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倧䌁業゚ヌスが䞭小やスタヌトアップで爆死する、本圓の理由

はじめに

第1回のnoteの冒頭で、私はこの投皿を匕甚したした。

そしお、第1回の「プロロヌグ」に続いお、第2回で「䞭小䌁業ぞの転身経緯」、第3回「䞭小䌁業経営の二぀の難易床」ずいった内容でnoteを曞いおきたした。ようやく今回、本題にたどり着いた次第です。
なぜこの投皿を曞くのか、先に前提を申し䞊げたす。
そもそも、私自身は爆死しおいるわけではありたせん。今のずころ、いたの堎所で、どうにか前に進めおいたす。ただし、自戒ず内省の意味も蟌めお、䞀般にJTCに蔓延しおいるず考えられる病に぀いお、自分なりの考えを敎理しおおきたいず思いたした。
想定する読み手は、これから起業しようずしおいる方、䞭小䌁業やスタヌトアップぞ転職を考えおいる方、そしおJTCに残っお勀め䞊げるず決めおいる方の、いずれにずっおも、なんらかの刺激になればいいなず思いたす。
倧䌁業の゚ヌスが、䞭小やスタヌトアップに幹郚ずしお飛び蟌んだずき、爆死に぀ながり埗る芁玠はどこにあるのか。
慎重に曞きたいテヌマです。倧䌁業のホワむトカラヌを揶揄したいわけではありたせん。私自身、十数幎倧䌁業にいお、いた䞭小䌁業の珟堎にいる人間ずしお、䞡偎から芋える構造の話を、できる範囲で曞きたす。

改めお、いちおずは䜕者か

このnoteから読みはじめおくださる方もいらっしゃるず思いたすので、最初に簡単に自己玹介をさせおください。
私は30代䞭盀、いわゆるMARCH文系卒で、倧手商瀟の非資源郚門で10数幎を過ごしたした。海倖駐圚を二床挟み぀぀、本瀟では事業投資やM&Aを担圓しおきたした。
盎近1幎は、商瀟を蟞めお、特定の領域で確固たる地䜍を築いおいる䞭小メヌカヌに移り、経営に関わる立堎で働いおいたす。幎商は十数億円。商瀟時代に関わっおいた事業ず比べれば、桁が2぀くらい違う芏暡感です。
商瀟ず䞭小䌁業での経隓のコントラストを螏たえ、自分の身䜓感芚を通した考えをたずめお曞き残しおおこうず。これがこのnoteの基本姿勢です。

゚リサラの病、思い぀くたたに

爆死に぀ながり埗る芁玠は、どこにあるのか。
ひずこずで蚀えば、 倧䌁業組織文化の䞭で長幎仕䞊がっおきた人間の、ある皮の「病」 が、珟堎の前提が違うフィヌルドで䞀気に噎出するこずだず考えたす。
私自身が珟堎で芳察しおきた䞭で、兞型的なあるあるずしお思い぀く病を、いく぀か挙げおみたいず思いたす。孊術的分類でも䜕でもないですが、私なりに眺めおみるず、ざっくり「認知レむダヌの病」ず「行動レむダヌの病」の二系統に分かれるかな、ずいう皋床の敎理です。
なお、ひず぀だけ最初に曞いおおきたす。これから挙げる病は、私自身が完党に免れおいるず蚀う぀もりはありたせん。むしろ、商瀟時代の自分にも、その入り口に立っおいた病はいく぀もありたす。これは特定の誰かを批刀する文章ではなく、 倧䌁業組織が構造的に育おる病を、自分も含めお点怜する ための文章ずしお、お読みください。

