いとしいしと
あれは、昔のこと。
当時、社内恋愛をし同じ職場の彼氏がいた時のことです。
そして、場所もしっかり覚えています。
ザンギで有名な中華料理店の布袋でランチを食べていた時のこと。
(当時の)彼がこう言いました。
「怒らないで聞いてくれる?」
「何?」
「本当にやましいとか、浮気とかじゃないんだけどさ」
「うん」
「俺、アキさん見ると愛しいって思うんだよね」
アキさんというのは、同じく会社の女性で、
とってもおっとりしている優しい女性です。
アキさんとは長いお付き合いになりますが、今まで一度も怒っているのを見たことがありません。
ご自身は、「ほら、私、仕事が遅いから」と仰っていますが、丁寧さの証でもあります。
アキさんの上司は、そんな断らないアキさんをこき使ってるなーと感じ、私は腹が立つ時もあります。
「いや、わかるー!!私も愛しくなる!」
と私は返答しました。
彼は、ホッとしたように
「でしょ?!」と言いました。
それから食事を終え、買い物に向かう途中の道中は、アキさんの良いところをお互いにずっと話していました。
私があまりヤキモチを焼かない性格というのもあるのですが、他の女性を愛しいと言ってもトラブルにならなかったのは、ひとえにアキさんの人望、人格のなせる業です。
アキさんが既にご結婚されていたというのもありますが、異性としての魅力だけじゃなく、人として魅力のある人は、男性、女性どちらからも人気を集めます。
そして、大人しい人というのは、軽んじられることもあり、ご本人もそれで悩んでいるケースもあります。
ただ、私(達)は言いたい。
おっとりした性格は、欠点じゃなく長所だぜ。
休みの日に、本人のいないところで小一時間いい所ばかりを褒め合うなんて、対象の方が素晴らしいから以外の何物でもありません。
悪口大会なら、長時間盛り上がることもあるでしょうけどね。
そうしたアキさんですので、味方はものすごく多いです。
良い人というのは、時には騙されたり使われたりしますが、味方だって沢山いるのです。
私達は破局し、彼は会社を辞めましたが、アキさんはまだいます。
相変わらず、優しく素敵な人のままです。
