イヤミスの女王たち
イヤミスをご存じでしょうか?
嫌な気分になるミステリーの略で、読んだ後、強い不快感や後味の悪さが残るミステリー小説のことです。
今までの推理小説のように事件解決でめでたしめでたしではなく、人間の心理の闇や醜さを深く描き、読者に嫌な気分を残す作品を指します。
ネットには「嫉妬、虚栄心、独占欲など、誰もが持つ心の闇をえぐる描写や、救いのない結末が特徴で、読者は『不快だけれど目が離せない』という矛盾した読書体験を味わいます。」と記載がありました。
私はイヤミスが大好物です。
昔から推理小説というのは数多く存在し、推理小説として成立する、謎があり事件を解く流れは、ある程度もう手法が出尽くしてしまっていると思うのです。
つまり、真新しいトリックというのはなかなか編み出せず、今までのトリックの組み合わせだったり、真新しいトリックだったとしても、現代の新しい技術の穴を突いたものだったりすることが多いように感じます。
つまり、レッドオーシャンになっているということ。
そのため、ミステリから得る刺激は、トリックだけでなく人の心の闇だったりします。
イヤミスの女王と呼ばれる、3人の女性作家がいます。
湊かなえさん、真梨幸子さん、沼田まほかるさんのことです。
お三方の作品は読んだことがありますが、
湊かなえさんと真梨幸子さんは同じくらい、沼田まほかるさんは一冊だけです。
真梨幸子さんは上述した『誰もが持つ心の闇』の中でも、恋愛方面が多いように感じます。
そのため、読んでいてちょっと恥ずかしいと感じるシーンもあります。
ただ、読んでいて不快だがそれが快感という感覚は分かります。
沼田まほかるさんは一冊だけなので、あまり彼女の作品たちの系統については語ることができませんが、精神的に歪んだ記述が多いのかな?という印象でした。
湊かなえさんの作品は恐らく10何冊は読んでいるのですが、実は…率直に言って、「世間では、イヤミス扱いなんだ?」と思いました。
湊かなえさんの作品は、決してハッピーエンドで終わるわけでもないし、人の心の闇も書いているのですが、私には、その心の動きが人として自然な範疇だなという印象なのです。
非日常を描いているのですが、「誰かがそんな非日常に置かれたら、そんな心境、そんな行動に出てもおかしくないな」と感じます。
そのため、非日常のなかでも正常稼働した人間たちの物語という印象が強く、イヤミスとは思わないのかもしれません。
これはあくまで私の感想ですので、いやいや、こんなシーンがあるならイヤミスでしょというご意見はもっともです。
私がイヤミスだと思うのは、私が想像する以上の感情の振れ幅だったり、常軌を逸した行動を取る作品なのかもしれません。
なので、私が想像できる範囲内の行動であれば、イヤミスには入らないという事。
……つまり、私が湊かなえさんのような非日常に置かれたら、同じようなことをするかもしれないってことですね。
なーんて。しません。
