お財布が里帰りして友達を連れて帰ってきた。
いちまいの革を丁寧に染める。
色の入り方を確かめ、
もとめられる色をつくりだす。
革と対話し、どこを活かすかを決めていく。
ひとつの作品を決める作業。
丁寧に裁断した革に、装飾を施す。
ただひとりのために。
想像する。
そのとき彼の表情は、真剣。
穴を開ける。糸を通す。
重なり合う革。真鍮のボタン。
レザークラフト作家・蒼広樹氏にオーダーしたウォレットがとても使いやすい。
実はこれ、現在Web店舗で展開している商品ではない。蒼さん御本人が以前、自分用の財布として作成し、記事に載せていたものである。コロナ禍以前から愛用していた財布が劣化してきたので、新しいものを買わなければと考えたとき、すぐに考えたのが蒼さんへオーダーすることだった。
蒼さんの記事には時々ご自身の作品が紹介されている。おサイフも載ってるはずと思い記事を遡ると、あったあった。しかも大きな財布の重さにうんざりしていたわたし好みの片手サイズ。しかも蒼さんが実際に使いながら改良点まで書いている。
これ、すっごく欲しいんですけど……!
5月末。すぐに蒼さんに連絡した。彼には別の小物をオーダーすることになっていたが、急遽おサイフに変更させていただく。それも、彼自身が使っていたおサイフに。すぐに返事が来た。この財布ですねと写真付きで、快諾してくれた。色やこだわりポイントなどのやりとりをしながら、だんだんと「作品」が形になっていく。
おサイフの形が決まったら、次は色をどうするか。極夜の色《縹》にするか、黄みがかった緑も捨てがたい。聞くと、ちょうどわたしの好みの染料を入手したとのことで、染色したらお見せしますと。そうして美しい若草色《萌黄》の濃さを確認させていただいた。
色も決まり、わたしからの要望はふたつ。
・蒼さんの持っているものと色違い
・蒼さんの作品とわかるようにステンシルか刻印を
制作に入ってから1週間後、
「完成しました」
そしてわたしの元へおサイフが届いた。
蒼さんによると、お財布は牛のヌメ革を染色して加工。 染色しないとベージュっぽい色で、使い込むと茶色く経年変化するのだそう。
蒼さんの他のウォレット同様、内側にVA CRAFT のステンシルが施されている。

小さめだが見た目以上のカード収納力。
中身を取り出すときも中身が誤って滑り落ちる心配なし。

普通の二つ折りサイズのおサイフ同様に横からお札をそのまま収納できる。

小銭入れ愛用のためコインケース部は小さくてOKと思っていたが……
思った以上に入ってしまう事が判明。これはこれで助かる!

コバも丁寧に磨かれており、肌触りがとてもやさしい。

購入後使用中に蒼さんから「どうしても直したい部分があります」という連絡が。いちど彼の手に戻り、再びわたしの手許にやってきたときに、なにやら可愛らしい肉球がふたつ、添えられていた。
なんとおサイフと同色同素材のコードクリップ!

さっそくこんなところにつけてみた。

・・・という話を蒼さんにしたら、「外れてなくしちゃったことがあります」というお話が!あわてて安全な場所に移した次第。
蒼さんの作品なら、今こちらもアツい。
10/25(日) #なんのはなしですか 大阪フェスで、レザークラフト出店!
当日はお財布と名刺入れメイン。この日彼に直接お会いして、作品を実際に手にとっていただきたい。下記リンクに詳細あり。クリックしてみて。
勿論わたしも現地入りの予定。
もうひとつ、蒼さんが今準備しているのが、こちらのクラファンのリターンである革ポーチだ。上記フェス開催のためのクラファンである。
既に目標は達成しているが、引き続き8月31日まで支援を受け付けている。
そのリターンのポーチがこれ。

蒼さんに訊いたところ、このポーチには豚の床革を使用しているとのこと。ブックカバーと同じ材質。こちらも丁寧な作りで、ファスナーの部分が特に信頼できる。ボールペンが縦にも横にも入るのが魅力。今回のクラファンでわたしは二個目の彼のポーチをゲット。

1年前に蒼さんの革のブックカバーを手にしたときの、あの胸の高鳴りを今も覚えています。
「差し支えなければ、カバーをどんな本にかけるのか、教えていただけますか」
蒼さんは、初めてのオーダーの際、そう訊いてきたのでした。わたしはこう返信しました。
「これからの人生をともにする大切な1冊に」
手許に届いた限定品のカバーには、名入れというサプライズが施されていました。
美しく丁寧なつくりと肌に馴染む質感、そして嬉しいサプライズにいてもたってもいられませんでした。ブックカバーは本にかけてこそブックカバーです。さっそく、人生をともにする本に装着し、次の瞬間わたしは本に、いえブックカバーに頬ずりをしていました。怪しいでしょうか。笑。この日以来、わたしは蒼広樹というひとりのレザー職人のファンとなりました。
VAcraft のリピーターになり数点のブックカバーをオーダーしながら、この丁寧な仕事をする蒼広樹氏に一度お会いしてみたいと思うようになりました。機会は訪れました。2月、横浜でのZINEフェス会場にて、ブースでやはり初めてお会いしたコニシさんとマイトンさんが、場内にいるはずの蒼さんを呼び出してくれたのです。人見知りの自分が、蒼さんと初めて会ったとは思えないくらい自然にお話できました。天気の良い会場の外でデッキに座り、のんびりトークタイム。わたしはこの日のことを忘れられません。

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