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社内規程を作っても「誰も読まない・守らない」問題。現場を動かす規程設計の3つの鉄則

「せっかく多額の費用と時間をかけて社内規程を作ったのに、現場が全く読まない」

「結局、何かあるたびに『これってどうすればいいですか?』と口頭で聞かれる」

IPO準備や組織拡大の過程で、こんな悩みを抱える経営者や管理部門の方は多いはずです。

結論から言うと、規程が読まれない理由は「現場の行動導線」を無視して、法律や専門用語の羅列(教科書通りの作成)に終始しているからです。

私自身、IPO準備企業2社で管理部門責任者として現場と折衝しながら内部統制を構築してきました。その中で直面したのは、「完璧な規程を作れば作るほど、現場の業務スピードが落ちて激しい反発が起きる」という現実でした。

試行錯誤の末に辿り着いた「現場で本当に使われる規程設計の3つの鉄則」をお伝えします。

① 「何をしてはいけないか」ではなく「誰の承認で動けるか」を書く

現場が知りたいのは、高度なガバナンスの理念ではありません。「この案件、いくらまでなら誰のハンコをもらえば次に進めていいのか」という一点です。

だからこそ、長い文章の規程本文だけでなく、一目で決裁権限がわかる「決裁権限表(マトリクス図)」をセットで提示することが不可欠です。「金額」×「内容」×「承認者」が一表でわかる状態にして初めて、現場は自走し始めます。

② 例外規定(例外フロー)をあらかじめ埋め込んでおく

事業は生き物です。深夜のシステムトラブル対応、急な海外出張、突発的な値引き交渉など、業務に「例外」はつきものです。

原則論だけの綺麗事な規程を作ると、現場は「実務で使い物にならない」と判断し、裏で勝手な運用(ルール無視)を始めます。「事後承認を認める条件」や「緊急時の代替決裁ライン」をあらかじめ規程に明記して逃げ道を用意しておくことこそが、形骸化を防ぐ最大の防犯カメラになります。

③ 規程の「更新プロセス」自体を現場に公開する

事業スピードの速い成長企業では、半年前の規程がすでに実態とズレていることがよくあります。

「一度作った規程は絶対」とするのではなく、「実態に合わないなら変えればいい」という文化を作ることが重要です。現場から「この条文、運用の実態と合わないので変えてほしい」とボトムアップで変更申請が上がる仕組み(規程管理規程)を作ることこそが、生きたガバナンスを維持する唯一の道です。

おわりに

規程は「現場を縛るお札」ではなく、「現場が迷わず安全にアクセルを踏むためのナビゲーション」です。

形だけの紙くずを作るのはやめて、現場で機能する本物のインフラを作っていきましょう。


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著者紹介|IPO準備企業2社で経営管理部門の中核を担い、内部統制・J-SOX・ガバナンス体制をゼロから構築。現在は監査等委員・監査役・社外取締役としてのキャリアを志向。
(※ご相談や意見交換は、noteの問い合わせまたはXのDMよりお気軽にご連絡ください)


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