認知レむダヌの病

たずは認知レむダヌの病から、いく぀か。

自分の基準が、普遍だず思っおいる

倧䌁業のような組織で長幎働いおいるず、自分が知らないうちに、ある皮の前提に染たっおいきたす。それは、 「自分の指瀺は、盞手にちゃんず䌝わるはずだ」 ずいう前提です。
商瀟のような偏差倀70集団では、これは実際に成立したす。曖昧な指瀺でも、受け手偎が文脈を補正し、足りない前提を自分で補い、最終的に高いレベルのアりトプットになっお返っおくる。そういう高床な凊理胜力を持った人が、組織の䞭に倧量にいる。だから、自分の指瀺の出し方や論点敎理の仕方そのものに、ある皮の油断が生たれたす。「自分は仕事ができる」ずいう、組織から䞎えられたスタンプが、い぀のたにか「自分は誰の前でも仕事ができる」ずいう幻想にすり替わっおいきたす。
その状態のたた、組織の前提が違う䞭小やスタヌトアップの珟堎に飛び蟌むず、䜕が起こるか。
攟った指瀺が、たるで届かない。テキストで曞いたメモが、たるで読たれない。読たれたずしおも、こちらの想定ずたったく違う圢で受け取られる。䌚議で論点を敎理した぀もりが、参加者の頭の䞭で再構成されお、たったく別の話になっおいる。 1を蚀えば10わかる環境から、10を蚀っおも1しか䌝わらない環境ぞの移動だ、ず捉えたほうが珟実に近い。
ここで倚くの゚リサラが螏み倖すのは、 「盞手のレベルが䜎いから、自分の優秀さが䌝わらない」 ずいう解釈に逃げ蟌んでしたうこずです。気持ちは分かりたす。これたで自分の指瀺で動いおくれおいた組織ず、目の前の組織の違いは、自分の指瀺の出し方の問題ではなく、盞手の胜力の問題だず考えたくなる。でも、その瞬間、その人は事実䞊、即死したす。
䞭小やスタヌトアップの経営珟堎で本圓に求められるのは、 自分ずは異なる前提を持぀人たちの䞭でも成果を出す力 です。自分の指瀺は誰にでも䌝わる、ずいう幻想を自芚的に手攟すこず。それが、認知の病から抜け出すための最初の䞀歩です。

自分は分かっおいる、ず錯芚しおいる

もうひず぀、認知レむダヌの病ずしお曞いおおきたいこずがありたす。
倧䌁業で長幎仕䞊がっおきた人ず話しおいるず、「この人、話の飲み蟌みが速いなぁ」ず感じる堎面がありたす。ただ、これには実は、二皮類ありたす。
ひず぀は、本圓に頭の回転が速く、盞手の話を正確に理解し぀぀、長幎培った知識や経隓で文脈を適切に補足するタむプ。これは本物です。
問題は、もうひず぀のほうです。実はほずんど盞手の話を聎いおおらず、自分の垞識や自分の正矩に話を圓おはめながら、盞手の話を勝手に敎理しお気持ちよくなっおいるだけのタむプ。䌚話が成立しおいるように芋えお、実際には䞀切噛み合っおいない。厄介なこずに、本人だけは理解した気になっおいる。
そしお最も恐ろしいのは、 新卒から䞀瀟で叩き䞊げおきた人ほど、埌者になりやすい こずです。なぜなら、自分の垞識が及ぶ狭い領域で、この「理解した぀もり」を繰り返し、それでも成功䜓隓を積み続けおこられたからです。
䞭小やスタヌトアップに転じお起きるのは、この保護策が䞀気に倖れる珟象です。珟堎の人たちは、゚リサラの「理解した぀もり」を、ものすごい速さで芋抜きたす。䜕床か面談を重ねれば、「あ、この人は私の話を聎いおいないな」「自分の垞識で勝手に敎理しおいるな」ず珟堎は察知したす。そうなった瞬間、信頌の残高は䞀気に枯れるこずになりたす。
これは、 頭の良さの問題ではなく、聎く姿勢の問題 です。聎かない人が、珟堎の人たちから信頌されるこずはありたせん。

看板を倖したずきの自分が、芋えおいない

次は、認知の察象が他者ではなく、自分自身に向く話。これは、私のアカりントで䞀床曞いお、半分冗談でポ゚ムのような内容ですが、ありがたいこずに倚くの方が反応しおくださった話でもありたす。

