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第四章 美容室開店から3年

美容室を開店して3年。順調に業績を伸ばし、借金を返済できるだけの貯蓄もできました。

当時、バブルが崩壊し、居抜きの美容室が近所に出没し始めていました。「男、27歳、城を持つ」という言葉が頭から離れなくなり、悶々としていました。今思えばまだ価格が少し下がった程度の時期で、現在の5倍ほどの値段だったのですが。

3年で実績もでき、頭金を十分に払える貯蓄もあったので、試しに銀行へ行ってみました。最初はあれほど苦労した銀行が、今回はあっさりと貸してくれるとのこと。若さゆえ、最初の店舗の支払いが終わらないうちに新たな借金をして「城」を築くことになります。今思えばやはり無謀でした。

今回の店舗は2階建てで、事務所と美容室を併設して建設しました。作り上げるまでは楽しい時間でしたが、新たに開店して返済が始まると、自分の給与は半分以下になり、貯蓄もできない状態に。やはり若さゆえの無謀でした。

ただ、仕事自体は順調に伸びていたので、毎日が戦争のような日々でした。当時の社員から「お昼に食事ができる予約体制にしてほしい」と懇願されるほどでした。お客様と向き合うと食事も忘れて仕事に打ち込んでしまう。若かったからこそできたことで、スタッフも皆20代で、楽しい思い出しかありません。

悩みといえば資金繰りでした。先輩経営者からは「テナントを借りて経営したほうが利益が出て後が楽だぞ」と聞かされていたこともあり、早く城を持ったがゆえに経理には随分悩まされました。

返済後のキャッシュフローがない状態でも、返済分は利益とみなされて納税が発生します。しかし手元に現金はない。特に返済が終わりに近づくと元金の支払いが多くなり、経費にならないのです。良い勉強になりました。34歳まで独身だったため、自分の給与をすべて会社につぎ込むことができ、何とか回っていました。開業から10年、経験値は上がりましたが、無駄も多い時期でした。

「20代は無駄が必要」——これが私の持論です。

開業して3年、事業が順調に進んだ場合、そこからが勝負です。どれだけ未来への準備ができるかで、20年後に大きな差が出ます。私は城の代金を15年かけて返済しました。返済が終わるまではキャッシュフローに悩みましたが、返済後は資産と信用を得ることができました。

「若いうちは形に残る借金を」——これも私の持論です。お金を生まないものにはお金をかけないことです。

そして30歳、いよいよ東京進出へ。ここからが大変でした。

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