【HR World Summit 2026】AI時代、HRはどう再定義されるのか?ヒントを探しに欧州最大規模のHRカンファレンスへ
昨年10月にシンガポールで開催された「Future of Work APAC」に参加をしてから約半年。
「Future of Work APAC」では、激動の時代において、「リーダーシップのあり方はどう変わるべきか」や「組織文化という『土壌』をいかに耕すべきか」。HumanDrivenが大切にしてきた思想を改めて言語化し、その本質を深く問い直す貴重な機会となりました。
そして2026年5月。新たな知見を求めて、ポルトガルで開催される「HR World Summit 2026」への参加を決めました。
この記事では、出発を前にした参加への期待と、現地から何を持ち帰り、日本の組織へと繋いでいきたいのかを記しておきたいと思います。
なぜ、海外へ、欧州へ出向くのか?
今回、私が海外のカンファレンスへと向かう背景には、大前提としてAIの急速な進化があります。テクノロジーの発展により、これまでにない業務効率化や創造的な活用ができるようになるなど、日々体感する進化に大きなワクワクを感じる一方で、強い危機感も抱いています。
私たちHumanDrivenは、「組織文化を耕す会社」としてクライアント企業の組織変革や組織開発に携わっています。
しかし、現代では人事領域のフレームワークやベストプラクティスといった過去の情報はネットに溢れ、さらにはAIによって、自社に適した形をある程度まで導き出せるようにもなりました。
この事実は、私たちが今、真っ向から向き合うべき現実です。
では、AI時代において私たちの介在価値はどこにあるのか。
それは、激変する時代に急速に変わっていく「正解のない問い」に対して、最先端の事例や考え方、生々しい失敗談を「一次情報」としてどれだけ持っていられる集団になれるか。
そして、その場でしか感じられない温度感や、身体知をもって、クライアントや社会に対して自分たちの意志を表現することができるか。
この2つが重要だと考えています。
AIはインターネット上の情報を集約・編集し、問いに対する最適解を提示してくれます。しかし、あらゆる企業に適応できる正解など存在しないのです。100社あれば100通りの最適解がある。その糸口をともに見出していくパートナーの存在は、この時代だからこそ、逆説的に価値が高まっていくはずです。
そしてもう一つ、あえて「欧州」を選んだことにも理由があります。
HRに限らず、ビジネスにおける最先端といえばアメリカシリコンバレーを想起しがちですが、直面している課題の性質を考えると、実は欧州の方が日本との共通テーマが多いのではないかと感じています。
「解雇が容易ではない環境」での組織変革
労働者保護が手厚い欧州では、「今いる社員をいかにリスキリングし、新たな役割へシフトさせるか」が変革の主戦場です。これは、終身雇用の文化を持ちながら変化を迫られる日本企業にとって、最も実践的なお手本になります。
「人間中心」と「生産性」の両立
効率化以上に、その歴史的背景から「人間の幸福や尊厳」を重んじる欧州の視点は、人的資本経営を掲げ、改めて「人」を真ん中に置こうとしている日本企業が避けて通れないテーマです。
多国籍・多様な課題が混在する「社会課題の縮図」
ウェルビーイング先進国の北欧から、経済停滞に悩む南欧までを内包する欧州には、日本が直面している、あるいは今後直面するあらゆる課題の「先行事例」が多く存在しているはずです。

「単一的で明示的な強いマネジメント」よりも、日本と同様の「複雑な制約」の中で最適解を探り続ける欧州の姿にこそ、私たちの未来を照らすヒントが溢れていると期待しています。
AI時代における、HRの再定義
「HR World Summit 2026」は、世界中から数千人のHRリーダーや組織開発の専門家が集結する、欧州最大規模のHRカンファレンスです。
今年の中心テーマは「AI時代における、HRの再定義」です。アジェンダは、HRが果たすべき役割や、組織文化、従業員体験、スキル・能力などのアセスメントなど多岐に渡ります。
中でも、私が特に注目している3つのアジェンダがこちらです。
専門性が解放される時代の「リーダーシップ」
AIが浸透すれば、人事部と事業部の専門性の境目は”表面的には”溶けていくでしょう。誰でもAIに悩みを相談すれば、それなりの情報やアドバイスを返してくれる時代だからこそ、問われるのは「知識」ではなく「解釈」と「意味付け」です。
人事や現場のリーダーが、自らの役割をどう再定義し、どのように新しいリーダーシップを確立していくのか。この「役割のパラダイムシフト」の最前線をこの目で確かめてきたいと思います。パフォーマンスを最大化させる「新たなルール」の策定
AIがもたらすアウトプットの方向性は、その会社が持つ「思想」や「倫理観」というベースによって大きく変わります。AIという強力な力を、戦略的にどう制約し、どのように解き放つべきか。組織としてのパフォーマンスと社会的倫理を両立させるための「ガバナンスとルールのあり方」を、世界のリーダーたちがどう描いているのか。
その設計思想や具体的なボトルネックを掴みたいと考えています。戦略資産としての「カルチャー」の進化
「組織文化は戦略である」。これは創業以来、私たちが一貫して大切にしてきた信念です。AI時代が到来したからこそ、文化という土壌の重要性はさらに増すと確信しています。
一方で、AIの拡張性を前提としたとき、カルチャーの耕し方にはどんな変化が訪れるのか。AIを軸とした行動変容が組織文化にどう伝播していくのか。その未知なる成功・失敗談に触れるのが非常に楽しみです。

そして、同じくらい私が関心を寄せているのが、そこに集まるHRリーダーたちの「熱量」です。彼らは今、AI時代の変化をどう捉えているのか。それは未来を照らす明るいニュースなのか、あるいは抗えない変化への悲観なのか。焦りを感じているのか、それとも冷静に機を待っているのか。
最前線に立つ人々の「感情の動向」を肌で感じることも、今回の旅における重要なミッションだと思っています。
昨年、リスボンで開催された「HR World Summit 2025」のアフタームービー
メディアでの連載企画が決定しました!
帰国後、日本のHR領域を牽引する2つのメディア、「HR Zine」および「日本の人事部」にて、今回のカンファレンスレポートを中心とした連載企画を担当させていただくことになりました!
昨年、シンガポールでの「Future of Work APAC」視察を自社noteで全5回の記事にまとめた際、ありがたいことに多くの経営者や人事の方々から反響をいただきました。その熱量を肌で感じたからこそ、今回の連載にはワクワク感と同時に身が引き締まる思いも感じています。
単に情報を共有するだけに留まらず、日本の組織における「実践知」へと翻訳し、現場で使える学びに変えて届けること。欧州と日本という環境要因としての違いはあれど、私たちなりに拘って、期待していただいた役割に応えたいと思っています。
世界がどう変わり、私たちはどう進化すべきなのか。ポルトガルの地から届ける発信を通じて、皆さんとこれからの組織のあり方を共に考えていければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
皆さんは、AI時代の会社・組織づくりに、どんな変化や期待を感じていますか?現地での発見は随時このnoteやSNS(X、LinkedIn)でシェアしていきます。ぜひフォローをしてお待ちいただけるとうれしいです!
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