私自身、商瀟勀務時代、こういう感芚に䜕床も襲われたこずがありたす。
䌚瀟の看板を倖したずきに、自分には䜕が残るのか。私が運んでいる論理は、私個人の論理なのか、それずも組織が私に䞎えた論理なのか。私の意思決定は、私の意思によるものなのか、それずも組織の前䟋によるものなのか。深く考え始めるず、足元が揺らぐような感芚がありたす。
そしお、これは私自身が䞭小に飛び蟌んでみおから、改めお痛感したこずなのですが、倧䌁業の看板の䞭にいるあいだは、 実は看板そのものが芋えおいない のです。
県鏡をかけおいる人が県鏡を意識しないように、自分が倧䌁業の看板の䞋にいるこずは、その䞭にいるあいだは意識されたせん。看板を倖しお別の珟堎に立ったずき、初めお、「あ、自分はこの看板の䞋で、ずいぶん倚くのものをもらっおいたんだな」ず気づきたす。

自分の実力を、過倧評䟡しおいる

もうひず぀、認知レむダヌの病ずしお曞いおおきたいのは、自分の実力を、自分が思っおいるよりも過倧評䟡しおいる、ずいう病です。
これは、「看板を倖した自分が芋えない」ず地続きの話でもありたす。看板の䞭にいるあいだは、自分の手柄ず、看板の手柄の境界が、本圓に芋えにくい。䞭小に飛び蟌んでみるず、その境界が容赊なく姿を芋せたす。
おでこに「◯◯商事出身」ずいったタトゥヌでも圫らない限り、私はただの䞭小䌁業のオゞサンです。普通にアポを断られたす。クレヌムで怒鳎られたす。取匕先によっおは、めちゃくちゃ䞊からモノを蚀われたす。商瀟時代の自分の垞識からするず、䞀床ずしお経隓のなかった皮類の䜓隓が、毎日のように積み重なっおいきたす。
少し笑えるのは、こういう取匕先ほど、埌から私の経歎を知った瞬間に、態床が180床倉わるこずです。同じ人物が、同じ提案をしおいるのに、看板を知っおいるか知っおいないかで、たるで別の察応になる。「ああ、これが看板の力か」ず、今床は逆方向から思い知りたす。
自分の実力だず思っおいたものの䞭には、看板付きで成立しおいた郚分が、思ったよりも倚く含たれおいた。これは、看板を倖しお別の珟堎に立っおみないず、本圓には分からないものです。

行動レむダヌの病

ここからは、行動レむダヌの病。認知の話ず完党に切り分けられるわけでもなく、ゆるく぀ながっおいたす。

完璧䞻矩ず、保身マシン化

私自身がXでもよく蚀及しおきた話なので、たずはその䞀節を貌っおおきたす。

これは、私自身も䜓隓したした。ただし、自分が保身マシン化しおいたずいうよりも、 自分の䞊叞のそういう姿を間近で芋おきたこずが、蚘憶ずしお匷く残っおいたす。
商瀟時代、自分が提案した案件で、本来であれば郚長や圹員レベルが本気で前に進めるべきだず信じおいる話なのに、トップぞの忖床の䞭で本質的な議論が避けられ、圓の䞊叞本人が自分を抌し殺しお、別の方向に話を曲げおいく。そういう堎面を、䜕床も目撃したした。
ここで誀解されたくないのは、 私はその䞊叞たちを個人ずしお批刀しおいるわけではない 、ずいうこずです。むしろ、自分が同じ立堎に眮かれおいたら、おそらく同じこずをしおいた自信がありたす。これは個人の人栌の問題ではなく、構造の問題です。䜕十幎も倧䌁業の昇進の論理の䞭で生きおいれば、誰でもそうなる。そういう仕組みです。
ただ、それでも曞いおおきたいのは、 そういう芏埋ず正矩の䞭で䜕十幎も生きおきた人が、本質的に匷いビゞネスパヌ゜ンになれるかずいうず、私は懐疑的だ 、ずいうこずです。
䞭小やスタヌトアップでは、この保身マシンの行動様匏は、根本的に機胜したせん。
明日のキャッシュフロヌが先で、想定問答に䜕時間もかける時間も人手もありたせん。資料の䜓裁を敎える前に、珟堎を動かす決断が芁りたす。そしお䜕より、経営の最終責任を背負う立堎では、保身を優先した瞬間に、組織はそれを芋抜きたす。「この人は自分の身を守ろうずしおいる」ず珟堎が察知した瞬間、リヌダヌシップの根拠が厩れたす。

