「大学へ行く人生」は、自分とは関係ないと思っていた。
私は、高校へ通ったことがありません。
15歳で宝塚音楽学校に入学し、多くの同級生が高校生活を送る頃、私は舞台の世界で働き始めました。
その頃の私にとって、「大学へ行く人生」は、自分とは関係のないものだと思っていました。
宝塚を退団した後も、東宝ミュージカルなどの舞台のお仕事を続け、結婚し、母となり、子育てに追われる日々が始まりました。
そんな私が、この春、慶應義塾大学経済学部(通信教育課程)を卒業しました。
昔の自分がこの話を聞いたら、きっといちばん驚くのではないかと思います。
舞台の世界は、私にとってかけがえのない場所でした。
15歳で飛び込んだ宝塚音楽学校も、その後に立ち続けた舞台も、間違いなく私の青春でした。
だからこそ、やりたいことを優先して生きてきたことに後悔はありません。
けれどその一方で、高校へ通い、同級生のように勉強してみたかったという思いは、思っていた以上に強く自分の中に残っていました。
舞台の世界に夢中になりながらも、心のどこかでずっと、「学ぶこと」への憧れを持ち続けていたのだと思います。
退団後には高卒認定を取得し、
大学に入学したのは、24歳の時でした。
在学中には、二度の妊娠・出産も経験しました。
子どもを寝かしつけたあと、深夜に机に向かってレポートを書く日々。
締切に追われながら、熱を出した子どもを抱え、思うように勉強が進まない日もたくさんありました。
それでも、不思議と「辞めよう」とは思いませんでした。
大学卒業という結果そのものよりも、一度選んだことを途中で手放したくない。
その気持ちのほうが、ずっと強かったのだと思います。
結婚もしたい。子どももほしい。仕事もしたい。そして、勉強もしたい。
以前の私は、何かを選べば、その分何かを諦めなければならないのだと思っていました。
けれど実際には、どれかひとつを選んだからといって、ほかの夢まで諦める必要はありませんでした。
結婚も、子育ても、仕事も、勉強も。
すべてを一度に完璧にこなすことはできなくても、自分なりの形で続けていくことはできる。
この年月を通して、そんなふうに思うようになりました。
もちろん、私は決して器用な人間ではありません。
家事も育児も完璧ではないですし、レポートの締切前になって慌てることもあれば、子どもと一緒に寝落ちしてしまう日もあります。
それでも、その時々にできることを、日々の生活の中で続けてきました。
振り返ってみると、卒業までの道のりは、そうした小さな積み重ねの連続だったのだと思います。
15歳で社会へ出て、母となり、子育てをしながら大学を卒業した今、以前よりも少しだけ、
「何歳からでも、新しい挑戦はできる」
そう信じられるようになりました。
そして今、次の夢があります。
まだ形にもなっていない小さな夢ですが、これから少しずつ、自分の言葉で綴っていけたらと思っています。
これから始まる新しい挑戦も、このnoteに記録していく予定です。
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彩月つくし
15歳で宝塚音楽学校へ入学。退団後、高卒認定を取得。舞台に立ちながら学びを続け、二度の出産を経て32歳で慶應義塾大学経済学部(通信教育課程)を卒業。学び直しや、子育てと勉強の両立について綴っていきます。
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