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16時間断食を見るたび思う。むしろ2食で一日分食べるほうが大変では?


16時間断食を見るたび思う。2食で一日分、ちゃんと食べられますか?

「朝食を抜けば、簡単に16時間断食ができる」

健康や自己啓発について調べていると、
こんな話を見かけることがあります。

夕食を20時までに済ませて、
翌日の昼12時まで食べなければ16時間。

時計の上では、とても分かりやすい。

でも私は、この方法を見るたびに、
空腹とは別のことが気になっていました。

たとえば、一日分として組んだ食事を、
3食ではなく2食にまとめてみます。

すると、夜はこうなりました。

ごはん225g
味噌汁
刺身
卵焼き
ほうれん草のお浸し100g
サラダ40g
バナナ
ヨーグルト

……多い。

しかも、特別にたくさん食べる献立を
作ったわけではありません。

3食に分けていた同じ一日分を、
2食に組み替えただけです。

これを見たとき、私は思いました。

16時間食べないことより、
残りの2食で一日分を食べるほうが大変では?

朝食を抜いたからといって、
一日分として考えていた野菜やたんぱく源、
果物、乳製品、穀類まで、
自動的に3分の2になるわけではありません。

少なくとも、今回のように同じ一日分を
食べようとするなら、その分は昼と夜へ移ります。

私は一度にたくさん食べられるほうではないので、

「16時間、何も食べないなんて大変そう」

より先に、

「残り8時間で、これをちゃんと食べ切れるの?」

のほうが気になりました。

そこで今回は、一日分の献立を実際に
3食から2食へ組み替えてみます。

16時間断食が良いか悪いかを
決める話ではありません。

見てみたいのは、時計の空白ではなく、
その反対側。

「食べない16時間」だけでなく、
「食べる8時間」はどうなっているのか。

そんな話です。

16時間断食そのものを否定したいわけではない

最初に、ここだけははっきりさせておきます。

16時間断食という食べ方が、
生活に合う人はいると思います。

✅朝はもともと食欲がない。
✅2食でも十分な量を無理なく食べられる。
✅食べる時間を決めたことで、間食や夜食が減った。

そういう人にとっては、
取り入れやすい方法かもしれません。

私が気になっているのは、
もっと手前の部分です。

「朝食を抜けば16時間達成」で、
食事の話まで終わっていないでしょうか。

朝食を抜いたあと、
一日全体では何を食べているのか。

今回はそこを見てみます。

まず「一日分」を3食で組んでみた

一日に食べるものを考えるために、
今回は「四群点数法」を参考にしました。

日本栄養大学より

四群点数法は、日本栄養大学(旧・女子栄養大学)の創立者・香川綾氏が考案した方法で、
食品を栄養上の特徴から4つの群に分け、
80kcalを1点として一日の食品量を考えます。

