予定が入るだけで「疲れる」のは、”疲労を前払い”しているから? | 内向型(I型)の生き方ラボ 041
こんにちは、井ノ部(いのべ)です。
社内チャットで懇親会の日程が通知された瞬間
どっと疲労に襲われていました。
今振り返ると
本当に気の早い疲れ方をしていたなと思います。
その時にやる事と言えば
カレンダーに予定を入れるだけ。
それなのに、
当日までずっと気が重くなってしまうんです。
人の多い所が苦手な内向型の私は
過去にも「飲み会がつらい」「忘年会がつらい」
といった話を書いてきたんですが
中でも一番つらかったのが
全支店の社員が本社に集まる社員総会、
の後の、全社員参加の懇親会。
これが圧倒的にしんどかったんです。
当時から、私は
「ただの飲み会のはずなのに、
ここまで疲弊するのは何か別の理由があるはずだ」
と違和感を覚えていました。
そして後になって振り返ってみると、
この謎の疲労感の裏には、
「心の仕組み」が働いていたことに
気づいたんです。

性格を変えようとするのは大変ですが、
仕組みの問題として捉え直せば、
自分に無理をさせずに対処する方法が見えてきます。
今回は、あの
「予定が入っただけでどっと疲れる現象」の正体と、
ちょっとした対策について書いてみます。
懇親会が苦痛だった会社員時代
私が勤めていたいくつかの会社の内で
規模の大きい所では
社員総会となれば
全国のグループ会社から社員が一堂に会して
1000人規模のイベントが開催されました。

自分の会社の社員ですら、
別部署の人とはそんなに面識がないのに
その何十倍もの見知らぬ人たちが集まる場に
赴かないといけないんです。
しかもこの社員総会、何度参加しても
ランダムにあてがわれたテーブルに座るのは
初対面の人ばかり。
ただの初対面ならまだいいんです。
お互い何も知らない状態なので
初対面限定で一度だけ使える
外向型の仮面を被った演技ができます。
ただ、これが「グループ会社」という
共通言語がある中での初対面となると、
お互いの会話が結構仕事の事に固定されて
その中での会話が求められちゃうんですね。
そうなると、仕事での顔がどうしても出てくるので
どうしても仮面を被った自分が綻んでしまう。
私はこれが大の苦手でした。

しかも、建前上は「参加自由」でも、
実質的には全員参加の空気が出来上がっています。
疲労を「二重払い」していた当時の私
当時の私は、懇親会の最中も、
終わってからも激しく消耗し、
帰宅する頃には疲労困ぱいでした。
これ、今思い返すと不思議なんです。
「事前に気が重くなるのは、
当日のしんどさを少しずつ『前払い』しているからだ。」
当時の私はそう捉えていました。
前もって悩んでおけば、
当日の負担はその分減るはずだと。
しかし実際には、行く前にも100%悩み、
当日も100%消耗していました。
事前の「予期不安」で1回、
当日の「本番」で1回。
きっちり2回分フルの疲労を支払う
「二重払い」になっていたんです。

この事実に気づけたことが転機となりました。
楽しみな予定も同じようにカレンダーに入っていて、
当日まで日数があるのに、気の重さは生じません。
つまり、消耗の本当の原因は、
「自分を偽って周りに合わせる役回り」
が確定した事にありました。
初対面の人に共感するふりをし、
話題に合わせて表情を作り、
帰りたくても言い出せない。
通知が来た時点でその「役」を演じることが決まり、
私はその重圧を当日までずっと引きずっていたんです。
ストレスを「予期」することの大きな影響
この感覚を裏付けるような、
興味深い研究を見つけました。
25歳から65歳の成人240人を対象に、
2週間スマートフォンで記録をつけた研究です。
毎朝
「今日はどのくらいストレスの多い一日になりそうか」
を予想してもらい、
日中に5回、記憶力を測る課題を行います。
その結果、朝の段階で「しんどそうだ」と予想した日ほど、
その日の課題成績が低下していました。
さらに、実際に
ストレスを感じる出来事が起きたかどうかを
統計的に除外しても、成績の低下は残ったといいます。
"These findings suggest that anticipatory processes can produce harmful effects on cognitive functioning that are independent of everyday stress experiences."
(これらの結果は、予期するという働きそれ自体が、日常のストレス経験とは別に、認知機能へ悪い影響を与えうることを示している。)
URL:https://academic.oup.com/psychsocgerontology/article/74/1/38/4996223
影響を及ぼしていたのは
「朝の予想」だけでした。
朝起きて「今日はストレスが多そうだ」
と思った瞬間から、
すでに影響は始まっていたんです。
この研究はあくまで記憶力に関するものであり、
個人差もあります。
それでも、自分の中だけの感覚だと思っていたものに、
裏付けを見つけられたような気がして安心しました。
無理のない範囲で、仕組みを調整する
消耗の正体が「予期すること」にあるとすれば、
手を入れるタイミングは
「予定が入った瞬間」になりそうです。
私が当時、最初に実践したのは
「二次会だけは絶対に参加しない」と
心の中で決めることでした。
すべてを欠席する勇気はなくても、
二次会を断るだけで
随分と気が楽になったのを覚えています。

その後、退職が近づくにつれて一切参加しなくなり、
最終的には独立して、
そうした場に行かなくてもいい環境を手に入れました。
環境や立場によって、
選べる方法は人それぞれです。
気が重くなってしまう性格を
根本から直そうと頑張りすぎるより、
自分に無理をさせすぎない範囲で、
仕組みの方を少しだけ調整してみる。
そんなアプローチがあってもいいのかな、
と思うんです。
決断は「元気なうち」に済ませておく
もし私が今も会社員なら
「通知が来たその日に、二次会は出ないと決める」
と思います。
決めるなら、まだ気力がある
元気なうちにしてしまう方が、
ずっと楽でした。
当日の消耗した状態では、
誘われるとつい流されてしまいますよね。
断る理由も
「今日は一次会で失礼します」の一言で十分。
理由をひねり出すこと自体が、
また消耗に繋がってしまいますから。
当日どう立ち振る舞うかを悩む代わりに、
終わるタイミングだけを事前に決めておく。
これが、私が当時の状況でたどり着いた
小さな工夫でした。
長年の悩みも、見方を変えれば「仕組み」の問題。
仕組みであれば、ほんの少しずつですが
調整していける気がしています。
次に気の重い通知が流れてきたら、
もしよかったら「どこで終わるか」を
一つだけ決めてみませんか。
それだけで、当日までの時間の感じ方が
少し変わるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた、次のnoteでお会いしましょう。
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