外国映画ベスト200 その㉛「パリ、テキサス」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「鯨とり コレサニャン」
パリ、テキサス/ヴィム・ヴェンダース 1984
ニュージャーマンシネマの中では日本で一番馴染み深いヴィム・ヴェンダースの代表作。映画を観始めたばかりの時にミニシアターの世界に導いてくれた、個人的に思い出深い作品でもある。妻子を捨てて失踪していた男が、テキサス州の砂漠で行き倒れて発見された。妻は出稼ぎに出ているとのことで、息子は弟夫婦に育てられていた。男は息子とともに妻を探す旅に出るが…。歪な家族関係がヴェンダースならではのゆるやかなタッチで描かれるロードムービーで、8ミリのシーンやマジックミラーなどのシーンが心を打つ。道路を挟んでの親子のシーンは、是枝裕和の「そして父になる」でも引用されている。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
ストレンジャー・ザン・パラダイス/ジム・ジャームッシュ 1984
そのヴェンダースからもらったフィルム(撮影で余ったもの)がきっかけで製作された短編を第一部として上映、資金を集め3部構成の長編へと仕上げられた作品。ニューヨークでその日暮らしをしている青年のもとにやって来た従妹との日常、そして青年の友人を絡めた3人での旅が、全編モノクロで描かれる。基本的に1シーン1カットの固定カメラで撮影される映像は、淡々としているが一定のリズムがあり癖になる。この作品位から、若者たちも巻き込んだ本格的なミニシアターブームに突入した。カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人賞)受賞。
鯨とり コレサニャン/ぺ・チャンホ 1984
今でこそ韓国映画はアカデミー賞も受賞するなどメジャーだが、その礎を作ったのはぺ・チャンホ監督×アン・ソンギ主演の一連の作品(「神様こんにちは」「ディープ・ブルー・ナイト」)ではないだろうか? その中の1本がこの作品。大学に馴染めない青年が、インテリ浮浪者浮浪者と知り合い意気投合、故郷に帰りたいという失語症の売春婦を連れ出し一緒に逃亡する…。80年代当時の韓国映画は現在のようなスタイリッシュさはなく、泥臭い面も多々あるが、それも含めて胸に突き刺さる作品だった。
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