北海道を出る」と決めた日のことを書きます。
決めたのは、ある日突然、というわけではありませんでした。
何度目かの告白のあと、心の中で少しずつ何かが擦り減っていくのを感じていた、という話を前回書きました。その擦り減りは、ある日を境にはっきりとした「限界」に変わりました。
きっかけは、些細なことでした。彼が、どこかで知り合った女性の話を、いつもよりほんの少しだけ楽しそうにしている。それだけのことです。何かがあったわけでも、確かめたわけでもありません。ただ、その様子を見た瞬間、頭の中が真っ白になりました。
もし彼が誰かを好きになったら、私はどんな顔で、隣にいればいいんだろう。
その問いが浮かんだ瞬間、これまで飲み込み続けてきたものが、一気に溢れてくる感覚がありました。
*
その夜、家に帰ってから、私はずっと考えていました。
このままここにいたら、私はきっと、彼が誰かと幸せになっていく過程を、一番近い場所で見続けることになる。バディとして、味方として、笑顔で応援する役目を、これからもずっと引き受け続けることになる。
それができるほど、自分は強くないと思いました。
同時に、こうも思いました。
もし今、この場所を離れなかったら、私はきっとこの先何年も、同じことを繰り返してしまう。告白しては、境界線を確認して、傷ついて、それでもまた隣にいることを選ぶ。そのループから、自分の意思で抜け出さなければ、一生抜け出せない気がしました。
*
北海道を出る、と決めたのは、彼への当てつけでも、逃げでもありませんでした。
自分の気持ちに、ようやく正直になった結果です。
でも彼のことを嫌いになれたわけでも、諦めがついたわけでもなかったのは事実です。ただ、これ以上この場所で、この関係を続けていくことが、自分にとって健全ではないと、はっきり認められた。
そう思って、自分に対してこの選択を
「正しかったと思えるように前を向く」
と覚悟を決めました。
会社に退職の相談をしたとき、上司には驚かれました。同僚にも、先輩方にも、理由を聞かれました。全部には答えられませんでしたが、「地元に戻って、新しい環境で頑張りたい」というのは、嘘ではありませんでした。
彼に直接、理由を伝えたかどうか。
正直に言うと、はっきりとは伝えていません。「地元に帰るタイミングが来た」というくらいの表現で、正直には言えませんでした。
まぁでも、きっとその人も気付いていたと思います。
それでも、最後に彼が「寂しくなるな」と言ったとき、少しだけ救われた気がしました。バディとしてでも、彼にとって私が特別な存在だったことは、たぶん本当だったんだと思えたからです。
最後に一目、会えたあの時間。
そわそわしていたあの人の姿。
泣きそうだけど一生懸命堪えていた目。
今この文字を書きながら、鮮明に思い出せるほど覚えています。
北海道を出る日、空港に向かう車の中から見た景色は、すごく綺麗でした。空の上から眺めるまだ大雪が積もった土地は、涙で滲んでいました。それでも大好きな場所で、大好きな人と出会えた街。
私を成長させてくれた数年間でした。
大雪の街で始まった恋の経験は、大雪の街を出る決断で、ひとつの区切りを迎えました。確かに、自分の意思で選んだ終わり方でした。
改めて言います。
私は今、この選択を後悔はしていません。
むしろ感謝しています。
次回は、この経験を経て、今の私が、
「片想い中のあなた」に伝えたいこと を書きます。
このシリーズの、ひとまずの締めくくりです。
よかったら、また読みにきてください。
今日も最後まで読んでくださった方、ありがとうございました♡
ぜひフォローもお待ちしています。

