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命よりも信義を貫く──本多平八郎忠勝に学ぶ「ぶれない生き様」

「あの人は“筋の通った頑固者”やな。」
デイサービスの歴史講座で本多平八郎忠勝(ほんだ へいはちろう ただかつ)の話をしたとき、
ある利用者さんがにこやかにそう言いました。
するとすぐに、
「でも、そういう人がおると安心やねぇ」と別の方が続き、
場がふわっと温かい笑いに包まれました。

戦国の名将・本多忠勝。
徳川家康に最初から最後まで仕え、57戦して一度も傷を負わなかった男
彼の強さは、剣の腕前だけではなく、
どんな時でも主君への“信義”を貫いた「ぶれない心」にありました。


1. 「家康とともに生き、家康とともに死す」──忠義の象徴

本多忠勝は、若くして家康のもとに仕えました。
その初陣はわずか15歳。
槍を振るう姿の美しさと冷静な判断力から、
織田信長さえもこう評したと伝わります。

「花も実もある武将、それが本多平八郎。」

忠勝の愛槍「蜻蛉切(とんぼきり)」は、飛んできたトンボが刃に当たって真っ二つになったほど鋭利だったという逸話も残ります。

しかし、彼の真の魅力は“戦場の強さ”よりも、
主君・家康を支える忠義の深さにありました。
どんな苦境の中でも、家康を疑わず、
苦言も呈しながら常に正道を歩む。
それは、ただの忠誠ではなく、“信頼関係”そのものでした。


2. 講座のリアル:「筋を通す人って、かっこええね」

この話をすると、参加者の皆さんから必ず出るのがこの一言。
「筋を通す人って、かっこええね。」

ある男性の利用者さんが言いました。
「わしも昔、職場で上司に気に入られようとせんと、言うべきことは言うてた。
そやけど、後になって“あんたが一番信頼できた”って言われてな。」

私はうなずきながら、こう返しました。
「それ、まさに本多忠勝ですよ。周りに合わせるより、自分の正義を貫く人。
そういう人こそ、最後に尊敬されるんです。」

その言葉に、会場中の顔がぱっと明るくなりました。
本多忠勝の話には、「正直に生きること」への勇気が宿っているのです。


3. 「強さとは、心の静けさ」──本多忠勝に学ぶ“信義の生き方”

忠勝の強さは、ただの“戦場の勝率”ではありません。
怒らず、慌てず、焦らず。
どんな時も“静かに正しい選択”ができたこと。

介護や職場の現場でも、似た場面があります。
トラブルが起きても、感情的にならず、
「今、自分が守るべきものは何か」を見極める人。
そんな人がいるだけで、チームは安定します。

忠勝が戦で守ったのは、家康だけではなく、
“仲間の命”と“誇り”でした。

今日の学びの3つのヒント

  • 正義は、声を張り上げずとも、行動で伝わる。

  • 信頼は、派手な結果より「一貫した姿勢」から生まれる。

  • 強さとは、心を乱さずに「守るものを見失わない」こと。


本多忠勝の生涯は、派手ではなく、誠実そのもの。
勝ち負けにこだわらず、“筋を通して生きる”という一本の道を貫きました。
戦国の荒波の中でさえ、
彼は静かに、揺るがず、己の信義に従い続けたのです。

あなたが今日、守りたい“信義”はなんですか?
小さなことでもいい。
約束を守る、誰かを思う、信頼に応える――
それが、現代の「本多忠勝の生き方」なのかもしれません。

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