田螺の翁(タニシノオキナ)
近畿地方も梅雨が明けました。
昨日までのどんよりした空が嘘のように、晴れ渡った蒼空が広がっています。
でも、とにかく陽射しが痛い。
今年も、猛暑の夏がやってきました。
庭の水盤(蓮鉢)も午前中は日が当たる場所にあるので、水温がぐんぐん上がります。畦菜(アゼナ)が元気に水面から茎を突き出して伸びてきました。
これからは、覆いを工夫して、水温の調整をしなければなりません。

この蓮鉢の水の中では、先週新しい命がたくさん生まれました。
ミナミヌマエビの赤ん坊です。
甲殻類は、生まれてすぐの幼生の間はプランクトンみたいな形をしているもんですが、ミナミヌマエビの赤ん坊は、はじめからエビの姿で生まれてきます。
生まれてすぐは、親のエビのそばで守ってもらっていました。今は、早くも親離れして、思い思いの場所に隠れています。

オトナの顔の先と、写真右下の方にも赤ん坊が写っています(見切れていますが)
この蓮鉢には主がいます。
一番古株の田螺(タニシ)です。もっと小さな蓮鉢だった頃からずっと生き長らえています。
田螺の寿命が何年ぐらいなのかは知りませんし、うちに来たときには既に大きかったこの田螺がいま何歳なのか知りませんが、人間で言えば老境の域に達しているはずです。

その姿も、貝殻に長い苔(藻?)を長髭のように伸ばし、風格を漂わせています。
よく長生きしてるウミガメにも、甲羅に長い藻をまとわせているのがいますね。長寿を祝う鶴亀の絵に描かれるようなヤツ。
ちょうどそんな感じで、めでたい雰囲気を全身にまとわせているのです。
私は、この田螺に「田螺の翁(タニシノオキナ)」という名前を付けています。
そして、毎朝、蓮鉢を覗き込むたびに「おっ、元気にしとるか? タニシノオキナ」などと声をかけています。
全国広しといえども、個別の名前を持った田螺は、なかなかいないのではないでしょうか。
今朝も田螺の翁は元気に苔を食べていました。
ずっと長生きしてくれるよう、私は蓮鉢の環境保全に目を配ることにしましょう。
いずれ、田螺の翁を主人公にした物語も書いてみたいものです。
