人間なんて、感謝しねーよ。
お盆休みぐらいから、
風邪をひいて体調が悪く、
気持ちが塞ぎがちになってる。
気持ちが滅入ると昔のことを思い出したりする。ふと尊敬する叔父さんから言われた言葉を思い出した。
「人間なんて感謝しないよ。」
叔父さんには、感謝しているつもりだった。
株式会社を作ってもらい、子会社の社長にもしてもらって経営者の真似事のようなことも経験できた。
オーガニックはコスパと相性が悪く、
嘘偽りなくオーガニックを使ったもので商品を作ろうと思うと使用感やユーザーの望むかたちの商品を作るのは難しかった。
利益を出すことより、よい品物を作るために自分の能力を最大限使いなさい、と言ってもらえてはいたけど、
私は若く結果を出すことに焦っていた。
農産物もオーガニックで作ると手間がかかるし収穫も大幅に減少する。
そして失敗したら次の収穫は1年後になる。
人手も足りない、睡眠時間もろくにとれなかったけど、頑張ってはいたつもりだった。
結局、大きく叔父さんに貢献できないまま、
自身の家庭の問題とか裁判とか色んなことが起きて、仕事を辞めて叔父さんのもとを離れることにした。
今でも大変申し訳ないと思っているし、
今でも叔父さんに感謝している。
でもこれは、私から見た風景だ。
叔父さんからしてみれば、いろいろやってやったのに試練に耐えられず逃げ出した。
感謝していない人間なのかもしれない。
叔父さんの言葉を思い出して、私は少し考えた。
感謝しているかどうかは、
一度で終わりではない。
慣れてしまえば、ありがたかったことはいつの間にか「当たり前」になる。
いろいろ紆余曲折あって、重機のオペになって現在の会社に入ったときも、
最初は、見習いオペが乗るボロボロの古い重機が担当だった。
まともに使える性能とは言い難く、嫌でたまらなかったが、
一人前と認められて普通のクレーンに乗せてもらえたときは、めっちゃ嬉しかった。
あの頃の私が今の仕事環境を見たら、「めちゃくちゃ恵まれてるじゃないか」と言うかもしれない。
でも今の私は、不満タラタラである。
叔父さんの言った「人間なんて感謝しないよ」は、こういうことだったのかもしれない。
たぶん人は、ありがたさを忘れるというより、慣れてしまうのだと思う。
今、特別に困ったことがあるわけでもない。
経済的にも困っているわけでもない。
人間は、起きてもいない未来を心配したり、終わった過去を何度も掘り返したりする。
たぶん、それにも何か役割があるのだろう。
でも気持ちが塞いでいる時の私は、それを始めるとろくな場所に辿り着かない。
未来のことを考えるな、過去を悔やむな、という話ではない。
ただ、気持ちが塞いでいる時くらいは、今に戻ってきてもいいんじゃないかと思う。
これで急に前向きになったわけでもない。
今日も相変わらず、少し気持ちは重い。
ただ、昔はありがたかったものを、もう一度ありがてぇと思ってみる。
未来や過去に頭を持っていかれそうになったら、とりあえず今に戻ってくる。
しばらくは、その二つくらいでやってみようと思う。
効果があるかは、まだわからない。
とりあえず今日からは、これでいく。
叔父さんのもとで働いていた頃の話はこちら。
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