小学生男子みたいな既婚者 #4
ボディタッチはどこまで許される?
仕事中。他部署との連携が必要な案件に遭遇した。
一旦ヘッドセットを外して、Teamsで担当部署へメッセージを打つ。
先に必要な処理を終えて、数分間返信を待っていると、突然、背後からデスクチェアに振動が走った。
──?!?!
そんな事をする人は一人くらいしか居ないのだが、それでも、座っているイスが突然前触れもなく揺さぶられたら、誰だって驚くだろう。
見上げるとやはり、既婚者の彼が笑みを浮かべて私を見下ろしている。毎度のように「なに?!びっくりしたぁ」と大袈裟に言ってみせると、『地震。』と彼。
さすがに訳が分からず「何やってんのもうっ!!」と思わず彼の腕を軽く叩いてしまった。ボディタッチというよりは、呆れた意味合いが強い。
すると、
『いや地震ほんとにあったんだって』
彼が指さしたテレビ画面には、確かに地震速報が流れている。「え、ほんとだぁ・・・」
さすがに大人しく納得した。
それから「今ね、・・・」と私が抱えていた案件を軽く説明していると、Teamsにて他部署からの返答が届いた。
「あっ、見て!返事きた!!」
『おっ、じゃあこの返信と地震の衝撃が同時に来たわけか』
はい、仰る通りです。
『これ(Teams)は任せるわよろぴく!って返して、この作成依頼作って飛ばしていいんじゃない?』
「これをこうして・・・りょうかいでーす!」
PCを操作する私。彼の指示は常に的確だ。
『え、☆※@たの気づいた?』
「えっ?(誰かが)居たの?」
『☆※@たの気づいた?』
身長差40cm。
座ったままの私は座高が低くてうまく聞き取れない。
少しだけ彼に顔を近づけた。
「えっ、なになに?」
なかなか聞き取れない私に一瞬笑いをこらえて目を逸らす彼。
『(本家の地震で)揺れたの気づいた?』
「あぁ、揺れたの?いや、全然・・・」
そんな会話を交わしてたあと、彼は他のオペレーターに呼ばれてどこかへ去っていった。和やかな雰囲気で。
ちょっと、あの、確認なんですけど、既婚者ですよね?
前に好きぴに『邪魔だ』って言われて椅子ごと動かされたことはあったけど、今回はまさかの揺さぶり。でも、業務中のこういうやり取りの積み重ねで、好きぴとは深い仲になっていった。
既婚者男性って、どこまで周りの女の人に手を出すんだろう。
私が知る限り、こんな風に絡んでくる既婚者、初めてなのだが。やはり彼も相当人を弄ぶタイプなのか・・・はたまたきちっとオンオフの線引きが出来る人なのか・・・恐らく後者かな。
心を許した相手にはつい手が出てしまって、触れてしまう癖がある。もちろん性的な触れ方ではなくて、「ちょっと、冗談やめてよ!」とふざけて触れる類のボディタッチではあるものの、こういうのって、大抵誤解されて指摘されるのって女側なんだよね。ちょっかい出してくるのって男側なのにさ。
でもって今回、私は安心しきっている。
なぜなら相手が既婚者だから(矛盾)
もともとオタク気質の私には、一方通行のやり取りが向いている。私に既婚者を揺るがす程の魅力はないし、あくまでも職場だけのやり取りに過ぎない。"何をやってもなびかない"が前提だからこそ、つい手が出てしまう。これ逆に、独身男性にやってしまうと、厄介事になる。
それに、私に触れられて嫌なら、わざわざ話しかけにも来ないはずだよね?ということは、私からのボディタッチは受け入れられているのか・・・🤔とりあえず、友達か妹的存在として認めてくれていることは間違いないらしい。
私が本気にならないようにだけ、気をつけねば。
もちろん彼の家庭を壊すつもりは全くないし、彼はきっと取り合わないだろう。
前回の好きぴの にのまえ にならないように。
もう傷つきたくないし。
あくまでも「仲がいい人」のラインを超えないように、今を楽しみたい。