もちろん、必要なエネルギー量や食事内容は、
年齢、性別、体格、活動量などによって変わります。

ここで四群点数法を使う目的は、
一定のモデル確立されたもので
一日分の量が分かりやすい点です。

実際の料理については、
料理サイトで公開されている
レシピも参考にしました。

まずは、一日分を3回に分けます。

3食に分けた場合

ごはん 150g
味噌汁
目玉焼き(卵1個)
きのこのソテー84g
牛乳

ごはん 150g
ハンバーグ
プチトマト2個 40g
かぼちゃの煮つけ 100g
サラダ 40g

ごはん 150g
味噌汁
刺身
ほうれん草のお浸し 100g
バナナ
ヨーグルト 小鉢1つ

味噌汁は朝と夜の2杯分の二人分として、
豆腐1/2丁、じゃがいも1個、
玉ねぎ25gほどを使う想定です。

こうして並べてみると、

3食でも、けっこうしっかりしています。

特に昼。

ごはん150gにハンバーグ。

プチトマトに、かぼちゃの煮つけ100g。
さらに、サラダ40g。

私は献立を作りながら、

「昼、思ったよりみっちりしているな……」

となりました。

しかも今回は、かぼちゃの煮つけ100gのように、
一皿で比較的まとまった量を取りやすい料理も使っています。

これを朝・昼・夜に分散させて、
このボリュームです。

では。

朝食だけなくして、
一日分はそのままにしたら

どうなるでしょうか。

同じ一日分を、2食にまとめてみる

まず、ごはん。

一日450gなので、

150g × 3食

から、

225g × 2食

になります。

そして、朝にあった卵、サラダ、牛乳も、
昼か夜へ移します。

出来上がったのが、こちらです。

ごはん 225g
味噌汁
ハンバーグ
プチトマト2個 40g
かぼちゃの煮つけ 100g
サラダ 40g
牛乳

ごはん 225g
味噌汁
卵焼き(卵1個)
刺身
ほうれん草のお浸し 100g
きのこのソテー 84g
バナナ
ヨーグルト 小鉢1つ

……やっぱり多い。

食事回数は減っても、一日分まで消えるわけではない。

数字だけで「3食から2食」と聞くと、
一食減っただけに見えます。

でも、皿の上で見ると印象が変わりました。

夜は、

刺身+卵焼き。

野菜は、

ほうれん草のお浸し+サラダ。

そこへ、

ごはん225g+味噌汁+バナナ+ヨーグルト。

朝にあったものを昼と夜へ動かすと、
こうなります。

私はこれを見て、

「16時間空けられるか」より、
「この2食を毎日食べられるか」のほうが難題だな

と思いました。

もちろん、

「このくらいなら普通に食べられる」

という人もいるでしょう。

一度に食べられる量には個人差があります。
だからこそ、ここは意外と大事なのだと思います。

3回なら無理なく食べられる。
でも、2回に圧縮すると毎回かなり満腹になる。

そんな人にとっては、
食事回数を減らすこと自体が別の負担になる
からです。

※今回の献立は、四群点数法で今回参考にしたモデルをもとに、
穀類9点をごはん中心で組んでいます。

四群点数法の身体活動レベル表では、
普通の活動量にあたる18〜49歳男性の
穀類は17点となっています。

また、魚介・肉も今回のモデルより1点増えます。

そのため、今回と同じように
ごはん中心で
男性モデルへ延長すると、

穀類量はおよそ倍になり、
肉・魚も一皿分ほど増えるイメージになります。

「減らす」前に、足りているかも見てみたい

ここでもう一つ、
気になったことがあります。

健康について調べていると、

  • 「食べすぎない」

  • 「間食を減らす」

  • 「〇〇を控える」

  • 「食べない時間を作る」

など、

何かを減らす話をよく見かけます。

もちろん、食べすぎているものを
調整したほうがいい人もいます。

でも、健康のために必要なのは
「減らすこと」だけなのでしょうか。

たとえば、野菜です。

厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」では、
20歳以上の野菜摂取量の平均は一日258.7g

女性では250.3gでした。

一方、「健康日本21(第三次)」では、
野菜摂取量の平均値350gが目標になっています。

平均との差を単純に比べると、

全体で約91g。

女性では約100g。

もちろん、これは平均値と目標値の比較です。

一人ひとりの食事を見て、

「全員が野菜不足だ」

と言える数字ではありません。

実際、350g以上食べている人もいます。

ただ、ここから見えてくることはあります。

少なくとも、「健康のためには、まず食べるものを
減らせばいい」という人ばかりではなさそうです。

もう少し野菜を食べたい人もいる。

ほかの食品も含め、一日の食事全体を
整える余地がある人もいる。

そう考えると、

食事の機会を一回減らす前に、
今の食事で十分食べられているのかを見る

という順番もあっていいのではないでしょうか。

「朝食を抜いただけ」で終わっていない?

ここで、16時間断食の話へ戻ります。

朝食を抜く。

昼食は今までと同じ。

夕食も今までと同じ。

これなら、食べない時間そのものは
簡単に延ばせます。

でも、私はここで一つ聞きたくなります。

昨日まで朝に食べていたものは、
どこへ行きましたか?