評論で枈たせお、珟堎で売れない

行動レむダヌの病ずしお、もうひず぀曞いおおきたいのが、営業をめぐる話です。
これぱリサラあるあるかもしれたせん。私自身も、商瀟時代は本圓の意味での営業 ― ぀たり、 自分が売䞊を立おる経隓 ― が、ほがありたせんでした。
商瀟の仕事は、もちろん営業掻動の連続です。ただ、それは商瀟の看板を背負った営業であり、組織の信甚ず仕組みに支えられた営業です。「〇〇物産の者ですが、こちらの件で少しお話しを 」ず切り出した瞬間、盞手の聞く姿勢が敎う。どんな盞手ずのアポ取埗も容易だ。䌚議の堎では、商瀟の組織力で集めた情報やパヌトナヌシップで、こちらの提案を組み立おられる。これらは、間違いなく䟡倀のある仕事です。ただし、その本質は、 䌚瀟の看板を運ぶ営業であっお、 個人ずしお売䞊を立おる営業ずは、別の皮類のものです。
䞭小に飛び蟌んでみるず、本圓の営業がいかに別物かを思い知りたす。
私自身、いた党囜各地のお客様のずころに、トップ営業ずしお自ら回りたす。新芏開拓では、たたに自分からコヌルドコヌルをするこずもありたす。商瀟の看板はもうありたせん。䌚瀟の信甚も、ただ十分には積み䞊がっおいたせん。䞀人の䞭小䌁業のオゞサンが、電話の向こう偎にいる盞手に、こちらの補品の䟡倀を、いちから理解しおもらうずころから始めたす。
そしお、珟堎で痛感するのは、 いっちょ前の戊略も、立掟なファむナンス理論も、教科曞通りのマヌケティング斜策も、結局、売䞊が付いおこなければ䟡倀を生たない 、ずいうこずです。゚リサラのキャリアの䞭で、戊略を語るこずや斜策を敎理するこずはたくさんやっおきたした。でも、そういう評論を䞀日䞭しおいおも、目の前の盞手に「この補品を買おう」ず決めおもらえなければ、䜕ひず぀進みたせん。
評論で枈たせるのは、倧䌁業の組織文化が、ある意味で「合理的に」育おる癖です。組織が倧きくなればなるほど、評論する人ず実行する人の圹割分担は明確になりたす。管理職以䞊のホワむトカラヌの仕事は、ほずんどが評論の偎に寄っおいきたす。それ自䜓は組織ずしお必芁なこずかもしれたせん。
ただ、その癖を䜓に染み蟌たせたたた䞭小やスタヌトアップに飛び蟌むず、自分の評論に察しお動いおくれる組織は、もうそこにはない。 自分が動かないず、䜕ひず぀動かない䞖界 が広がっおいたす。

さいごに

最埌に、これから䞭小やスタヌトアップに飛び蟌もうずしおいる、倧䌁業のホワむトカラヌの方に向けお、率盎に曞き残しおおきたす。
倧䌁業出身者の匷みは、確かにありたす。同時に、爆死に぀ながり埗る芁玠も、間違いなくありたす。䞡方を螏たえたうえで、それでも飛び蟌むず決めるなら、それは䟡倀のあるこずだず思いたす。私自身、その決断の先で、いたの堎所にいたす。
看板を倖しおも残るものず、看板ず䞀緒に消えるもの。論理を組み立おる胜力ず、論理を運ぶ䜜法。自分の䞭で䜕が残り、䜕が消えるか、䜕を持ち蟌み、䜕を捚おるか。これを、できるだけ早い段階で芋極めおいくこずだず思いたす。
私自身、いたも毎日、自分の䞭にも残っおいるはずの病を点怜しながら、珟堎に立っおいたす。

それでは、たた次回。

いいなず思ったら応揎しよう