日本の官公庁のためのLinuxを考える 号外
『現場からのLinux推進は、なぜこんなに難しいのか』
(注意)
今日は少し感情が混ざっています。ただ、誰か個人を責めたいわけではなく、「現場で何が詰まりやすいか」を共有するための号外です。同じように悩む人の“言語化”になればと思います。
最近、情報の灯台さんがNoteで活動し始めて、すっかり読み手側に回っていたIRONAMIです。
現在、本編(JGL)の第5章を進めているのですが、ソフトウェアや運用の課題は「調べれば答えが出る」タイプではなく、現場の意思決定や体制の問題に刺さってくることが多い。そこで今日は、現場目線の“あるある”を書きます。
結論:現場からのLinux推進は「できない」ではなく「成立しにくい」
一言で言うと、現場主導でLinuxやOSSを進めるのは、成立しにくい構造があると感じています。私の環境で詰まりやすかったのは、技術ではなく次のような点でした。
1. 判断が「検証」ではなく「前例」で止まる
OSSやLinuxは、メリット・デメリットがはっきりある分、比較やPoC(小規模検証)を回して判断したい。
でも現場では、検証に入る前に「よく分からないものは怖い」で止まることがある。これは“慎重さ”としては自然ですが、慎重さが行き過ぎると、永遠に何も変わらない。
2. 「小さく試す」枠がない
たとえば、Adobe系のライセンス最適化や、端末の有効活用(再利用・延命)など、コストに直結する話でも、現場が提案しても「やらない理由」が優先されることがある。
本来は、少人数・一部署・期間限定で試して数字を出せばいいのに、その“試すための枠”が存在しない。
3. 情報部門でも、意思決定が技術ではなく「空気」になる
情報の世界は変化が早く、学び続けないと一気に置いていかれる。
だからこそ、分からないことは「分からない」と言い、部下や周囲の知見を借りて判断する姿勢が必要だと思っています。
それが難しい文化だと、現場の提案は具体的に検討される前に、雰囲気で止まりやすい。
それでも、やり方はある(と思っている)
私は今、組織内で無理に押し切るよりも、組織外で情報を集め、事例や数字を積み上げて、いつか“検証に入れる形”で戻ってくるのが現実的だと感じています。
〜情報部門の意思決定者の方へ(お願い)〜
知らないことは、知らないままでいいと思います。
ただ、「知らないからやらない」ではなく、「分かる人に教えてもらって、一度小さく試して判断する」勇気を持っていてほしいと思います。
公費で動く組織だからこそ、説明責任と学習は、現場を守るための武器になるはずです。
以上