昼へ移した。

夜へ移した。

食べる8時間の中で、別の形で取っている。

それなら分かります。

でも、朝食と一緒にそのままなくなったのなら、
変わったのは食べる時間だけではありません。

一日の食事量も変わっています。

もちろん、それまで食べる量が多かった人にとっては、
それでちょうどよくなることもあるでしょう。

一方で、もともとの食事で十分取れていないものが
あったなら、話は違ってきます。

だから、

「朝食を抜けた。16時間達成!」

だけではなく、

その次の一行も考えたいのです。

食べる8時間の中で、
一日全体をどう組み立てるのか。

時計を見るだけでは分からない部分です。

朝食を、そこまで悪者にしなくてもいいと思う

16時間断食について調べていると、
ときどき、

「今の朝食文化は企業のマーケティングによって作られた」

「昔の人間は朝食を食べていなかった」

といった説明を見かけることがあります。

そこから、

「だから、人間には本来朝食はいらない」

という話へつながることもあります。

ただ、ここは少し分けて考えたいところです。

アメリカでは1920年代、
PRの先駆者として知られる
エドワード・バーネイズが、

ビーチナット社(Beech-Nut Packing Company)の依頼を受け、
ベーコンの需要を増やすために

「しっかりした朝食」を訴えるキャンペーンを行い、
ベーコンと卵の組み合わせを広めました。

これはたしかに、
朝食とマーケティングの興味深い歴史です。

でも、

「ベーコンと卵という朝食スタイルが
マーケティングによって広まった」

ことと、

「人間にはそもそも朝食という習慣がなかった」

ことは、同じではありません。

日本を見ても、一日3食が定着する以前には
一日2食の時代がありましたが、
その基本は朝と夕でした。

国立国会図書館のレファレンス協同データベースでも、
従来の「朝夕二回」に昼食が加わり、
一日3食へ変化していったことが紹介されています。

つまり、

「昔は一日2食だった」=
「昔の人は朝食を食べていなかった」

ではありません。

だから私は、朝食そのものを
「本来不自然な食事」とまで考えなくても
いいのではないかと思っています。

そして、朝食をやめて調子がよくなった場合も、
もう一つ分けて考えたいことがあります。

たとえば、それまで菓子パンや甘い飲み物を
頻繁に取っていた人なら、

変わったのは、

「朝食を食べなくなったこと」

だけではありません。

「それまで朝食で取っていたものを
取らなくなったこと」

も同時に変わっています。

どちらがどう関係したのかは、
それだけでは分かりません。

だから、

「朝食を食べるか、食べないか」

だけではなく、

朝に何を食べているのか。
そして一日を通して何を食べているのか。

そこまで見たいと思っています。

歴史上の食べ方をそのまま正解にするより、

今の自分が必要なものを
無理なく食べられているかを見る。

私には、そちらのほうが大切に思えます。

私が16時間断食をするなら、先に確認したい3つのこと

もし私が16時間断食を取り入れるなら、

「どうすれば16時間空けられるか」

より先に、次の3つを確認します。

1.2食で無理なく食べられるか

今回、一番気になったところです。

朝に食べていたものを昼と夜へ移しても、
無理なく食べられるか。

そして、一日だけではなく、
普段の生活で続けられるか。

2食でも無理なく食べられるなら、
少なくとも今回私が気になった
「食べ切れるの?」という問題はクリアです。

逆に、毎食、

「もうお腹いっぱいだけど、まだ食べなきゃ」

となるなら、私なら食事回数のほうを見直します。

2.今の食事で、そもそも足りていないものはないか

食事を一回減らす前に、一日全体を見ます。

  • 野菜はどうか。

  • 果物はどうか。

  • 肉、魚、卵、大豆製品などはどうか。

  • 乳製品はどうか。

もともとの食事に整えたいところがあるなら、

「何を減らすか」より先に、
「一日全体をどうするか」

を考えたほうが、自分には合うかもしれません。

3.「16時間」という数字を守ること自体が目的になっていないか

2食にすると毎回苦しい。

一度に食べられない。

食事で取れなくなったものを、
補助食品で次々に埋めるようになる。

もちろん、必要に応じてサプリメントなどを
利用すること自体を否定するつもりはありません。

ただ、

健康法を成立させるために食事のほうへ無理が出て、
その穴を補うものがどんどん増えている

なら、

一度、

「この方法、本当に自分に合っている?」

と確認してもいいと思います。

16時間という数字は、目的ではないはずだからです。

「食べない16時間」だけでなく、「食べる8時間」も見てみたい

今回、3食の献立を2食へ組み替えてみて、
改めて感じたことがあります。

食事回数を減らしても、
一日分として考えていたものまで
自動的に減るわけではない。

時計だけを見れば、

20時から翌12時まで。

きれいに16時間です。

でも、食事は時計の中ではなく、
皿の上にあります。

そこで無理が出ていないか。

今まで食べていたものが、
知らないうちに丸ごとなくなっていないか。

一日全体ではどうなっているのか。

私は、そこまで見てから
自分に合う方法を選びたいです。

朝食を食べたほうがいい。

16時間断食はやめたほうがいい。

そういう話ではありません。

2食が合うなら2食でいい。

3食に分けたほうが食べやすいなら3食でいい。

大切なのは、

食事法のルールより、
一日全体で必要なものを無理なく食べられているか。

16時間断食を達成すること自体が目的ではありません。

本来の目的は、

自分が健康に過ごすこと。

だから私は、

健康法に身体を合わせるのではなく、
自分の身体に合うように健康法を使いたい。

そして、それは健康法だけでなく、
「良い習慣」についても自分に合うものを選ぶべきだと思います。
詳しくはこちらから

健康法は、守るためのルールではありません。

健康になるために使う、道具なのです。


参考にした資料・レシピ

四群点数法とは
四群点数法「身体活動レベル別・年齢別・性別 食品構成」
厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」
国立国会図書館 レファレンス協同データベース「日本では、いつからどのような理由で、1日3食が定着したのか」
The Museum of Public Relations「Classroom Guide to Working with “Ask Eddie”」
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